水道管の凍結を防ぐには? 3つの予防策と凍結した時の応急処置法
ウェザーニュース / 2025年2月3日 11時20分
今週は寒波が日本列島に襲来し、放射冷却現象などで朝晩は厳しい冷え込みとなる日もある予想です。特に注意が必要なのが、水道管の凍結です。
水道管の凍結は断水の原因となり、日常生活にも大きな影響を及ぼします。
水道管の凍結を防ぐにはどうすればいいのか、予防法や凍結してしまった際の対応策についてまとめてみました。
外気温-4℃以下の日は要注意
水道管の凍結が多発するのは、例年12月から2月とされています。北日本など寒い地域では水道管・関連器具に防寒・保温設備が施されている住宅がほとんどですが、それ以外の地域でも次のような条件の下では、凍結のリスクが高まります。
▼外気温が-4℃以下になるとき
▼真冬日(外気温が一日中氷点下の日)が続いたとき
▼就寝前や旅行などで家を留守にして長時間水道を使わないとき
水道管の凍結は単に蛇口から水が出なくなるだけでなく、長期の断水につながる水道管や器具の破損をもたらします。水が凍結して氷になると、約9%の体積膨張が生じます。
これによって密閉された空間である水道管やメーター、止水栓など器具内部の圧力が高まり、亀裂や破損が引き起こされてしまうのです。
水が氷になる(凝固する)温度は0℃ですが、水道管内の水がこれに達する外気温の目安は-4℃とされていることから、「外気温が-4℃に下がる日は水道管の凍結に注意」と呼びかけられているのです。
特に外気にさらされる水道管には対策を
外気温が-4℃近くまで下がるような強い寒波が流れ込んだ際は、寒冷地以外の多くの地域でも、何らかの凍結対策が必要になります。
住宅で凍結しやすい箇所として、屋外の蛇口や露出して外気に直接さらされる水道管、洗濯機用の水栓などが挙げられます。さらに、北側通路の風当たりが強い場所や北向きに設置された水道管などは、マンションやアパートなど集合住宅でも、凍結しやすいので注意してください。
水道管が凍結しなくとも、屋外に設置された給湯器の配管が凍って故障する事象もしばしば報告されていますので、併せて注意が必要です。
水道管凍結を予防するための3つの対策
凍結を予防するための対策としては、次の3つが挙げられます。戸建てでも集合住宅でも、基本は同じです。
(1)水道管の保温
水道管や蛇口など断熱材が巻かれていない部分に布や発泡ポリエチレンなどを巻き付けてビニールテープで固定し、熱が逃げないようにします。
メーターボックス内のむき出しの配管にも、カバーを掛けたり布を詰めたりして保温します。
(2)水抜栓の使用(水落とし)
寒冷地で水抜栓(みずぬきせん)の設備がある家庭では、冷え込むことが予想される夜は寝る前に水抜き(水落とし)をします。住宅タイプなどによって異なりますが、おおまかな手順は次の通りです。
まず家の中にある蛇口を全て閉め、水抜栓のハンドルやレバーが完全に止まるまで閉めます。続いて閉めた蛇口を全て開けて水を抜き、手などをあてて蛇口が軽く空気を吸い込む感触を確認します。水が抜けたら、再度、家の中の蛇口を全て閉めます。
(3)水をチョロチョロ出しておく
水抜栓がない場合は、夜間に蛇口を少し開けて水を鉛筆の芯の太さくらいの目安でチョロチョロと出しておくと、凍結しにくくなります。水は排水口へ流し放しにせず、容器などに貯めておいて洗濯に使うなど、有効利用を心がけてください。
悪臭やガスの逆流を防ぐ排水口のトラップや水洗トイレの水まで、寒冷地などでは凍ってしまう可能性があります。冷え込みが厳しい日や長期間家を空ける場合などは、不凍液を入れておくなどの対策も必要です。
凍結してしまった時の応急処置法
万が一水道管や蛇口が凍結してしまった場合、タオルをかぶせて上から少しずつ人肌(40℃)程度のぬるま湯を、ゆっくりとかけてください。タオルをかぶせるのは、余熱を利用するためです。
いきなり熱湯をかけると水の体積が急激に増え、水道管のひび割れや破裂の原因になりますので、絶対にNGです。また水道メーターには熱湯はもちろん、ぬるま湯もかけないで自然解凍してください。
凍結が解消しなかったり水道管が破損してしまったりした場合は、水道元栓を閉じたうえで、各自治体の指定給水装置工事事業者に修理を依頼してください。
今後、寒冷地でなくとも寒気の状態によっては、凍結しやすい状況が続く可能性もあります。日頃から有効な対策を理解し、水道管の凍結予防に務めましょう。
参考資料
東京都水道局「水道管の凍結について」、京都市上下水道局「水道管の凍結にご注意を」、旭川市「水落としの方法」、仙台市水道局「寒くなったら水道管の凍結にご注意ください」、寒冷地給水技術協会「寒冷地における給水用具の凍結防止対策」
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