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いよいよ動きだした…/原ゆみこのマドリッド

超ワールドサッカー / 2022年7月6日 20時30分

写真:

「練習始まっても見られないんじゃ」そんな風に私がガッカリしていたのは火曜日、マドリッド勢の先陣を切った弟分のヘタフェのオフィシャルサイトにトレーニングセッションのビデオが上がっているのに気づいた時のことでした。いやあ、前日はポルトゥ(レアル・ソシエダからレンタル移籍)とセアオネ(2部ウエスカと契約満了して移籍)の入団プレゼンがあったため、久々にコリセウム・アルフォンソ・ペレスに足を向けてみたんですけどね。広報部長が、月曜火曜はメデイカルチェックと体力テストだけで、チームのセッションは水曜にキャンプ地のロルダン(ムルシア)へ行くまでないと言っていたにも関わらず、その日の午後にはマスコミ非公開でしっかりやっているって、一体、どういうこと?

それも何だか、コリセウムすぐ近くにあるシュダッド・デポルティボのグラウンド周りを覆う目隠しの幕が一層、高くなっている感じで、今季のヘタフェは兄貴分チームに倣ってか、ますます人目を避けて練習するようになった?うーん、レアル・マドリーやアトレティコとは違って、例年、キャンプ地まで番記者たちがついて行く訳でもなし。リーガ20チーム中、プレシーズンマッチ一番乗りとなる12日のプレストン(イングランド2部)戦どころか、20日から27日のアルゴルファ(アリカンテ)での第2次キャンプ中にプレーするカルタヘナ(2部)戦、レベンテ(2部)戦、エルチェ戦、8月7日のアルバセテ(2部)戦も相手チームのネット中継があればいい方で、TVで見ることなど、とても望めない彼らなんですけどね。

だったら、せめて地元で練習する時ぐらい、見せてくれてもいいのにと思ったんですが、ちなみに初日の練習ではアランバリやエネス・ウナル、マクシモビッチらの姿はなくて、それはリーガ終了後、6月の各国代表戦に参加した選手たちは遅れて合流するせい。入団プレゼンの席で新任のスポーツディレクター、ルーベン・レジェス氏も「Nosotros no hemos recibido en firme por ningún jugador/ノソトロス・ノー・エモス・レシビードー・エン・フィルメ・ポル・ニングン・フガドール(ウチの選手は誰1人、確固たる移籍オファーを受けていない)」と言っていたため、今のところは主力が抜ける心配をすることはないんですが、まあ、こればっかりはねえ。

そうそう、月曜は2部のお隣さん、レガネスもイディアケス新監督の下、負けじとプレシーズンをスタートさせていて、いえ、こちらは本当に最初の2日間はテストだけなんですけどね。代表戦に参加したオメルオ(ナイジェリア)と柴崎岳選手の合流は11日まで待たないといけないんですが、幸いなことにここ、2週間はシュダッド・デポルティボ・ブタルケでじっくり調整してくれることに。16日には丁度、キャンプの狭間に当たるヘタフェと練習試合を行って、17日から、サン・ペドロ・デ・ピナタル(ムルシア)に1週間滞在となるんですが、そちらではアンドラ(今季から2部)、ノッティンガム・フォレスト(今季からプレミアリーグ)のU23、エルチェとプレシーズンマッチが控えています。

戻って来てからもラージョやアルコルコン(昨季2部からREFE1部に降格)とのご近所対決があるんですが、レガネスではすでに選手の人事異動も着々と進行。先週はキャプテンのブスティンサが契約を解消し、翌日にはマラガ(2部)入団が発表されていたり、ラバ(ビジャレアルからレンタル、昨季はグラナダでプレー)やホルヘ・サエンス(バレンシアからレンタル、昨季はミランデスでプレー)ら、補強も到着しつつあるよう。もうこれで2部3年目となる彼らですし、今季こそは1部再昇格を果たすため、8月13日午後9時からの開幕アラベス戦から、ブタルケのファンを失望させないプレーを見せられるチームになっていてくれるといいのですが。

え、それでまだ、バケーション中の兄貴分たちの予定はどうなっているのかって?いやあ、7月に入るやいなや、ちょっと昨季のバルサにも似た、淡いパープルの第2ユニを発表したマドリーでしたが、やはり夏の観光シーズンをムダにする気はさらさなかったんでしょうね。この月曜には2カ月間、サンティアゴ・ベルナベウの全面改装工事のせいで閉鎖されていたミュージアムをリオープン。

いえ、まだスタジアムは工事現場そのものなんですけどね。獲りたてのDecimocuarta(デシモクアルタ/14回目のCL優勝のこと)や35回目のリーガを含め、燦然と輝くトロフィー群をマドリッドを訪れるファンが見られるようになったのは良かったかと。チームの方は金曜にバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場でプレシーズン練習を開始するんですが、やはりこちらも時差出勤。第1陣として集まるのは、レンタル移籍を終えて戻ってくるボルハ・マジョラル(昨季はヘタフェ)、オドリオソラ(ここ2年はフィオレンティーナ)を加えての12人だけのよう。

要はクルトワ(ベルギー代表戦を恥骨炎で欠場)、ルニン、ルーカス・バスケス、ナチョ、バジェホ、メンディ、クロース、カマビンガ、セバージョス、マリアーノとなるんですが、残留するかどうか、スペイン代表で11月のW杯カタール大会に行きたいセバージョスはアンチェロッティ監督との話し合い待ち。毎年、放出候補に挙がりながら、移籍を拒否してきたマリアーノもようやく、河岸を変える気分になったのか、移籍先を探しているところなのだとか。

第2陣としては日曜にブラジル代表の4人が合流予定なんですが、うちミリトンとロドリゴは戻り次第、2028年まで契約延長をすることに。いやあ、2人共、昨季のマドリーの2冠達成に大きく貢献していますからね。前者は長年、チームの看板CBコンビだったセルヒオ・ラモス(PSG)とバラン(マンチェスター・ユナイテッド)が揃っていなくなった後、レギュラーの座を掴み、アラバと共に守備陣の要となりましたし、ロドリゴもマドリー入団3年目にして見事に開花。

何より、昨季は総合スコア同点に持ち込む準々決勝チェルシー戦2ndレグ後半35分のゴール、そして準決勝マンチェスター・シティ戦2ndレグでも後半45分過ぎに起死回生の2点を挙げ、延長戦での根性のremontada(レモンターダ/逆転劇)を呼び込む活躍ぶりでしたからね。それがなければ、マドリーがパリでの決勝に進むこともできなかったはずですが、え、2019年に4500万ユーロ(約63億円)でサントスから移籍した彼に比べ、同じ夏にフランクフルトから来たヨビッチは7000万ユーロ(約98億円)もしたんだろうって?

そうですね。プレシーズン練習には第3陣として、カルバハル、アセンシオ、アラバ、モドリッチ、アザール、ベンゼマ、バルベルデ、新加入のチュアメニ(モナコから移籍)、リュディガー(チェルシーとの契約が終わって移籍)ら、そしておそらく、マジョルカへのレンタル移籍から戻る久保建英選手も参加するんだと思いますが、そのヨビッチも一応、来週木曜に合流予定。とはいえ、ここ数日中にはフィオレンティーナへの移籍が決まりそうで、それもちょっと異例な形でレンタルではなく、マドリーは2025年まで契約のある選手の保有権50%を無料で譲り、相手は当人の年棒だけ負担するのだとか。もし来年の夏、フィオレンティーナが彼をどこかに売却した場合、その移籍金の半額が払われるという取引らしいんですが、とにかくここ3年、古巣へのレンタルもあったものの、マドリーでは3ゴールしか、挙げていない選手となれば、一体、どのくらい元が取れるのやら。

ただ、移籍金7000万ユーロというのにはお隣さんも結構、痛い目に遭っていて、それは2018年にクラブ史上最高額でモナコから入団したレマル。いやまあ、シメオネ監督には信頼されていて、ヨビッチよりは全然、出場試合数も多いんですが、ちょっと良くなると、ケガをするという繰り返しでねえ。今もあと1年に迫った契約満了を前にクラブは延長交渉を続けているんですが、進展したというニュースも聞こえないようでは、この夏の売却も仕方ないのかと思いきや…。

どうやら、年度末の6月30日までに選手を売却して、4000万ユーロ(約56億円)作らないと、収支が合わず、ラ・リーガの規定を守れないという情報はガセだったようで、まあ、サッカー記者もあまり数字には強くありませんからね。まさにその当日、TVのインタビューを受けたヒル・マリン筆頭株主も「No vamos a vender a ningún futbolista hoy/ノー・バモス・ア・ベンデル・ア・ニングン・フットボリスタ・オイ(ウチは今日、誰も選手を売らない)」と言っていましたが、どうやら、お金が必要なのは新しい選手の登録をするためで、遅くとも8月末の登録期限前、できれば、8月12日の開幕前に売却益を出せればいいのだとか。

おかげで今度はヒメネスなどが、6000万ユーロ(約84億円)ぐらい移籍金が期待できそうな選手として、放出候補に挙がっていましたが、いくらフェリペが出場試合数などで自動的に1年契約延長になったとはいえ、レギュラーCBの片翼を失うなんて、あまりに非現実的ですからね。その話は早々に立ち消えましたが、そんなアトレティコも今週末には体力テストのためにマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場に集合。こちらは各国代表に参加していた選手も一緒で、全員揃って、日曜にはロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)での地獄のサマーキャンプに出発するようですが、例外はビトロ(昨季はヘタフェにレンタル)とアリアス(同グラナダ)。

弟分チームでもほとんどプレーできなかった前者はラス・パルマス(2部)への古巣レンタルがほぼ決まっているようで、先月末にはベルサイコも契約が満了して、今はオリンピアコスに移っています。更に月曜にはシメオネ監督の三男、昨季はアトレティコBで25得点を挙げ、REFE3部から2部(実質5部から4部)への昇格を牽引したジュリアーノがサラゴサ(2部)にレンタル移籍することが決定。トップチームでリーガデビューさせてくれた父の下を離れ、一人、武者修行の旅に出ることになりましたが、逆に昨季はレンタル先のミランデス(2部)で計22ゴールを決め、黄金コンビとなったリケルメとカメージョス、2人のカンテラーノ(アトレティコBの選手)がキャンプに参加するのは楽しみかと。

何せ、すでに契約はまとまったと言われているビッツェル(ドルトムントとの契約が終了)でさえ、正式入団の発表がなく、新顔はモラタ(昨季はユベントスでプレー)とサウール(同チェルシー)しかいないアトレティコですからね。7月頭から、早速、カンプ・ノウの前に新スポンサー名のSpotifyが加わったバルサとは対照的に、6月末に契約が切れながら、相変わらずスタジアム名もワンタ・メトロポリターノのままだったりと、変化に乏しかったりするんですが、2週間のキャンプが終わる頃には新しい選手も入っているんじゃないでしょうか。

そして最後にもう1つのマドリッドの1部弟分、ラージョなんですが、こちらは金曜から始動。先週末にはサルビ、ディエゴ・ロペスとそれぞれ、カディス、エスパニョールの元キャプテンを自由契約でゲットしていましたが、とりわけ、ジダン監督の次男、ルカが退団し、ディミトリエフスキ1人になっていたGKに頼れるベテランが来てくれたのは嬉しいかと。そうこうするうちにプレシーズンマッチの予定も増えていて、16日にフライブルク(ブンデスリーグ1部)戦、19日にサレルニターナ(セリエA)戦、20日にシェフィールド(イングランド2部)戦、23日にバーミンガム(同)戦と国外での親善試合がてんこ盛りに。

マドリッドで彼らを見られるのは27日、ブタルケでのレガネス戦だけになりそうですが、やはり山場は31日、オールド・トラフォードでのマンチェスター・ユナイテッド戦になるでしょうか。ヘタフェ同様、こちらも親善試合のTV中継はなさそうですが、今季開幕戦の相手がバルサというのはともかく、昨季同様、スタートダッシュをかけられるチームに仕上がってくれたらいいですよね。


【マドリッド通信員】 原ゆみこ
南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。

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