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リーガに専念できるのはラッキーだけど…/原ゆみこのマドリッド

超ワールドサッカー / 2021年1月30日 21時10分

写真:©Atlético de Madrid

「あまりに順風満帆すぎると思ったら、やっぱりね」そんな風に私が頷いていたのは金曜日、2位と勝ち点7差、3位と10差という絶対首位を1週間、心安らかに満喫したアトレティコのリーガ戦48時間前のPCR検査でカラスコとエルモーソの判定が出ず。もう1度、検査をして陰性となるまで、チーム練習に参加できないと聞いた時のことでした。いえ、先週末、3-1と逆転勝ちしたバレンシア戦でエルモーソは足首のネンザが治って先発に復帰。エレーラもベンチに入っていたので、チームに現在、負傷者はおらず、欠場確定なのはFA(イングランド・サッカー協会)から、10週間のサッカー活動禁止処分を受けているトリッピアーだけなんですけどね。

諸々の事情で目下、人出不足に悩んでいるお隣さんや今週ミッドウィークはコパ・デル・レイ16強対決、来週もグラナダとの準々決勝と忙しいバルサなどから見れば、全然、余裕かと思うんですが、何せ、アトレティコ戦の後、選手1人に陽性、金曜にも2人目が見つかったバレンシアなど、どこぞのクラブでコロナ感染者発生のニュースはもう、日常茶飯事になっていますからね。その割に女子リーガ1部や2部Bでこそ、クラスター発生により、試合が延期になったケースはあったものの、男子リーガ1部ではまだ今季、被害が出ていないのはありがたいんですが、それもいつまで続くことやら。だんだんCL16強対決が近づいてきたせいか、コロナ第1波により、2ndレグ半ばでシーズンをぶった切られた昨季3月の悪夢を思い出してしまうのは、単に私が心配性なだけなんでしょうかね。

まあ、アトレティコのことは一旦、脇に置くことにして、今週ミッドウィークにあったコパ16強対決でマドリッド勢がとうとう全滅してしまったことをまず、お伝えしておかないと。ええ、水曜には2部の弟分ラージョがエスタディオ・バジェカスにバルサを迎え、何とか、前半は0-0と健闘したんですが、後半18分、アルバロ・ガルシアのシュートをGKネトが弾いたところ、フラン・ガルシアが押し込んで先制点を挙げたことが皮肉も相手に火を点けることに。というのも先日、スペイン・スーパーカップ決勝でアスレティックに敗れ、バルサで最初のタイトルを逃したクーマン監督は、「Sabemos que es el camino más corto para ganar algo/サベモス・ケ・エス・エル・カミーノ・マス・コルト・パラ・ガナール・アルゴ(何かを勝ち取るのに最短の道だとわかっている)」とコパを重視。

失点から間もなく、スタメンだったトリンコン、リキ・プッチ、ジュニオル・フィルポの3人を一気にデンベレ、ペドリ、ジョルディ・アルバら、ベンチで温存していたレギュラーに代えると、その効果が1分も経たないうちに現れたから、驚いたの何のって。そう、25分にはデ・ヨングのスルーパスをグリーズマンが受け、メッシにアシスト。例のスペイン・スーパーカップ決勝でレッドカード退場して、ここ2試合、出場停止だったキャプテンのシュートにはそこまで、八面六臂の活躍だったGKディミトリエフスキも成す術がありませんでしたっけ。その頃には格上相手に走り疲れていたラージョだったせいもあり、34分にもジョルディ・アルバのラストパスをデ・ヨングに決められ、最後は1-2で敗退してしまいましたが、彼らの優先目標は現在、プレーオフ圏4位という順位を改善して、1部に直接昇格できる2位までに入ることですからね。それでなくてもコロナとケガで戦力減退しているイラオラ監督のチームにとっては、丁度いい幕引きだったんじゃないでしょうか。

そして翌木曜、ここまで1回戦から、マドリッドの2部Bチームは無観客の縛りがないのを最大限に利用。ホームのマリアーノ・ゴンサレスにファンを入れて、バダホス(2部B)、ラス・パルマス(2部)、そしてエイバルを破る快進撃を見せてきたナバルカルネーロも相応というか、リーガも7位、2月にはEL32強対決のナポリ戦も控えているとあって、今季は全方位臨戦態勢にあるグラナダが相手だったせいですかね。0-6という大敗を喰らってしまったんですが、その後の時間帯にプレーした、32強対決でレアル・マドリーを破って大金星を挙げたアルコジャーノもクーマン戦略を使ったアスレティックに1-2と逆転負け。

マルセリーノ監督は後半から、ラウール・ガルシア、ムニアイン、最後はダニ・ガルシア、ウィリアムスも投入と、先日のスペイン・スーパーカップ優勝に飽き足らず、4月3日に当面、無観客で開催されることになったレアル・ソシエダとの2019-20シーズンコパ決勝、更には同月17日に開催予定となった今季のコパ決勝も準々決勝でベティスを破れば、視野に入ってくるって、うーん、全部、会場はセビージャ(スペイン南部)のカルトゥーハなんですけどね。万が一、そこで3連覇なんてことになったら、サン・マメスからの引っ越しを考えてもいいかも。まあ、それは冗談ですが、この16強対決でいよいよ、2部Bチームは消滅。来週の準々決勝はオサスナと延長戦までスコアレストローとし、PK戦を5-4で制した2部のアルメリアがセビージャと対戦することになった以外、1部チーム同士の対戦となりましたっけ。

一方、その間、コパ早期敗退組のマドリッド1部3チームはヒマで、ずっと週末のリーガ戦を待ち侘びている状態だったんですが、とりあえず、土曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)から、エスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)にレバンテを迎えるマドリーの状況から、話していくことにすると。いやあ、実は予想が狂って、この試合に使えるトップチームの選手がたった16人しかいないんですよ。というのもすでにヨビッチは古巣のアイントラハト・フランクフルトにレンタルで戻り、2試合で3得点という、水を得た魚のような復活ぶりを見せているのはともかく、水曜にはウーデゴールのアーセナルへのレンタル移籍も正式に発表。

それ以上に計算外だったのは、負傷からの復帰が見込まれていたカルバハル、そしてキャプテンのセルヒオ・ラモスも間に合わず。この試合でもナチョと共にコロナ感染による自宅隔離中のジダン監督に代わって指揮を執るダビド・ベットーニ第2監督など、「Cada semana estará mejor, ahora tenemos la suerte de tener solo un partido por semana/カーダ・セマーナ・エスタラ・メホール、アホラ・テネモス・ラ・スエルテ・デ・テネール・ソロ・ウン・パルティードー・ポル・セマーナ(週ごとに良くなっていくだろう。ウチには今、試合が週1回という幸運がある)」と言っていたんですけどね。おまけに先週のアルコジャーノ戦でのフル出場を含め、ここまで20試合連続スタメンだった、右SB兼任のルーカス・バスケスも筋肉痛でダウンとあって、とりわけDF陣がオドリオソラ、バラン、ミリトン、メンディ、マルセロの5人しかいないというのは辛いところかと。

更にロドリゴは長期離脱中、バルベルデもあと2週間かかるため、土曜の試合の招集リストにはチュスト、ブランコ、アリバスの3カンテラーノ(RMカスティージャの選手)が入りましたが、さあて。前節のアラベス戦ではジダン監督の不在にも関わらず、1-4と快勝したマドリーでしたが、今度の相手、レバンテは火曜のコパで直前のリーガでは2-2と引分けていたバジャドリーを2-4で下し、来週にはジローナ(2部)に0-1で勝ったビジャレアルとのコパ・ダービーを戦うとあって、気勢が上がっていますからね。AS(スポーツ紙)などによると、どうやらこの先、ウエスカ、ヘタフェ(延期されていた1節)、バレンシア、バジャドリーと2月24日のCLアタランタ戦1stレグまでにあるリーガ5試合に全勝して、お隣さんとの勝ち点差7を詰めるという計画がマドリーにはあるようですが、まずはレバンテ戦でその決意を示してくれないといけませんよね。

そして日曜にはまず、弟分のヘタフェが午後2時(日本時間午後10時)から、コリセウム・アルフォンソ・ペレスでアラベス戦となるんですが、実はこちらも守備陣の頭数に不安が。ええ、ここ2試合、ケガで出られなかったオリベイラがコロナ陽性となったのはまさに泣きっ面に蜂ですが、それ以外にもジェネが累積警告による出場停止。チェマとティモルにも体調面で不安があるとあって、ダミアン、エチェイタ、ニヨムに誰を加えて最終ラインを組むかはボルダラス監督も頭の絞りどころかと。おまけに前節はアスレティックに5-1と大敗しているため、守備の連携システムの総点検も必要ですしね。ただ、今度はマチン監督から、アベラルド監督に代わってもなかなか、調子が上向きにならない相手とあって、2連勝したエルチェ戦、ウエスカ戦のようにアレニャや久保建英選手がチャンスを演出してくれれば、現在13位という順位を改善することができるかもしれません。

え、それで天下の首位チーム様は日曜午後4時15分からのカディス戦に備え、着々と準備を進めているのかって?そうですね、最初に話したコロナ疑惑の起きる前日、木曜には私もワンダ・メトロポリターノまで練習を見に行ったんですが、ここ数日、暖かい日が続いたため、もう暴風雨フィロメナで積もった雪は影も形も見えず。練習参加だけは許されているトリッピアーも含め、選手たちは和気藹々とメニューをこなしていたんですが、丁度、互いにコパがないもの同士となった11位のカディスとの一戦には、この冬の市場でオリンピック・リヨンからレンタル移籍してきたFWデンベレのデビューも期待できるかも。

いえ、当人はまだスペイン語がわからず、シメオネ監督とはレマルの通訳を介してコミュニケート中。そのレマル自体、本人が最近のインタビューで「アトレティコのシステムとサッカースタイルに適応するのに長い時間がかかった」と言っていたぐらいなので、そう簡単ではないのかもしれませんけどね。おまけにコパ2回戦のコルネジャ(2部B)戦に主力を連れて行かず、自業自得でバルサやアスレティックのレギュラー投入による逆転勝利という手が使えなかった彼らはそれ以来、試合が週1ペースに。よって、疲労によるローテーションの必要性もないため、なかなか控え選手が出番をもらうのも難しくなっているんですが、2月後半には延期されていた2節レバンテ戦やCLチェルシー戦もあって、週2ペースが戻って来ますからね。

できれば、その前にデンベレも試合に出られるようになって、リーガで今季ここまで12得点、セビージャのエン・ネシリと並んでピチチ(得点王)レーストップを走るルイス・スアレスを助けてあげられるようになればありがたいかと思いますが、さすがに「全てのボールを争って、いつでも勝利を求める。1対1を避けずに常に前に向かってプレーする。それがアトレティコのDNAで、それが自分にあると感じている」(レマル)という域に達するのはちょっと難しい?ちなみにカディスには先日、サポンジッチがレンタル移籍していますが、いきなり古巣対決というシーンにお目にかかるかもしれないのも不思議な偶然ですよね。

そして最後に2部の弟分、レガネスが火曜にここリーガ5試合白星のなかったマルティ監督を解任。木曜には2013年には2部Bから2部へ、その2年後には1部初昇格を遂げ、その後、2年間残留を達成したクラブの大恩人であるアシエル・ガリターノ監督の復帰が決まったことを報告しておきますが、まだシーズンは折り返したばかりですからね。一応、今も彼らは昇格プレーオフ圏の6位に入っていますし、この先、直接昇格圏の2位までの勝ち点差11も少しずつ、縮めていければいいかと。そのガリターノ監督再デビューとなる初戦は月曜午後7時(日本時間翌午前3時)からのルーゴ戦。前節のラル・パルマス戦で退場したブスティンサ、ハビ・エルナンデスの代理を誰が務めるのかとか、マルティ監督下ではレギュラーだった柴崎岳選手がそのステータスを保持できるのかとか、気になることは幾つかあるものの、来季はスタンド満員のブタルケで再び1部の試合が楽しめることを今は祈っています。


【マドリッド通信員】 原ゆみこ
南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。

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