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「順位以上に色々なものが壊れている」現状を語る鹿島の岩政大樹新監督、「一緒に肩を組んで、手を組んで」とサポーターにも言及

超ワールドサッカー / 2022年8月9日 18時58分

写真:©KASHIMA ANTLERS

鹿島アントラーズを新たに率いる岩政大樹監督がメディアの取材に応じた。

鹿島は今シーズンに向けてスイス人指揮官のヴァイラー監督を招へい。新型コロナウイルス(COVID-19)の入国制限により合流が遅れた中、岩政大樹コーチがキャンプから指導をしていた。

ヴァイラー監督は3月に入国すると、そこからチームを指揮。一時は首位に立つなどした一方で、徐々に結果が出にくくなり、直近5試合は未勝利、2連敗という状況。チームと監督が話し合いの結果、契約解除となっていた。

今度は正式に指揮官として就任した岩政監督がメディアのオンライン取材に応じ、改めて心境を語った。

「実感はあまりない中で、時間だけが過ぎているというのが正直なところです」

「半年前に代行でやっていたので、その時の感覚がありつつも、忘れつつあるなという感覚もあります。色々な面で戸惑いもありますが、時間は待ってくれないので、早急に週末に向けて準備しなければいけないと思っています」

「身が引き締まる思いとか、覚悟がどうとか、言葉にすれば色々あるんでしょうけど、そんなことも考える暇もなく、何をしなければいけないことに頭を巡らせています」

「選手たちの期待、クラブの期待、サポーターの皆さんの期待があることも感じていますし、選手たちが新しいトライをしようとしてくれるのは感じているので、良い方向に向かわせていかなければいけないと感じています」

キャンプから代行で指揮を執り、その後はコーチとしてチームに従事してきた岩政監督。その中で見えた課題については「課題に関しては、かなり色々あると思います。サッカー的には今の順位以上に色々なものが壊れている状態だと認識しています」とコメント。「そこに整理をつけて、選手たちが自信を持って、帰る場所を認識した上でサッカーをさせていかないと。迷子、暗闇の中でサッカーをし続けている状態です」と、上手くいかなかった時に立ち返る場所がなくなっていると指摘した。

またコーチとしては「僕自身の監督に与えられた役割に徹していたので、監督に求められていたこと以上のことを加えて手助けしたいと思ってきた半年でした」と語り、「他に来たコーチングスタッフも含め、全体が綺麗な絵を描いて満遍なく良い指導ができる状態には持っていけなかったかなと思います」と、体制としてしっかりと1つになりきれてはいなかったと振り返った。

今後のスタイルに関しては「代行の時にはほとんど全て自分の意向でやっていたので、それがベースになります」と、今シーズン序盤の戦いがベースになるとコメント。「そこにレネさんが付け加えてくれたもの、選手たちが身に付けている部分を選手たちに正しく認識してもらって加えてもらう。全く新しいものというよりも、今年進めてきた中で、開幕当初にやっていたもの、レネさんが付け加えてくれたものという感じです」と、自身がやっていたことに、ヴァイラー監督が付け加えたものを足したサッカーにしていくとした。

その中で今一度やり方を正すためには言語化することが非常に大事になる。岩政監督は「まさに練習前のMTGでも選手として話したんですが、言語化することが大事です」とコメント。「ただ、ピッチ上では言語化できないことの方が多いです」と、その言語化が通じない部分が大きいとした。

ただ、目指すものについては言語化したものに従うということではないとし、「僕が言語化したものを良い子になって反映するのではなく。選手たちが感じたもの、個性を表現していくチームにしていきたいです」と語り、「そのための枠組み、環境づくりに徹底していくつもりなので、具体的な絵は選手たちに感覚的に表現してもらいたい。そういうふうになる指導をしたいです」と、一定の方向性をつけた中で、ピッチ上での選択肢を増やすという元々の目指していたサッカーをするだけだとした。

その中で、選手として鹿島を離れ、その後指導者として戻るまでに10年の時間があったわけだが、Jリーグは大きく変化したという。

岩政監督はこの10年のJリーグについて「この10年のJリーグの勝ち方はほぼ一通りです。広島はミシャ(ミハイロ・ペトロヴィッチ監督)のサッカーをベースに、川崎は風間(八宏)さん、マリノスはポステコグルーと。監督がそれぞれのチームで哲学を作られ、それに森保(一)さん、鬼木(達)さん、(ケヴィン・)マスカット監督。クラブが哲学に合った監督を連れてきて、継承しているというのが10年の勝ち方です」と、Jリーグで優勝するチームの傾向が変わってきていると分析した。

「10年の勝ち方は変わってきて、世界の勝ち方に近い。そうなった時に目先の結果は当然大事ですが、ベースとなる鹿島のサッカーがどういうものかを表現できなければいけないですし、それを構築することがまずは大事です」と、鹿島はどういうサッカーをするのかが定まらなければいけないとし、「そのためには負けが必要かもしれないですが、負けを許容するということではなく、正しい方向を向いていれば、それも1つの通過点になります。正しく最後どこに向かっていくかをしっかり認識しながら、足並みを揃えてクラブが向かっていくことがまずは大事。勝ち続ける、優勝することに向かってはそれが大事なこと。その1歩目、2歩目を踏み出すことがが大事だと思います」とコメント。鹿島アントラーズとしての哲学をしっかりと作り、それをベースにチームを強化していく必要がタイトル獲得には必要だとした。

その鹿島らしさという点については「キーワードとしては強度と個性だと思う」と語る岩政監督。「選手たちにパッショナルなプレーをしようと言っています。情熱というのは、選手たちが子供の頃に最初に抱いた、今も抱き続けている少年のような選手ばかりですが、なぜサッカーに魅了されたかを掘り下げたときに、自分の個性がピッチ上で表現されること、強度は高いですが、早くて、見ている人も惹き込まれて、そこにスピーディで熱量が込められて、カシマスタジアムの雰囲気もそうですが、鹿島らしさは非常に熱量のこもったサッカーだと思っている」と、全てが1つになり、情熱を持ったプレーをし続けることが鹿島らしさだと語り、「それをどう表現するか。選手たちの個性が重なり合って、瞬間的なアイデアが重なり合って、感情が重なり合った時にどういうサッカーになるか。それを具体的に選手たちと作り上げていくということです」と、自身としてはそこを創り上げていきたいとした。

今回の監督交代にはファン・サポーターも複雑な思いがあると言える。チームはタイトルも争える順位にいて、近年では調子が良い方向。その中での突然の交代には不信感も生まれたはずだ。

岩政監督は改めてファン・サポーターへメッセージを語った。

「(監督の)退任ということに関しては、非常に激震だと思います。本来描いていたものにならなかったからこういうことになっているので、たくさんご心配をかけていると思います」

「ミスはミスとして僕もクラブも選手も認めて前に進もうとしているので、皆さんと足並みをまた揃えて、週末から戦いたいと思います。僕は応援というよりは、一緒に肩を組んで、手を組んで進んでいきたいので、そういう雰囲気を作っていきたいと思います」

岩政監督が指揮する最初の試合は14日に行われる明治安田生命J1リーグ第25節のアビスパ福岡戦。ホームでのリスタートとなるが、変化を見せられるのか注目が集まる。

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