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もうすぐ怒涛の試合ラッシュがやって来る…/原ゆみこのマドリッド

超ワールドサッカー / 2022年8月27日 20時0分

写真:©Atlético de Madrid


「来月は忙しくなるのね」そんな風に私がカレンダーを眺めながら呟いていたのは金曜日、今季のCLグループリーグの日程をチェックしていた時のことでした。いやあ、同じ都市をホームとするチームの試合がかぶらないよう、1日遅れのELとコンフェレンスリーグのグループリーグ抽選の後、UEFAが調整してからでないと、正確な日付はわからないものの、アトレティコはグループB、レアル・マドリーはグループFに割り当て。よって今季はマドリッドの両雄の試合日が重ならず、スタジアム観戦しながら、アウェイでプレーしている方を気にして、オンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の二元中継に一喜一憂する必要はないようですけどね。

ただ、今年はW杯が異例の11月開催となるため、CLグループリーグの日程も繰り上り、9月第2週にCL1節が始まると、第3週には早くも2節が到来。10月など、マッチデーが3回もあって、11月頭に終了となれば、7日の16強対決の抽選で相手が決まっても、カタールに行っている間に選手たちはCLのことなど、すっかり忘れてしまうかも。

ちなみに9月の後半にはスペイン代表のネーションズリーグ、グループリーグの残り2節も組まれていて、こちらもまた夏のオフシーズンを挟みましたからね。昨季最後の試合があったのは6月の遠い彼方、私の記憶に残っているのも、カルロス・ソレル(バレンシア)とサラビア(昨季はスポルティングCPにレンタルされてプレー、今季はPSGに戻った)のゴールで2-0と勝ったラ・ロサレダ(2部のマラガのホーム)でのチェコ戦より、久々にマラガのビーチを楽しめたことの方だったりするんですが、まあそれは置いておいて。

スイスとポルトガルとの対戦を残すスペインは一応、グループ1位であるものの、2位のポルトガルとの差は勝ち点1しかありませんからね。もちろん未だ開催地さえ不明な、来年6月に予定されているファイナルフォーへの切符をルイス・エンリケ監督のチームがゲットできるかどうかも気になりますが、これがW杯前最後の代表戦となれば、招集のボーダーライン上にいる選手たちにとっては絶対、逃せないアピールチャンスになるかと。

え、木曜午前中にバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場でのセッションを終わらせ、その足でCLグループリーグ組み合わせ抽選会が開かれるトルコに移動。UEFA年間最優秀監督賞を受賞していたマドリーのアンチェロッティ監督が、「Marco está mirando algo para ver si puede salir/マルコ・エスタ・ミランドー・アルゴ・パラ・ベル・シー・プエデ・サリール(マルコはチームを出られるかどうか、見ているところだ)」と、8月末に市場が閉じる前にアセンシオが移籍する可能性を仄めかしていたのはもしかして、そのせいなのかって?

そうですね、ロペテギ監督(現セビージャ)に招集され、2016年のW杯ロシア大会に参加した彼だったものの、ヒザの靭帯断裂という大ケガなどもあって、ルイス・エンリケ監督からは3年ほど、まったくお声がかからず。ようやく6月の代表戦で復帰できたんですが、今季は開幕からのマドリーの3試合でまだ7分しか、アンチェロッティ監督からプレー時間をもらえてないんですよ。マドリーではいつになっても若手のイメージがあるアセンシオももう26才になりますし、クラブから来年満了となる契約延長のオファーも出ていませんからね。

たとえ、昨季は12ゴールを挙げ、ベンゼマ、ビニシウスに続く得点源だったとはいえ、やっぱりレギュラーになって露出度を高めないと、W杯に呼んでもらえないかもしれないとなれば、その辺を考えてのことだと思いますが、大丈夫。アンチェロッティ監督と一緒にCL決勝を今季こそ、迎えることのできるはずのアントゥルク・オリンピック・スタジアム(2020、2021年はコロナ禍で開催地が変更された)のあるイスタンブールに飛んだベンゼマは30代になって久しいにも関わらず、まったく衰えを感じさせないんですよ。

ええ、今季もすでにUEFAスーパーカップのフランクフルト戦とセルタ戦でゴールを挙げていますし、候補だったデ・ブルイネ(マンチェスター・シティ)、同僚のクルトワに大差をつけて受賞したUEFA年間最優秀選手賞授与の席では、当人も「34才の今の方がいい。いいプレーができている」と言っていましたしね。もしやこのシーズンは同じ年齢のレバンドフスキ(バイエルンからバルサに移籍)とのベテランFWピチチ(得点王)争いが見られる?

そんなマドリーは今週、水曜の夜にはマドリッド市内のメゾン・チュストゥ(肉料理レストラン)に選手たちが集まり、リュディガー(チェルシーから移籍)とチュアメニ(同モナコ)の歓迎会も兼ねて、親睦ディナーを開いていたそうですが、ミッドウィークにのんびりできるのも今のうち。移籍先決定待ちのオドリオソラ、軽いケガをしているナチョとバジェホを除いて、チームは日曜午後10時(日本時間翌午前5時)からのエスパニョール戦の準備を着々と進めているんですが、いざCLが始まれば、中2日、中3日の過密スケジュールが待っていますからね。

そうそう、ハードトレーニングにも励めなくなりますが、ちなみに相手のエスパニョールは今季、ビセンテ・モレノ監督からディエゴ・マルティネス監督に交代。ここまでセルタと2-2、弟分のラージョには0-2とホーム開幕戦で負けて、まだシーズン初白星を挙げておらず、前節の試合で退場したセルジ・ゴメスも2試合の出場停止処分を喰らっていますし、移籍したいんだか、ケガをしているんだか、RdT(ラウール・デ・トマス)の状態もはっきりせずと、あまり14位に終わった昨季と変わり映えしていない?とはいえ、どんな相手でも油断は禁物。マドリーファンも1-4で大勝した前節セルタ戦のようなgoleada()ゴレガダ/ゴールラッシュ)を期待しているはずです。

え、ホーム初戦の4節ベティス戦に向けて、絶賛大改装中のサンティアゴ・ベルナベウにもようやくピッチに芝が貼られ、9月にはCL同組となったライプツィヒ、シャフタール、セルティック、どこが来ることになっても万全の状態で迎える態勢を整えつつあるお隣さんは、ほっておいても強いのは誰もが知っている事実。それよりグループリーグではポルト、レバークーゼン、クラブ・ブリュージュと当たることになったアトレティコがどうしているのか気になるって?

いやあ、0-2で負けた前節のビジャレアル戦で一気にプレシーズンマッチと開幕ヘタフェ戦で見せたゴールに不自由しないチームのメッキがはがれてしまった彼らはこの3節、月曜午後10時から、メスタジャでバレンシアと対戦。ホームデビューで退場したナウエル(ウディネーゼから移籍)が2試合の出場停止、サビッチは全治4週間のケガという逆境もあるため、シメオネ監督も粛々とチームの再編成に努めていたようですけどね。リーガ開幕直前に打撲傷と咽頭炎を患ったヒメネスが3人CB制の一角に戻り、マルコス・ジョレンテがまだ右SBに回るようですが、マハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場では、中盤でもコンドグビアやデ・パウルらを試していたのだとか。

相手のバレンシアも初戦はジローナに0-1で勝利、次はアスレティックに1-0で敗戦と成績はアトレティコと同じなんですが、この木曜にはビトリア・ギマラエスからポルトガルU21代表のMF、アンドレ・アルメイダが加入したりと、補強も道半ばみたいですからね。待望のカバーニ(マンチェスター・ユナイテッドとの契約が終了)の入団も発表されていませんし、売却予定のマキシ・ゴメスも使えないため、アトレティコに入った早々、レンタルに出されたサムエル・リノ(ジル・ビセンテから移籍)がいい感じとはいえ、ガットゥーゾ監督も撃ち合いは望んでいないと思いますが、さて。

そして初戦でアトレティコに0-3と負け、2節では昇格組のジローナに3-1と連敗した上、キケ・サンチェス・フローレス監督がその試合で退場となり、2試合のベンチ入り禁止処分となってしまったヘタフェは日曜にコリセウム・アルフォンソ・ペレスにビジャレアルを迎えることに。ここは是非とも兄貴分の敵を討ってもらいところですが、どうやら相手が波に乗っているみたいでねえ。というのもエメリ監督のチームはリーガで2連勝しているだけでなく、今週はコンフェレンスリーグ(昨季から始まったUEFA第3の大会、スペイン勢が出場するのは初めて)のグループリーグ出場プレーオフ2ndレグでもハイジュク・スプリト(クロアチア)を0-2で破り、公式戦4連勝としていたから。

いえ、昨季はCL準決勝まで進んだチームが今季はハポエル・ベア・シャバ(イスラエル)、オーストリア・ウィーン、レフ・ボズナニ(ポーランド)といったエキゾチックな顔ぶれの揃うコンフェレンスリーグを戦うというのはおそらく、ファンにとても違和感がありそうですけどね。とにかく相手はワンダからシビタスと名を変えたメトロポリターノで最初のゴールを決めたジェレミー・ピノやジェラール・モレノを始め、FW陣が充実。逆にプレシーズンから続くゴール日照りがまだ解消できていないヘタフェにはちょっと荷が重い感じもしなくはありませんが、早いところ、流れを変えないと、また開幕から8試合、白星を挙げられずに長く、降格圏を低迷することになった昨季の悪夢が蘇ってくる恐れもなきにしろあらず。

私も2年続けて、彼らの心配ばかりしていたくありませんし、その辺はコリセウムのファンの熱い応援で何とかなってくれないかと期待しているんですが、こればっかりはねえ。ちなみにもう1つの弟分、ラージョの方は昨季同様、スタートは快調で、開幕戦でもスコアレスドローでバルサから勝ち点1をもぎ取っている程。しいて言えば、この2試合、ファルカオでなく、アトレティコから修行に行っているカメージョがスタメン出場しているのと、往年のゴールデンコンビ再結成にプレサ会長がもう入団の段取りをつけたと言われているジエゴ・コスタ(昨年までアトレティコ・ミネイロでプレー)の到着が遅れているのが気掛かりではありますけどね。

まあ、エスタディオ・バジェカスにマジョルカを迎える土曜の試合では、イシが負傷欠場となるため、前線のメンバーチャンジは必須ですし、年が変わった途端、絶不調に陥ったラージョはここ8カ月間、ホームのファンの前で白星を祝っておらず。きっとファルカオも勝利のゴールを挙げる気満々でいるのは間違いないと思いますが、前日記者会見ではイラオラ監督が「Es absolutamente mentira/エス・アブソルータメンテ・メンティーラ(それは完全にウソだ)」と否定していたように、彼が望んでいないから、コスタが来られないという噂はガセネタだったようですよ。


【マドリッド通信員】 原ゆみこ
南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。

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