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とりあえず、手持ちの駒で戦うしかない…/原ゆみこのマドリッド

超ワールドサッカー / 2021年8月28日 20時30分

写真:©Atlético de Madrid

「今夜決まったって、土曜の試合はムリでしょ」そんな風に私が気を落ち着けようとしていたのは金曜日、エムバペのレアル・マドリー移籍がいつ発表されてもおかしくないという報道をお昼のニュースで聞いた時のことでした。いやあ、オフシーズン中からずっとFWの補強がマストと言われていたアトレティコなんて、ずっと何もなかったため、先日もどうせまだかかるだろうとタカを括っていたところ、水曜にはもうクーニャ(ヘルタ・ベルリンから移籍)の入団が決定。あれよあれよという間に当人がセレソ会長とワンダ・メトロポリターノのピッチでユニフォームを掲げるプライベートプレゼン写真(アトレティコはまだプレゼンを公開でやっていない)やビデオ・インタビューが出てきて、ビックリさせられたなんて経験もありましたからね。

でもねえ、このクーニャ、実はオリンピックで優勝したブラジル代表で負傷。それでも決勝のスペイン戦でゴールを挙げているんですが、私がマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場に見学に行った金曜の朝も車で到着するところこそ、目撃できたものの、グラウンドでのセッションには加わっていないんですよ。どうやらまだリハビリ中のようで、今週末の試合には出られないとなれば、全てはparon(パロン/リーガの停止期間)の後のこと。エムバペにしても、水曜には当人の6回目の契約延長拒否を受けて、マドリーが移籍金1憶6000万ユーロ(約208億円)のオファーを出したところ、PSGのレオナルド・スポーツディレクターに不十分と一蹴されてしまったんですけどね。翌日には1憶8000万ユーロ(約234億円)まで値上げしたから、もうすぐにでも決まるだろうという読みらしいんですが、大丈夫。

いえ、私もマルカ(スポーツ紙)などが先んじて、入団プレゼン予定まで伝えているのを読むと、ソワソワしてしまうんですけどね。各国代表戦週間の終わる9月9日か10日にバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場にファンを集めるか、絶賛改装中のサンティアゴ・ベルナベウに今季初めて観客を迎える11日のセルタ戦前の2案があるそうで、おかげでスマホにレアル・マドリーのアプリから通知が届いた時など、あわててオフィシャルページを開けてみる破目に。ところがどっこい、カセミロが2025年まで契約延長したとの報だったって、もしや肩透かしを喰らったのは私だけではなかった?

更に金曜には選手登録枠を空けるべく、フィオレンティーナにレンタル移籍予定のオドリオソラがフィレンツェ入りするなど、エムバペ入団は刻々と近づいているような気がするものの、たとえ夜中に決まったとて、土曜の朝にマドリッド入り。恒例のメディカルチェックやペレス会長のオフィスで契約書にサイン、13個のCLトロフィーがズラッと並ぶショーケースの前でユニフォームを掲げて記念写真&ビデオなどを撮っていたら、ラ・リーガの手続きもありますしね。絶対、午後10時(日本時間翌午前5時)から、セビージャ(スペイン南部)のベニト・ビジャマリンで開催されるベティス戦に間に合う訳ありませんって。というか、そうまでしてエムバペを使わないと、マドリーはペジェグリーニ監督率いるチームに勝てないなんて思われてもシャクですしね。

え、でも前節のレバンテ戦では3-3で引き分けたし、今週はナチョがケガで練習に参加せず。モドリッチ、クロース、マルセロ、メンディ、更にはGKルニンもコロナ感染でいないとあって、少々、マドリーは守備陣が手薄なんじゃないかって?そうですね、ただ相手のベティスもマジョルカ、カディスと開幕から2試合、1-1で引き分け、フアンミが2ゴール挙げただけのそれ程、得点力が高くないチーム。レアル・ソシエダからレンタルしたウィリアム・ホセもまだ選手登録できていませんし、とりあえず、開幕アラベス戦で2本決めたベンゼマ、今季は人が変わったようにシュート精度が上がり、レバンテ戦も合わせると、すでに3本決めているビニシウスのどちらかが、当たってくれれば何とかなるかと。

ちなみに金曜の記者会見ではエムバペの入団について、「Es algo que maneja el club/エス・アルゴ・ケ・マネハ・エル・クルブ(それはクラブがやっていること)。私たちは試合だけに集中している」と言っていたアンチェロッティ監督ですが、代表戦明けにはいよいよCLがスタートしますからね。前日、イスタンブールであったグループリーグ抽選会でマドリーはインテル、シャフタールと2年続けて同じ組になり、4チーム目は初出場のシェリフ(モルドバ)。とはいえ、昨季はしっかり2勝できたインテルも今度はセリエA王者としての誇りを懸けて、9月15日の1節で立ち向かってくるはずですし、意表を突かれて、2敗を喫したシャフタールに至っては何をか言わんや。監督もその頃までにはエムバペがチームに馴染んでいてほしいと願っているんじゃないでしょうか。

一方、CL抽選では2年前、コロナ第1波で大会が中断する直前、アンフィールドでの16強対決2ndレグでマルコス・ジョレンテが開花。2連勝で前年度王者を下し、クロップ監督にリベンジを誓わせたリバプールに加え、ポルト、ミランという強豪揃いのグループで戦うことになったアトレティコの週末のリーガ戦は日曜午後10時から、再びワンダ・メトロポリターノでビジャレアル戦。相手はチェルシーとのUEFAスーパーカップで一足、早く公式戦を始めてから、リーガではグラナダ、エスパニョールと連続スコアレスドローしているんですが、シメオネ監督はエルモーソの出場停止が明けたのもあったか、セルタ戦、エルチェ戦で採用して、2連勝をゲットした3CB制をリピートするよう。

いよいよ金曜の練習ではエースのルイス・スアレスをスタメン組に入れて、ここまで3ゴールとビニシウスとタメを張っているコレアとのツートップを採用していましたが、クーニャの加入でEU外選手枠オーバーとなったアリアスはグラナダに、ネウエン(昨季はグラナダにレンタル)はウディネーゼへのレンタル移籍が決まりそうなのはともかく、実は代表戦週間明けの試合で困ることになる可能性が。というのも3月にコロナ禍で延期となった2022年W杯南米予選の消化もしないといけないため、今回はCONMEBOL(南米サッカー連盟)が代表戦日程を延長。9月9日の木曜まで試合があるため、ルイス・スアレス、ヒメネス(ウルグアイ)、コレア、デ・パウル(アルゼンチン)の4人が11日土曜午後2時に設定されたエスパニョール戦までに戻れるかどうか、戻れても休養する時間がまったくないという災難に。

これはカセミロ、ミリトン(ブラジル)、バルベルデ(ウルグアイ)が招集され、同じ日の午後4時15分にセルタ戦が入っているお隣さんも同じなんですが、弟分のヘタフェから招集されたアランバリ(ウルグアイ)など、13チーム、総勢28人もの選手に影響が出るって、一体、どうしたらいいんでしょう。これを問題視したラ・リーガは、更に10日間の入国者隔離措置も加わるプレミアリーグに倣い、南米選手の代表戦派遣拒否を表明しているんですが、上手くまとめないと、FIFAから選手個々人にクラブでの試合出場停止処分が科されてしまいますからね。正直、移動距離が短いため、不都合があまり出ないのをいいことにUEFAだって、昨年9月から、代表戦週間の公式戦はずっと3試合。とりわけW杯予選ともなると、1つの招集リストに勝ち点9が懸かってくる訳ですから、木曜にスペイン代表のメンバーを発表したルイス・エンリケ監督も悩んだかと思うんですが…。

少なくとも18才のペドリ(バルサ)を始め、オジャルサバル(レアル・ソシエダ)、パウ・トーレス(ビジャレアル)、ダニ・オルモ(ライプツィヒ)ら、ユーロ2020+オリンピックのダブル奉公をした選手たちをバケーションから呼び戻さないという温情はありました。連続勤務を続けるのはGKウナイ・シモン(アスレティック)とエリック・ガルシア(バルサ)だけで、まあ前者はリーガ開幕2節までお休み、後者は昨季、マンチェスター・シティでほとんど出ていなかったという事情がありますからね。その代わりにユーロ前、ブスケツ(バルサ)のコロナ感染で急遽、予備選手として招集、休暇を中断して、練習に駆けつけたアルビオル(ビジャレアル)、カルロス・ソレル(バレンシア)、ブライス・メンデス(セルタ)、フォルナルス(ウェストハム)らが今回は正式に招集されることに。

実際、どこの国も新シーズンは始まったばかりなので、この辺の人選は代表への忠誠心が評価されてのことだと思いますが、またしてもマドリーから、招集選手が出なかったのは、ブスケツ、ジョルディ・アルバ、エリック・ガルシアの3人を供給しているバルサ、コケ、マルコス・ジョレンテが参加するアトレティコから、不公平の声が出ない?9月試合は2日にアウェイでのスウェーデン戦、5日のバダホス(スペイン南西部)でのジョージア戦、またアウェイで8日にコソボ戦と結構、移動しますからね。そんな中、来週月曜からのラス・ロサス(マドリッド郊外)のサッカー協会施設での合宿にアトレティコ戦の後、すぐ参加できるジェラール・モレノとアルビオル(ビジャレアル)はラッキーだったかもしれません。

そして話をまた週末のリーガに戻すと、日曜にはマドリッド1部の弟分たちの試合もあって、午後5時(日本時間翌午前0時)からはヘタフェがバルサにカンプ・ノウで挑みます。今のところ、わかっている欠場者は月曜のセビージャ戦前半で交代したビトロで、ふくらはぎを負傷したのだとか。今季はツキを変えるべく、アトレティコからレンタルで移籍した彼でしたが、健康運に恵まれないのはまだ続いていたようです。そしてククレジャなんですが、うーん、誰もがもう、ブライトンへの移籍を既成事実と見做しているんですけどね。まだ契約破棄金額の1800万ユーロ(約24億円)の支払い方法で合意できていないようで、正式発表はありません。

その他、移籍の可能性がある選手は、昨季までの指揮官だったボルダラス監督がバレンシアに引き抜こうと狙っているジェネとアランバリなんですが、どうやらアンヘル・トーレス会長が首を縦に振るオファーがまだなく、これは市場がクローズする31日まで、ミチェル監督同様、ファンも天に祈るしかないかと。バルササイドでは前節、1-1で引き分けたアスレティック戦でピケが負傷、レッドカードのエリック・ガルシアも出場停止となるため、バレンシア戦、セビージャ戦共に1-0負けで、得点も勝ち点も今季はまだないヘタフェにとっては、いいチャンスになるかもしれません。

そして続く時間帯にラージョがホーム開幕戦でグラナダを迎えるんですが、改装工事の遅れから、本当に試合がエスタディオ・バジェカスで開催できるかどうかわからず、チケット販売開始が木曜まで遅れたため、またしてもファンからは不満の声が上がっているよう。クラブ側の主張では貼り替えた芝がまだ実戦に耐えられる状態じゃないそうですが、とにかく3年ぶり、サポーターたちが待ち侘びていた1部の試合ですからね。彼らもまだ、セビージャ戦3-0、レアル・ソシエダ戦1-0とゴールも勝ち点もないんですが、今季からロベルト・モレノ監督が率いるグラナダもバレンシア、ビジャレアルと2引き分けのスロースタート組。1部昇格プレーオフで私も体験したスタンドからの熱い声援があれば、決して勝てない相手ではないはずですが、果たしてどんな結果になるんでしょうか。


【マドリッド通信員】 原ゆみこ
南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している

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