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リーガは先が長いけど…/原ゆみこのマドリッド

超ワールドサッカー / 2021年10月19日 20時30分

写真:©Atlético de Madrid

「波乱を起こしているのはラージョだけじゃなかったんだ」そんな風に私が驚いていたのは月曜日、リーガ順位表の上位混戦状態に今更ながら、気がついた時のことでした。いやあ、paron(パロン/リーガの停止期間)明けだった先週末は、CLグループリーグ3節が火曜に組まれているマドリッドの両雄のカードが延期となったため、土壇場でマジョルカに勝ったレアル・ソシエダが勝ち点3差つけて、単独首位に立ったのはまあ、想定内であったんですけどね。むしろ、弟分のラージョが6位のままながら、レアル・マドリー、アトレティコとたった1差に詰めていた方が衝撃的だったんですが、え、2位から5位まで同じ勝ち点で並ぶ4チームの中に昨季も4位だったセビージャはともかく、オサスナが入っている?

それで慌てて成績を調べてみたところ、アラサーテ監督率いるチームは突極のアウェイキラー。ここまでビジターとなった4試合全てで白星とは20チーム中、彼らだけが達成している偉業で、そういえば、日曜にもビジャレアルに1-2で勝っていましたしね。ちなみに真逆なのがラージョで、彼らはこれまでのホームゲーム4試合で全勝。おかげで昨季は2部6位ながら、プレーオフを経て、3年ぶりの1部に復帰したチームとは思えない高みにいられる訳ですが、それだけにもう1つの弟分、ヘタフェの苦境が余計、見ていられなくなってしまうんですが…。

ええ、リーガ再開9節のトップバッターを土曜に飾った彼らはキケ・サンチェス・フローレス監督の3度目の初陣を白星で飾れなかったんですよ。同じくハビエル・ペレイラ新監督率いるレバンテ戦にはサンドロのワントップで挑んだものの、勝ててないチームの常でどちらもゴールが遠くて、うーん、終盤には交代出場したエネス・ウナルが絶好機を2度も得ながら、「Ahora mismo jugamos aún con un poco de ansiedad/アオラ・ミスモ・フガモス・アウン・コン・ウン・ポコ・デ・アンシエダッド(今はまだ、ちょっと焦燥感に駆られてプレーしていた)」(キケ監督)せいでしょうか。1本目はGKアイトル・フェルナンデスに弾かれ、2本目はゴールポストに当ててしまう始末。結局、スコアレスドローで終わったんですが、ここまで無失点試合が1つもなかった両チームにとっては、せめて立て直しの最初の1歩になってほしいかと。

ヘタフェの次の試合は25日月曜のセルタ戦と中8日もありますし、その頃にはマタやヤンクト、ビトロらリハビリ中の選手たちも戻ってこられそうですしね。何より、今度はホームのコリセウム・アルフォンソ・ペレスで戦えるため、まずは最下位脱出を目標に、選手たちが日々の練習に精進してくれることを願うしかないんですが、はあ。前節は2部のアルコルコンもスポルティング・ヒホンに1-0で負け、最下位のままですし、柴崎岳選手が日本代表から帰って来たレガネスもバジャドリーに0-2で負けて、こちらも降格圏の19位。一番頑張っているのが、2部での経験が最も少ないフエンラブラダで11位というのも何ですが、マドリッド郊外南部の弟分たちの調子はいつになったら、上向くんでしょうか。

そして日曜にはエスタディオ・バジェカスにラージョvsエルチェ戦を見に行った私ですが、凄いですね。前日はabono(アボノ/年間指定席)のカードを遠方の練習場まで遥々受け取りに行かされ、そこでは長蛇の列となり、午前10時から4時間余り待たされたらしいサポーターたちですが、その疲れも見せず、午後2時からの試合では7000人程が熱烈に応援。それも前半14分、4人もの選手がかわされ、エルチェに先制点を与えるgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)をボジェに決められたものの、雰囲気が盛り下がらないどころか、ますます力が入ってきたから、さすがラージョのファンじゃないですか。それに呼応するように26分、コメサニャのクロスから、その日、右SBバリウの出場停止処分でトップチームデビューとなった22才のカンテラーノ(ラージョBの選手)、マリオ・エルナンデスがヘッドで狙って、同点ゴールを挙げてくれます。

1-1のままで始まった後半には、いよいよファルカオの投入も期待されたんですが、17分、イラオラ監督はセルジ・グアルディオラに代え、先にエヌテカをピッチへ送り出すことに。すると3分もしないうちにその彼が、こちらもエリア前から撃ち込んで、勝ち越しゴールを奪ってくれたとなれば、コロンビア代表でのW杯予選3試合勤務と大西洋を横断する長旅の後、土曜の1回しか、セッションに加わっていないファルカオの手をわざわざ、煩わすことはない?終盤にはエルチェの抵抗も多少、あったものの、そのままラージョは2-1で勝利。その余韻か、試合後もファンたちはすぐに帰らず、スタンドに残って、昇格祝いなどでよくやっていたカンティコ、「La vida pirate/ラ・ビダ・ピラタ(海賊生活)」を意気揚々と歌っているのを選手たちもピッチで堪能していましたっけ。

ただ、イラオラ監督も「エル・サダル(オサスナのホーム)ではオプションがなかったけど、今日は報償をゲットできた。この先はva a costar sumar/バ・ア・コスタル・スマール(勝ち点を貯めるのが大変だからね)」と言っていたように、ラージョの次戦は日曜にベティスとのアウェイゲーム、その後、バルサをバジェカスに迎えないといけませんからね。もう勝ち点16ともなれば、目標の1部残留まではあと24ポイント、8勝すればいいだけとはいえ、最近はファンもヨーロッパの大会出場の夢が頭をかすめていたりもしますし、何より、ホームでいい試合を続けているとなれば、応援のし甲斐もあるってもんですよ。

え、それで週末はお休みだった兄貴分たちの様子はどうなのかって?そうですね、月曜にはもう、キエフのオリンピスキーでCLシャフタール戦に挑むマドリーはウクライナに旅立って行ったんですが、FIFAウィルスは予想された程、影響がなかったよう。代表戦で負傷したと伝えられたミリトン(ブラジル)、ダビド・アラバ(オーストリア)もすぐ治り、更にはこの2週間でメンディ、マルセロ、アセンシオ、マリアーノも回復。お留守番となったのはベイル、セバージョス、カルバハルら、リハビリ中の定番3人に加え、練習中にケガをしたイスコとヨビッチ、そしてネーションズリーグ・ファイナルフォー準決勝でハムストリングの筋肉痛を起こしたアザール(ベルギー)だけとなりましたっけ。

月曜夕方にはスタジアムのプレスルームで2020年3月のCL16強対決マンチェスター・シティ戦以来、初めてZoom越しでないマドリーの試合前記者会見があったんですが、アンチェロッティ監督のコメントで頭に残ったのは、「エスパニョール戦では4-4-2で守ろうと思ったが、上手くいかなかった。Este equipo tiene que jugar 4-3-3/エステ・エキポ・ティエネ・ケ・フガール・クアトロ・トレス・トレス(このチームは4-3-3でプレーしないといけない)」というくだり。ということは、アザールのいないこの試合、ベンゼマ、ビニシウスときて、3人目のFWがロドリゴになるのか、アセンシオになるのか、はたまた意表を突いて、ルーカス・バスケスを使ったりするのか、気になるところですが、こればっかりはキックオフ1時間前になってみないとねえ。

それより今回、グループ2位の彼らが絶対勝たないといけないのは、2節で対戦したシェリフに負けていたからで、いえ、現在、勝ち点6で首位に立つモルドバの新鋭がこのまま、すんなり突破するとは思いませんけどね。昨季もダークホースだったシャフタールに2敗して、最後は1位で決勝トーナメントに進んだものの、かなりヒヤヒヤさせられたマドリーだけに、モドリッチも「No tenemos mucho margen más para equivocarnos después de la última derrota/ノー・テネモス・ムーチョ・マルヘン・マス・パラ・エキボカールノス・デスプエセウ・デ・ラ・ウルティマ・デロータ(最後の敗戦の後、ウチにはあまり間違いを犯す余地は残っていない)」と言っていたように、今季は早めに勝ち点を集めておきたいところかと。

彼らには週末の日曜、奇しくも水曜にはシャフタールとホームを同じくするディナモ・キエフと対戦。週末、3-1でバレンシアに勝利した試合から、カンプ・ノウで3連戦となるバルサとのクラシコ(伝統の一戦)も控えていますしね。丁度、各国代表戦前は3試合白星なしだったこともあり、今週はマドリーにとって、シーズンの先行きを占う大事な節目となるかもしれません。

一方、同じ火曜午後9時(日本時間翌午前4時)から、ワンダ・メトロポリターノにリバプールを迎えるアトレティコはというと。前日には私もマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場にセッションを見学に行ったんですが、やはりビッグゲームの前は取材陣も多いですね。選手たちの様子はいつも通りだったんですが、こちらの朗報はウルグアイ代表を早退してきたヒメネスが復活、ケガで代表戦に行けなかったマルコス・ジョレンテ、クーニャも普通に参加しており、シメオネ監督によると、「Mañana haremos un entrenamiento más para ver la evolución/マニャーナ・アレモス・ウン・エントレナミエントー・マス・パラ・ベル・ラ・エボルシオン(回復具合を見るため、明日、もう1度練習する)」のだそう。

それでOKなら、彼らも招集リストに入って、午後1時にヒルトン・エアポートホテルにチームは当日合宿。いやあ、シメオネ監督が「スタジアムがアトレティコのユニを着たファンで満員になって、2シーズン前のリバプール戦を皆が思い出せるように。ウチは彼らのおかげで1stレグに勝って、16強対決を始められた」と煽っていたため、もしかしてまた、チームバスがワンダに着く時、赤々と輝く大量のbegala(ベンガラ/発煙筒)でお出迎えしてもらいたいのかなと思いましたけどね。今回はいよいよ、ビジターチームのファンも入場できるため、およそ3000人のリバプール・サポーターがやって来るのだとか。

一応、アトレティコはルイス・スアレス(ウルグアイ)、デ・パウル、コレア(アルゼンチン)ら、南米代表で一番遅く帰って来た選手たちも含め、「Hemos hecho un entrenamiento hoy espectacular todos. Uruguayos, argentinos, franceses.../エモス・エッチョー・ウン・エントレナミエントー・オイ・エスペクタクラル・トードス。ウルグアージョス、アルヘンティーノス、フランセセス(ボクらは皆、今日はスペクタルな練習をやった。ウルグアイ人もアルゼンチン人もフランス人も)」と、キャプテンのコケが請け合っていたように体調は万全なようですからね。それでも土曜にはリバプールがプレミアリーグのワトフォード戦でサラー、マネ、フィルミーノ(ハットトリック)が揃い踏み、0-5のgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)で勝ったなんて聞くと、不安は沸かなくもないんですが、クロップ監督もあまりアトレティコのサッカースタイルは好きでないと言っていたものの、とりあえずはリスペクトしてくれているよう。

コロナ禍によるCL中断直前の2年前にはルイス・スアレスやグリーズマンもおらず、ジョアン・フェリックスもまだまだ成長途中だったにも関わらず、勝つことができましたからね。かなり前線の火力が増した今季なら、もっと期待できるかと思いますが、このリバプールとの2連戦、勝ち点0という結果だけは避けたいところかと。ええ、このグループはあとポルトとミランで、アトレティコは1勝1分けで2位なんですが、悠長に構えていると、アゼルバイジャンのカラバフに躓いて、シーズン後半はELをプレーする破目になった4年前の悪夢(でも優勝した)が蘇ってくる可能性もなきにしろあらず。リーガもこの日曜は首位のレアル・ソシエダをワンダに迎えるとあって、こちらもお隣さん同様、気の抜けない週になりそうです。


【マドリッド通信員】 原ゆみこ
南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。

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