リュディガーがチェルシーへ惜別のエッセイ…「心を込めて特別なものにしたい」
超ワールドサッカー / 2022年5月20日 20時35分
ドイツ代表DFアントニオ・リュディガー(29)が20日、チェルシーへ別れを告げるエッセイを綴った。
4月末にトーマス・トゥヘル監督から意向が伝えられ、事実上の退団発表となったリュディガー。本人もその後、契約が更新されなかった経緯についてコメントし、チェルシーに対する感謝の言葉を送っていた。
そのリュディガーが今度はエッセイを認めて、改めてチェルシーへの想いを言葉に。面と向かってお別れをするのはあまり得意じゃないという29歳が、この5年間を自らの言葉でチームメイトや監督、ファンとの特別な思い出を振り返りながら、感謝の気持ちを伝えた。
「お別れというのはあんまり好きじゃないんだ。でも、今回は心を込めて特別なものにしたい」
「ここで獲得したトロフィー…それは確かに素晴らしいものだ。でも本当にチェルシーを特別な場所にしてくれたのは友情だった。僕たちはチームメイト以上の存在だった。エンゴロやコバ、ツィエクにルカク、他のみんなもほとんどの選手が兄弟みたいなものだった」
「トゥヘルが監督としてやってきて、僕にチャンスを与えてくれた瞬間は新しい人生の始まりだった。実際、彼は多くの監督が手本にすべきことをすぐにやってのけたと思う。それは戦術とは関係のないことだ。彼は僕のところにやってきて『トニ、君のことを教えてくれ』って尋ねてきたんだ」
「大きなことだった。トゥヘルからチャンスを貰った時は、もう絶対にベンチには戻れないというくらいのモチベーションがあった。いろいろ言われても、このクラブ、このエンブレムのため200%の力を発揮しようと心に決めたんだ。僕にとってチャンピオンズリーグ優勝はケーキの上のパイナップルのようなものだったよ」
「ただあの試合は美しかった。シティという信じられないようなチームに対して、一丸となってカウンターで打ち勝つことができたからだ。命がけで戦い、最後にチャンピオンになった。試合終了のホイッスルが吹かれた時、僕は夢中で走り回っていたんだけど、たまたまトゥヘルが僕のところに来て互いに抱きしめ合った。あの瞬間は僕にとって特別なもので、いつも感謝しているよ」
「聞いてほしい。僕は人生であらゆることを経験してきた。貧困、差別、虐待、自分を疑ったりスケープゴートにする人。まったくチームに入れなかったのに、数ヵ月後にはチャンピオンズリーグを制覇したんだよ? よくもまあ、こんな話を書けたものだよ」
「僕の出生もあって少しばかり特別な意味があるんだ。でも、うちのドレッシングルームを見てごらん。多くの選手が同じようなバックグラウンドを持っている。お腹を空かせて寝るのがどんな感じか覚えている人がたくさんいるんだ。なのに、みんなブルーズになった。みんなチャンピオンになったんだ」
「チェルシーはいつも僕の心の中にある。ロンドンはいつも僕の実家だ。ここに来た時は一人だったけど、今では妻と二人の可愛い子供がいる。コバという人生の新しい弟もいる。FAカップ、ヨーロッパリーグ、チャンピオンズリーグのメダルも持っている。そしてもちろん、永遠に残る何百もの思い出もある」
「2019年、エティハドでシティに6-0で負けた試合、終了のホイッスルが吹かれた後、僕はチェルシーファンのところへ行って本気で謝った。ブーイングを浴びせられると思っていた。しかし、彼らは皆、立ち上がって拍手をしたんだ。あんな時でも僕たちの背中を押してくれたんだ。衝撃だったよ。僕は両手を上げて『ごめん、ごめん、ごめん』と謝った」
「その時、ある男が僕に罵声を浴びせてきた。今までにも罵声を浴びせられたことはあったけど、その時は違った。本当に個人的なことだったんだ。僕はそいつに叫んだ。『おい、話があるんだったら、ここに降りてきて話をしようじゃないか』って」
「その時驚かされたのが、周りのファンが皆、彼に向かって『おい、何をしてるんだ。彼は謝りに来ているんだぞ』と言ったことだった。そして本当のファンのみんなはさらに大きな声で僕を応援してくれた」
「『ルディ! ルディ! ルディ!』とね」
「あまりの迫力に、その男も拍手し始めた。他のファンはその男に拍手させて謝らせていた。僕はこのことを決して忘れない。絶対に」
「サッカー界に憎しみがあるのは確かだ。それは事実だ。僕はその最悪の事態を経験した。でも、喜びもたくさんある。チェルシーではその両極端を経験したんだ」
「確かに罵声は聞こえた。でも、愛を感じた。一日の終わりには、光は闇より強かった」
「だから僕は常にチェルシーなんだ。ありがとう」
「ルディ」
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
惜しくもCL準決勝敗退で今季無冠…それでもバイエルンファンはトゥヘル監督に感謝
超ワールドサッカー / 2024年5月9日 13時20分
-
チアゴ・シウバが今季限りでチェルシー退団決定「またいつか戻ってくるつもりだ」
超ワールドサッカー / 2024年4月29日 20時52分
-
なぜ名門は選ばれない? 新監督探しが難航するバイエルン、「今でも後悔している」別れも【現地発コラム】
FOOTBALL ZONE / 2024年4月27日 11時30分
-
ユナイテッド移籍で恩師アンチェロッティと涙の別れ…カゼミロが回想 「振り返った彼は泣いていた」
超ワールドサッカー / 2024年4月19日 18時3分
-
バイエルンのトゥヘル監督がアーセナルを警戒「彼らはとても魅力的なスタイル」「ブンデス対プレミアではなく…」
ゲキサカ / 2024年4月17日 17時41分
ランキング
-
1【ロッテ】佐々木朗希、自己最多123球も6回途中5失点で今季2敗目「思うように投げられなかった」…自己ワースト5四球
スポーツ報知 / 2024年5月10日 22時26分
-
2【ロッテ】連勝は4でストップ エスコン初先発の佐々木朗希が自己最多123球も6回途中5失点で今季2敗目
日テレNEWS NNN / 2024年5月10日 21時13分
-
3宮城大弥 左大胸筋損傷で登録抹消 オリファン衝撃「終わったな…」「由伸、福也戻ってきて」と落胆の声
iza(イザ!) / 2024年5月10日 16時28分
-
4村上佳菜子「大事な弟」宇野昌磨の引退発表にエール…「お疲れ様だよ!」「命かけてお互い練習してきた」
スポーツ報知 / 2024年5月10日 10時42分
-
51500万円で大谷翔平の「DNAが手に入る」 米驚愕…大金積んで獲得した“クローン”
Full-Count / 2024年5月10日 20時46分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください