チェルシーの新年初戦はドロー…ラッキー弾で先制も後半は格下フォレストに防戦一方《プレミアリーグ》

写真：Getty Images

プレミアリーグ第18節、ノッティンガム・フォレストvsチェルシーが1月1日にシティ・グラウンド・スタジアムで行われ、1-1のドローに終わった。

再開初戦となったボーンマス戦を2-0の快勝で飾った8位のチェルシー。連勝を狙う2023年初戦では降格圏の19位に沈むフォレストとアウェイで対戦した。

次節からマンチェスター・シティとの公式戦連戦を控えるポッター率いるチームは、負傷離脱したリース・ジェームズに代えてアスピリクエタを起用した以外、同じメンバーで臨んだ。3トップにはスターリング、ハヴァーツ、プリシッチが引き続き起用された。

アウェイながらも立ち上がりからボールの主導権を握って押し込むチェルシー。自陣深くでコンパクトなブロックを敷く相手に対して、ボールに加えてマウントやハヴァーツがオフ・ザ・ボールの動き出しで変化を付けていく。

一方、ギブス＝ホワイトにゼロトップの役割を与え、アウォニィとブレナン・ジョンソンとアスリート能力に特長を持つストライカーを両翼に配したフォレストは、中央で起点を作って両翼に背後のスペースを狙わせるカウンターを序盤から狙う。

すると、10分過ぎには早くもその狙いが結実し、ギブス＝ホワイトのスルーパスに抜け出したジョンソンがボックス内で続けて際どいフィニッシュに持ち込めば、直後にはジョンソンの右からの折り返しをギブス＝ホワイトがダイレクトで狙うなど、相手ゴールに迫る。

辛くもピンチを凌いだチェルシーは直後に意外な形からゴールをこじ開ける。16分、左サイド深くでボールを持って仕掛けたプリシッチがクロスを上げると、ニアで強引にクリアを試みたDFボリが触ったボールが浮き球の形でクロスバーを直撃。完全に動きを止めていたGKヘンダーソン、DFロディを尻目にしっかりと撥ね返りに反応したスターリングが難なくゴールネットへ蹴り込んだ。

ラッキーな形から先制に成功したチェルシーは、よりリスク管理を意識しつつも、引き続きボールを握って追加点を目指す。

前半半ばから終盤にかけては押し込んで細かい崩しを見せるチェルシー、自陣での強度の高い守備からロングカウンターを狙うフォレストという構図の下で一進一退の攻防が続く。

無理をして攻めないチェルシーは決定機を作れないものの、フォレストの鋭いカウンターをDFチアゴ・シウバの老獪な守備を中心にうまく凌ぎ切り、リードを保ったまま試合を折り返した。

互いに選手交代なしで臨んだ後半はボール支配率こそアウェイチームに分があるものの、ホームチームのワンサイドゲームとなる。

自陣に籠っていた前半から打って変わってより前からプレスを仕掛ける姿勢を見せるフォレストは、後半も両翼の推進力を生かして攻撃を仕掛ける。

まずは49分、右サイドで縦にぶち抜いたジョンソンがボックス内に侵入。強烈なシュートをニアへ飛ばすが、これはGKケパの好守に遭う。さらに、55分には鮮やかな連携からボックス右に抜け出したイエーツの折り返しをペナルティアーク付近でフリーのギブス＝ホワイトが右足ダイレクトで合わせるが、これは惜しくもクロスバーを叩いた。

相手のフィニッシュの精度に助けられてリードを維持するものの、後半に入って決定機はおろかシュートさえも打てない劣勢のチェルシー。61分にはザカリアを下げて切り札のコバチッチをピッチへ送り込む。だが、このテコ入れの直後に相手の攻勢に押し切られた。

63分、左CKの場面でニアのハヴァーツが大きく撥ね返せなかったボールを中央で競り勝ったボリが再びニアへ落とすと、これを胸トラップしたオーリエが見事な右足ボレーシュートで蹴り込んだ。

自分たちの流れの中でゴールを奪い切って試合を振り出しに戻したフォレストは、さらに全体の強度を上げて一気に逆転を目指す。そして、左サイドのアウォニィのパワフルなドリブル突破を起点に幾度も良い仕掛けをみせ、ボックス内のイエーツらが2点目に迫る。

一方、失った流れを戻せずに守勢を強いられるチェルシーは73分に3枚替えを敢行。存在感を欠いたマウント、スターリング、ジョルジーニョを下げてツィエク、オーバメヤン、ギャラガーとタイプが異なる選手を投入した。

この選手交代とフォレストの疲労によってここから試合は膠着。81分にはツィエクの右サイドからの正確な左足クロスに反応したオーバメヤンに決定機も、ここはボールに合わせ切れずに枠の左へ外してしまう。

これでようやく後半最初のシュートを放ったチェルシーだが、ここから流れを引き寄せることはできず。以降は相手の鋭い攻めに耐えるのが精いっぱいの厳しい内容のままタイムアップを迎えることになった。

スターリングのラッキーゴールで先制も、後半は格下相手に防戦一方を強いられたチェルシーは、2023年初戦を微妙なドローでスタート。シティとの連戦に向け弾みを付けることはできなかった。