2点差追いつきドローのスパーズ、コンテは姿勢評価も9戦連続先制点献上に苦言
超ワールドサッカー / 2022年12月27日 6時0分
トッテナムを率いるアントニオ・コンテ監督が、中断明け初戦となったブレントフォード戦を振り返った。イギリス『フットボール・ロンドン』が伝えている。
カタール・ワールドカップ中断前のプレミアリーグで4位に位置したトッテナムは、26日に行われた再開初戦でブレントフォードとアウェイで対戦。
この試合も開幕から課題とする前半の低調なパフォーマンスによって1点ビハインドで試合を折り返すと、後半序盤にもミス絡みで与えたセットプレーから失点。それでも、後半に底力を見せるチームは65分にFWハリー・ケインのヘディングシュート、71分にはMFピエール=エミール・ホイビュアの右足シュートで連続ゴール。その後は主導権を握り続けたが、ケインやFWソン・フンミンが3点目のチャンスをモノにできず、敵地から最低限の勝ち点1を持ち帰る結果となった。
同試合後、コンテ監督は2点差を追いついたチームの諦めない姿勢を評価しながらも、9試合連続で先制点を許すなど、改善されない前半のパフォーマンスに不満を示している。
「今日試合を観戦した人たちは、トッテナムのゲームを観戦したのが初めてではないと思う。そして、新たにエキサイティングな試合だったと思う」
「一方では試合のやり方、反応、後半のプレーに満足しなければならない。それは2ゴールを決めた方法だけでなく、エネルギー、欲求、激しさを持って我々はプレーした。このようにプレーすれば、対戦相手に多くの問題を引き起こせる。その部分に関しては満足している」
「だが、これで9試合連続で先に失点した。それは間違いなくポジティブなものではない。我々は素晴らしいキャラクターを持ち、素晴らしい反応を示し、自分自身を信じていることを理解している。しかし、同時に、チームが順位表において良い位置に留まろうとするためには安定を必要としている」
「多くの試合で1、2失点を喫していることに関しては、よく反省して解決策を見つけなければならない。私にとってもこんなシチュエーションは初めてだ。9回連続で先制点を相手に許すというのはね(苦笑)」
「しかし同時に、これらのプレイヤーの素晴らしい反応も初めてだ。彼らは素晴らしいキャラクター、大きな欲求を示したが、最初からそれをやらなければならないし、我々の頭の中ではそのはずだった。だが、先に失点してしまい、セットプレーから2失点目も喫した」
「こういった特徴を持つ相手との対戦において簡単なゲームはない。ブレントフォードは今季のホームゲームでマンチェスター・シティとマンチェスター・ユナイテッドを破り、チェルシーと引き分けたことを忘れないでほしい」
「プレスに行くと、彼らは長いボールを蹴って、トニーはボールを保持し、すべてのストライカーと共にプレーするのが本当にうまい。さらに、彼らはすべてのゾーンのセットプレーで、ボールをボックス内に入れてきた。フィジカルが強く、簡単なゲームではなかった。それでも、最終的には勝つチャンスもあったと考えている」
また、アルゼンチン代表としてカタール・ワールドカップを制したDFクリスティアン・ロメロの不在を受け、この試合ではDFジャフェット・タンガンガを今季リーグ戦初先発で起用。ただ、チャンスを与えられた生え抜きDFは攻守両面で低調なパフォーマンスに終始。そのため、会見では守備のテコ入れのために新戦力の補強の必要性を問う質問も投げかけられた。
ただ、イタリア人指揮官は決して本音とは言い難いものの、補強の必要性を否定している。
「(新たなDFが必要か?)ノーだ。ディフェンダーについては、ジャフェット・タンガンガも回復した。彼にとっては今シーズン初の試合だった。彼はヒザの回復にかなり苦労し、ゲームに慣れるには少し時間がかかることは理解している。その中で、今日彼がゲームをプレーできたことを嬉しく思う」
「我々のセンターバックは良いと思っている。もちろん、働き続ける必要があるがね。それにクティ・ロメロは明日のトレーニングセッションで戻ってくる。繰り返しになるが、今シーズンは失点が多く、そこに関して少しがっかりしているのは確かだ」
「その一方で、多くのゴールを決めチャンスを作り、多くのプレーヤーで攻撃していると思う」
最後に、この試合では自身のPK失敗によってW杯ベスト8敗退という失意を味わったイングランド代表主将であるケインのパフォーマンスに大きな注目が集まった。
同試合でゴールを記録し、健在ぶりを示したエースだが、相手ファンからは「お前は自分の国を失望させた」とのメッセージボードが掲げられるなど、心ないチャントやブーイングも確認された。
この一件に関して、コンテ監督は心身ともにタフなエースを心から信頼しており、何の心配もしていないと主張。さらに、相手ファンの行動に対しても一定の理解を示している。
「個人的に、ハリーについては彼の資質、メンタリティ、すべての試合とすべてのトレーニングセッションへのアプローチ方法について疑いの余地はない」
「確かに、ハリーにとってはワールドカップで本当に良いプレーをしていたし、奇妙な状況に直面している。彼がワールドカップで良いプレーをし、チームも準々決勝に進んだが、その後、彼はあのPKを失敗した。イングランドの敗退に影響する決定的なPKだった」
「しかし、ご存じのようにフットボールはそういったものだ。ポジティブな瞬間やネガティブな瞬間を持つ。精神的に強い人間、トッププレーヤーならば、ネガティブな状況を脇に置いて前に進まなければならない瞬間がある。ハリーは今日の試合でそれをやったと思う」
「繰り返しになるが、我々は本当に優れたプレーヤー、特に優れた人物について話している。したがって、我々のファンだけでなく、他のチームのファンも毎回彼に拍手を送るべきだ」
「ハリーはイングランド代表ではなくトッテナムのプレーヤーとしてプレーしていた。それに対して相手のファンは彼を脅威に感じていた。そして、ファンは対戦相手に問題を起こそうとするもので、それはある意味で正常だ。イタリアであれば、何が起こったのか分からないよ(笑)」
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