風邪かな?と思ったときにおすすめの食材 薬膳の視点では
ウェザーニュース / 2025年2月6日 13時7分
立春をすぎても厳しい寒さが続き、知らずしらずのうちに体への負担が増しています。
源保堂鍼灸院(東京都渋谷区)の瀬戸佳子先生(国際中医薬膳師)は、「冷えの風邪に注意してほしい」と呼びかけます。東洋医学における「冷えの風邪」とは何か、ゾクッときたときの対処法やオススメ食材などを教えてもらいました。
冬は冷えからくる風邪に注意
冬の不調の代表といってもいいのが風邪です。
「東洋医学の考え方では、風邪には大きく3つのタイプがあります。『冷えの風邪』『熱の風邪』『胃腸の風邪』で、原因や症状、対処法が異なります。
冷えの風邪とは、冷えから始まる風邪です。冬の寒さや冷たい飲み物などが要因となり、ゾクッとくる悪寒から、発熱や頭痛、咳などの症状あります。冬から春に多い風邪です。
熱の風邪とは、のどの痛みなどから始まり、発熱や悪寒、頭痛などが起きるものです。そして、胃腸の風邪は、下痢や吐瀉(としゃ)など主にお腹に症状が出ます」(瀬戸先生)
冬は寒さで免疫力が落ちるので風邪をひきやすいということでしょうか。
「東洋医学で“免疫力”に当たるのが『正気(せいき)』『衛気(えき)』です。正気が生命力や治癒力であり、衛気は文字通り防衛機能です。正気や衛気が足りなくなると、ウイルスのような体に悪いものが入ってきて暴れ、病気にかかるのです。冬の寒さに体がさらされることは衛気が減る原因のひとつです」(瀬戸先生)
しかし、冷えだけに注意しておけばいいいというわけではないといいます。
「年末年始の忙しさや暴飲暴食による胃腸の疲れなどのダメージは、正気や衛気を減らしてしまいます。今の時季はお正月からの緊張感のある状態から、いつもの日常に戻るタイミングですが、気のゆるみから不調が現れやすいのです。
そして、冷えの風邪をひいても、熱の風邪に変わることもあります。ゾクゾクして頭痛もあった風邪が、急に熱っぽくなるというのはよくある例です。
風邪は『万病のもと』。ひきそうな気配を感じたら、軽いうちに治すことが大切です」(瀬戸先生)
風邪をひいた時に摂りたい食材
風邪はゾクッときた段階での早い対処が必要だといいます。
「冷えの風邪は、とにかく体を温めることが大事です。漢方薬では、温める生薬である桂皮(けいひ)や生姜(しょうきょう)が配合されている『葛根湯(かっこんとう)』がよく使われますが、薬膳でも体を温める作用の強い食材を選びます。
長ネギ、ショウガ、シソ、コショウ、香菜、シナモンなどです。最もオススメなのが長ネギの白い部分です。葱白(そうはく)として漢方でも使われるほど効果が高いもの。生でなく、おかゆや鍋、味噌汁などに入れて加熱して使いましょう。
乾燥したショウガも体を芯から温める作用があります。ただし、胃を荒らすことも多い食材なので、摂りすぎには気をつけましょう」(瀬戸先生)
もちろん、体を休めるのも忘れてはなりません。
「体を冷やさないようにして、早めに就寝します。入浴もできれば控えます。
風邪の治りはじめには、汗をかいたり尿が多めに出るなど水分を失うことが多いので、適度な水分補給も心がけましょう。ただし、内臓を疲れさせるジュースや甘い乳製品、コーヒーや緑茶のようにカフェインを含むものはやめましょう。よいのは白湯、葛湯などですね」(瀬戸先生)
日々の生活から体を冷やさないよう注意
風邪予防のために気をつけたいことがあります。
「衛気や正気を失わないようにすることです。働きすぎや寝不足、暴飲暴食による胃腸の疲れ、アルコール摂取、ストレスなどは影響があります。甘いものの食べ過ぎもよくありません。
体を冷やさないように、防寒には十分に気をつけます。特に、お腹と、首の後ろにあるツボの大椎(だいつい)のあたりは冷やさないよう、マフラーなどを使いましょう。
外出中などに風邪をひく気配を感じたときにも、チャイなどの体を温める飲み物は応急処置としてオススメです。ただし、喉が痛い風邪には使えないので注意してください」(瀬戸先生)
1月下旬から2月上旬は一年のうちで最も寒い時期ですが、このあとは春が控えています。
「今、免疫のバランスを崩して春まで持ち越してしまうと、花粉症などの不調につながることもあります。ちょっとした風邪でも油断せず、自分の体と向き合う機会としてください」(瀬戸先生)
冷えを感じたらしっかりケアして、風邪や体調不良を防いでいきましょう。
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