【J1クラブ通信簿】バンディエラ退団でチーム崩壊も後半戦の改革で間一髪J1残留《サンフレッチェ広島》

超ワールドサッカー / 2017年12月7日 19時0分

写真:Getty Images

▽歴史が動き、シーズンが閉幕した2017明治安田生命J1リーグ。最終節まで優勝争い、残留争いが繰り広げられ、最後まで目が離せない白熱したシーズンとなった。

▽「DAZN」マネーにより、シーズンの成績で今後のクラブ強化に大きな影響を及ぼすこととなった2017シーズン。超ワールドサッカー編集部は、J1全18クラブを総括。トピックやチームMVP、補強成功度、総合評価で振り返る。第4弾は終盤の2度の連勝で残留を手繰り寄せたサンフレッチェ広島を総括する。

◆シーズン振り返り

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【主なトピック】
●佐藤寿人や森崎浩司ら“バンディエラ”の退団
●塩谷司がアル・アイン移籍
●森保一監督辞任&ヤン・ヨンソン監督就任
●パトリックと丹羽大輝のガンバ大阪コンビを獲得
●土壇場で残留を勝ち取る
▽広島の新シーズンは佐藤寿人と森崎浩司の退団から始まった。長年チームの核を担ってきたバンディエラたちからの卒業を決意し、工藤壮人やフェリペ・シウバといった実力者を加え、気持ち新たに迎えた2017年。しかし、蓋を開けてみれば見るも無残な結果となった。

▽開幕から5戦勝ちなしで調子の上がらない近年の成功者たちは、シーズン半ばにきても改善の傾向がみられず、わずか2勝でシーズンを折り返した。そしてついに7月、5年で3度のJ1優勝を果たした森保一監督が辞任。後任として広島でのプレー経験もあるヤン・ヨンソン監督が就任した。夏の補強期間では、期待外れの工藤に代わる点取り屋としてパトリック、UAEのアル・アハリに移籍した塩谷司の後釜に丹羽大輝をガンバ大阪から獲得し、チームの立て直しを図った。
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▽迎えた後半戦、夏の補強の効果もあってか少しずつ調子は上向きに。慣れ親しんだ[3-4-2-1]から[4-2-3-1]にシステムを変更すると、新加入のDF丹羽が右サイドバックにフィット。パトリックも工藤からレギュラーの座を奪うなど夏の改革がポジティブに働いた。第26節、第27節にかけては広島にとってシーズン初の連勝を記録。そして、ホーム最終戦となった第33節のFC東京戦で勝利し、J1残留を決めた。

◆チームMVP
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MFアンデルソン・ロペス(24)
明治安田生命J1リーグ32試合出場(先発29試合)/10得点
▽攻撃陣がゴール欠乏症に陥る中で1人気を吐いたのがアンデルソン・ロペスだった。開幕前に期限付き移籍期間を延長し、在籍2年目を迎えた同選手は新加入の工藤や皆川佑介、宮吉拓実らが得点を奪えないでいる中、安定してゴールを重ねた。チームワークが売りだった広島において、やや個の力に頼る部分もあったものの、それがチームの助けとなっていたことは間違いない。チーム最多のリーグ戦10ゴールは確実に広島のJ1残留に最も大きな成果をもたらした。

◆補強成功度「D」(評価:S~E)
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▽まず、シーズン開幕前の主な補強は2人。工藤壮人とフェリペ・シウバだ。前者は特に佐藤の後継者として多くの期待が集まったが、実際に集まったのは不安とため息。その姿を見たのは前半戦だけだった。フェリペ・シウバはレギュラーを掴めず途中出場が多いシーズンだったが、終盤に2戦連続ゴールなど貴重な得点を奪った。

▽期待外れに終わった工藤に代わり、後半戦からは夏に加入したパトリックが台頭。ゴール数こそ多くなかったものの、4ゴール3アシストで及第点の活躍をみせた。同じく夏の加入となった丹羽は右サイドバックで安定感を示した。丹羽らしい堅実なプレーでヤン・ヨンソン監督の指示を忠実に体現し、広島の新システムにピタリとはまった。FC東京から加入したネイサン・バーンズはプレー機会なし。戦力にならなかった。

◆総合評価 「D」(評価:S~E)
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▽最低限、残留を決めたことが評価に繋がった。近年の成績と比べれば最低評価でもよいのだが、終盤に見せた意地と底力は評価に値した。それでも、やはり過去5年で3度の優勝を知る者からしたら『どうした!?広島』だった。重鎮たちの退団や昨シーズンのゴールゲッターだったピーター・ウタカの移籍がここまで悪影響を及ぼすとは思いもしなかっただろう。

▽また、過渡期を迎えたチームが上手くリフレッシュできなかったのもここまで低迷した要因の1つと言える。退団した佐藤や森崎浩らがチームにもたらす影響は大きかったが、そもそも彼らに代わる選手が現れなかったのだ。前線では宮吉や皆川らがゴールを奪えず、中盤では茶島雄介や森島司が噛み合わず攻守で隙が生じた。

▽それでもチーム改革を行った後半戦は確実に負けは減り、少しずつ勝ち点を重ねていった。目に見えて変わったのは失点の減少。ヤン・ヨンソン監督が3バックから4バックにしたことで、元々守備力の高かった千葉和彦と水本裕貴の守備がより安定感を増し、思うように得点が奪えない攻撃陣を援護した。終盤にかけて勝負強さを発揮したチームは、2度の2連勝でJ1残留を掴み取るなど、不遇のシーズンで最低限の評価を得た。

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