韓国戦トップ下で先発の猶本光、1年後のW杯では「優勝して日本の女子サッカーの価値を上げたい」
超ワールドサッカー / 2022年7月20日 16時50分
なでしこジャパンのMF猶本光(三菱重工浦和レッズレディース)が20日、メディアのオンライン取材に応対し、EAFF E-1サッカー選手権2022の初戦を振り返った。
なでしこジャパンは19日に行われたEAFF E-1サッカー選手権の初戦で、韓国女子代表と対戦した。立ち上がりから相手の圧力に苦しみ、思うような展開を作れない時間が続いたが、33分にMF宮澤ひなたのゴールで先制に成功。後半一度は追い付かれたものの、MF長野風花のゴールで再びリードを奪うとその後は最後まで守り抜き、2-1で勝利した。
この試合にトップ下で先発した猶本は初戦勝利について「初戦なので、チーム全員で勝ち切れたのが一番良かった点だと思います。相手のDFラインとMFの間で受けて、ターンしたり仕掛けたりするプレーを想定して試合に入りました。ただ、思ったより韓国の守備の圧力が強くて、押し込まれる時間も長かったので、想定していた展開や場面は少なかったです。そのなかで味方のクリアボールを一回収めて、時間を作ってから攻撃の流れを生めれば良いなとトライしました。ただ、もっとできた部分、時間を作れた部分はあったかなと思います」と振り返り、内容については課題が多かったという見解を示した。
苦戦した理由として「韓国は早い段階でロングボールを蹴り、ゴールに向かってきていたので、自陣深くに押し込まれてボールを奪う位置が低かったです。そこから攻撃となったときはどこかで時間を作りたかったですね。そうでないと、皆が正しいポジションに立てないので」と分析。そのうえで、「(相手の3バックへのプレスは)スタートポジションを相手と近くして、より寄せる必要がありました。チームとしてトライはしましたが、はまったシーンはなかったかなと。昨日の試合で始めてやった試みだったので、続けていくうちにお互いわかっていくのではないかと思います」と語り、今後戦術は改善していくはずだと語った。
一方で、半年前の1月に行われた韓国戦と比較して「アジアカップでは相手の10番のソヨンさんや8番のソヒョンさんのような海外組、イングランドでやっているような選手たちの間合い、パワーが読めていなかったなと感じました。でも、昨日の試合ではボールを奪ったりコンタクトだったりで、アジアカップより手応えがあったと思います」と強調。自身についても「まだ成長できます。技術や戦術面だけでなく、運動能力、スピードやパワーの部分でも成長できると思っています。半年で成長できるのは韓国戦で実感できたので、そこは良かったです」とし、さらなる成長に向けて意気込みを示している。
ボランチだけでなく、韓国戦ではトップ下を務めるなど中盤複数のポジションでプレーする猶本。それぞれのポジションの違いとして「ボランチだとより守備的で、ノーリスクでやる比重に傾きますね。でも、トップ下はゴールとかアシストとか、結果をより求めるマインドでやらないといけません。昨日は前半45分で結果を出す必要があると思っていました。そういう意味では、ラッキーな形ではあったけど、縦パスから得点に繋がったので良かったです」と説明した。
残り1年に迫ったFIFA女子ワールドカップに向けては「プレーの幅、できることを増やしたい」と語った猶本。同時に「(W杯に)出場すること自体がゴールではないと思います。2011年のW杯優勝から、私たち女子サッカーの環境は変わりました。代表選手というのは、そういう日本の女子サッカー界の価値を上げる責任を背負っているんです。今、自分はその立場にいるのだから、W杯優勝によって2011年直後に比べると衰退している日本女子サッカーを盛り上げ、どうにか価値を上げていきたいです。メンバーに入る、入らないではなく、出たときに良いプレーをして優勝できるようにしたいと考えています」と打ち明け、日本女子サッカー界の将来のためにも、W杯で結果を残すことを一番に考える姿勢を示した。
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