アトラス彗星(C/2024 G3) 観察はかなり難しいがマイナス等級の明るさに
ウェザーニュース / 2025年1月16日 16時0分
今週13日(月)に太陽に最接近した「アトラス彗星(C/2024 G3)」が夕方の空に出現するようになりました。
肉眼で見るのは極めて困難ですが、マイナス等級の明るさがあるため撮影に成功した方も。観測可能な方向や時間帯などを解説します。
※なお「アトラス彗星」と名の付く彗星はたくさんあり、それぞれ全く別の彗星のことをさします。
【動画】昨年10月 カメラがとらえた「紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)」
西の空のごく低空に出現
アトラス彗星は昨年、アトラスプロジェクトの南米チリの望遠鏡によって発見された非周期彗星です。今年1月13日(月)頃に太陽と最接近し、その後も尾を引く様子が観測されています。
(方向と時間帯)
1月上旬は明け方の東南東の空に昇っていましたが、今の時期は日没後の西南西の空に出現する状況に変わっています。ただ、太陽の方向とかなり近くに見えるため、観測のチャンスは日の入りから20〜30分後のわずかな時間しかありません。超低空にしか見えないため、地平線が見通せるような立地も必要になります。
(明るさ)
アトラス彗星は最も明るく見える時期を過ぎましたが、現在も明るさは−1〜0等前後になっている模様です。ただ、太陽とかなり近いことで空がまだ明るく、彗星が沈むまでに見つけるのはかなり難しそうです。正確な方位をあらかじめ確認し、天体望遠鏡や適切な望遠レンズ等を用いて撮影すれば、写真に捉えることができそうです。複数枚を撮影して編集ソフトで合成する作業を行うと、より確認しやすくなりそうです。レンズ越しに太陽を見てしまうと大変危険なため、準備の際は十分注意してください。
彗星(ほうき星)と見間違いやすい現象
日の入り前後の西の空には、彗星のように白く光る線状のものが見えることがあります。これらは夕陽に照らされた飛行機雲であることが多いようです。
今回の彗星は肉眼で見ることはできません。双眼鏡を使っても発見は厳しいため、もし西の空に彗星のようなものを見かけても彗星ではない可能性が高そうです。
写真:ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリ)
参考:アストロアーツ「2025年1月 アトラス彗星が0等前後」
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