【J1クラブ通信簿】負傷者トラブルで苦戦も最後は名門が意地の残留《清水エスパルス》

超ワールドサッカー / 2017年12月7日 19時30分

写真:Getty Images

▽歴史が動き、シーズンが閉幕した2017明治安田生命J1リーグ。最終節まで優勝争い、残留争いが繰り広げられ、最後まで目が離せない白熱したシーズンとなった。

▽「DAZN」マネーにより、シーズンの成績で今後のクラブ強化に大きな影響を及ぼすこととなった2017シーズン。超ワールドサッカー編集部は、J1全18クラブを総括。トピックやチームMVP、補強成功度、総合評価で振り返る。第5弾は最終節で意地を見せ、J2からの昇格3チーム目の残留を決めた清水エスパルスを総括する。

◆シーズン振り返り

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【主なトピック】
●J2で見せた攻撃力は通じず、残留争い
●負傷者トラブル
●前半は守備陣、後半は攻撃陣に問題
●最終節で名門の意地を見せる
●J1昇格&残留に導いた小林伸二監督を解任
▽昨シーズンのJ2リーグで85得点という圧倒的な攻撃力を見せつけ、1年でJ1に返り咲いた清水。今シーズンは負傷者に悩まされたことが大きく響き、最終節まで残留を争うことになった。

▽前半戦から中盤戦にかけては、主力であるDF犬飼智也とDF角田誠が負傷離脱する時期があり、センターバックを固定できずに守備面で安定感を欠いた。また、新戦力のDFカヌとDFフレイレがなかなかフィットしなかったことも、チームにとって計算外となり、耐久性を欠くチームは前半戦で4勝6分け7敗と苦戦した。

▽後半戦では、精神的な支柱でもあるFW鄭大世が8月と10月に立て続けに離脱。さらに、攻守にわたってチームに貢献していたMF六平光成の負傷離脱も響き、第26節から第33節の8試合では5敗3分けとチームの成績は落ち込んだ。それでも、最終節で名門の意地を見せてヴィッセル神戸を1-3で下し、辛くもJ1残留を果たした。
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▽しかし、シーズン終了後に小林伸二監督との契約を解除。クラブをJ1昇格に導き、残留争いに勝利した指揮官と袂を分かつことを決断し、来シーズンは新監督の下で飛躍を目指す。

◆チームMVP
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DF松原后(21)
明治安田生命J1リーグ32試合出場(先発32試合)/2得点
▽苦しみ続けたチームにあって、数少ない明るい材料が左サイドバックの新鋭・松原の存在だ。元サッカー選手の松原真也氏を父に、同じく松原良香氏を叔父に持つJリーグ界屈指のサラブレッドは今シーズン、32試合に出場して2ゴールを記録。持ち前の攻撃センスに一層と磨きがかかり、タイミングのいいオーバーラップと鋭い仕掛けから幾度もチャンスを演出した。

▽また、走力も非凡なものがあり、労を惜しまないアップダウンで清水の左サイドを支えた。さらに、日本人サイドバックとしては珍しく上背もあり、今後の成長が楽しみな存在。守備の安定感やトップレベルでの経験を積んでいけば、日本代表入りもそう遠くないだろう。

◆補強成功度「E」(評価:S~E)
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▽補強策が功を奏さなかったことも、今シーズン清水が残留争いに巻き込まれた大きな要因だ。DFカヌはチームに馴染むことに苦しみ、DFフレイレも最後まで定位置を掴むには至らず、外国人新戦力がシーズン前の期待に応えることができなかったのは誤算だった。

▽また、MF野津田岳人もインパクトを残せず、シーズン途中にベガルタ仙台に移籍。そのため、シーズン通じての戦力アップという意味ではGK六反勇治のみという結果。加入後の数試合でポテンシャルの高さを見せたFWチアゴ・アウベスがより一貫性を見せていれば、もう少しチームは楽になったかもしれない。

◆総合評価 「D」(評価:S~E)
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▽昨シーズンが圧倒的な攻撃力を擁していただけに、やや守備が不安な中でもチームを押し上げられると楽観的に考えた部分もあったかもしれない。しかし、やはりJ1は厳しい場所だと改めて感じさせられたシーズンだったと言えそうだ。

▽負傷者の多さはエクスキューズとなるものの、得点数が「36」にとどまった一方で、補強で強化を成功させられなかった守備では失点数が「54」。J2からの昇格組が3チーム揃ってJ1残留を決めたことは初の出来事だが、最も下に位置したことを考えれば、より厳しいシーズンになることは明確だ。

▽新シーズンに向けては、まずは新体制をしっかりと築くこと。出遅れは禁物だ。そして、新監督の戦術プランに基づいた的確な補強が求められることとなり、オフシーズンのフロントの仕事が浮沈のカギを握るだろう。

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