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週刊地震情報 2025.1.12 鳥島近海の深発地震で異常震域 チベットでは大きな地震被害

ウェザーニュース / 2025年1月12日 10時40分

ウェザーニュース

この1週間に国内で観測された有感地震の回数は、前週よりも少し多い水準です。深さ100km以上の深発地震がやや目立ちました。震度3以上の地震は1回発生しています。(1月6日〜12日10時の集計)

国内:鳥島近海の地震で関東から東北が揺れる

鳥島近海の地震

7日(火)17時32分頃、鳥島近海を震源とするマグニチュード5.6、深さ381kmと推定される地震が発生しました。この地震で東京都千代田区、神奈川県横浜市中区など関東の1都5県や福島県で最大震度2を観測しています。

鳥島近海の深発地震で震度1以上を観測するのは2019年6月以来、約5年半ぶりです。地震のメカニズムはほぼ垂直方向にずれるタイプと解析されています。

「異常震域」震源から離れた所まで揺れが伝わる

この地震は震源から離れている関東や東北まで震度1以上の揺れが到達したのが特徴的です。深い地震で良くみられる「異常震域」が現れました。

多くの地震では震央から同心円状に揺れの強い地域が分布しますが、深発地震では沈み込んだプレートに沿って揺れが陸地に伝わり、海溝側にあたる遠方で揺れが大きくなる「異常震域」がみられることがあります。

今回は太平洋プレートを伝わって関東や東北の太平洋側で揺れが大きくなり、その一方で東海以西では震度1以上の揺れが観測されませんでした。

また、同じ7日(火)に青森県津軽北部で発生した深さ161kmの地震や、8日(水)に硫黄島近海で発生した深さ543kmの地震でも、同じように異常震域がみられています。

国内:日向灘の地震で震度3

日向灘の地震

6日(月)18時22分頃、日向灘を震源とするマグニチュード4.5、深さ30kmと推定される地震が発生しました。この地震で大分県佐伯市で最大震度3、宮崎県や大分県、高知県などで震度2の揺れを観測しています。

地震のメカニズムは東西方向に圧力軸を持つ逆断層型と解析されています。

日向灘では昨年8月のマグニチュード7.1の地震以降、地震活動が活発です。2023年8月から2024年7月までの1年間では震度3以上の地震が4回だったのに対し、2024年の8月から今年1月11日まででは7回発生しました。(マグニチュード7.1の本震をのぞく)

ここ3か月は連続して発生しており、しばらくは活動の活発な状態が続くとみられます。震度3〜4程度の地震はいつ起きてもおかしくありませんので注意が必要です。

世界:チベット自治区でM7.1 周辺では大きな被害

世界のM4.5以上の地震(USGSホームページ引用/ウェザーニュース加工)

アメリカ地質調査所の解析によるマグニチュード6以上の地震は2回発生しました。最も大きな地震は中国・チベット自治区で発生したマグニチュード7.1です。

日本時間の7日(火)午前、チベット自治区を震源とするマグニチュード7.1、深さ約10kmと推定される地震が発生しました。(中国気象局はマグニチュード6.8と解析)地震のメカニズムは東西方向に張力軸をもつ正断層型と解析されています。

震央に近い領域では改正メルカリ震度階級でIXの強い揺れがあったとみられます。日本の震度階級と直接比較することは難しいものの、震度6強に相当するレベルです。標高4000m前後の高地ですが、ヒマラヤ登山の拠点など町が各地に点在していて、建物の倒壊が相次ぎました。少なくとも100人以上の方が亡くなったと報じられています。

この周辺はインドプレートとユーラシアプレートに近く、しばしば規模の大きな地震が起きています。今回よりもプレートにより近いネパールでは2015年にマグニチュード7.8の地震があり、甚大な被害に見舞われました。1934年にはマグニチュード8.0の地震が起きた記録もあります。

地震被災地では多くの建物が被害を受けていて、冬の厳しい寒さへの対策が進められている状況です。

出典・参考
※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。

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