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「あってはならないこと」ノーゴールの判定は誤審、扇谷委員長は広島、札幌の反応や審判の割り当て、誹謗中傷にも言及「本当に申し訳ありませんでした」

超ワールドサッカー / 2023年2月22日 19時37分

写真:©︎CWS Brains, LTD.

日本サッカー協会(JFA)は22日、メディアブリーフィングを実施。明治安田生命J1リーグのサンフレッチェ広島vs北海道コンサドーレ札幌の試合の判定について説明した。

2023シーズンの開幕節となった試合。0-0で推移した試合は74分に問題のシーンが起こる。広島が左CKを獲得すると、野津田岳人のクロスを佐々木翔が頭でフリック。繋いだボールをファーサイドの川村拓夢がヘディングシュートで押し込んだ。

しかし、反応したGK菅野孝憲が左足で防ぐファインプレー。 肉眼ではボールはラインを越えているようにも見え、当然VARによるゴールチェックの対象にもなったが、確認の結果はノーゴールだった。

このシーンについて、JFA審判委員会の扇谷健司委員長がブリーフィングを実施。「我々審判委員会ではゴールインにすべき事象であったと結論付けました」と誤審であったことを認め「透明性が求められる中で、我々としては今回のミスはあってはならないこと」と説明した。

今回のミスが発生した原因について扇谷審判委員長は「判断、決断できなかったということが1つあります」と語り、「もう1つはVARというのも映像をどのように扱うかのテクニックがあるが、そこが少し欠けていたと考えています」と説明した。

実際の試合ではノーゴールと主審が判定。VARチェックが入ったが、時間を多く掛けずにノーゴールの判定となっていた。

今回の件については「VARの運用上はOFR(オン・フィールド・レビューをするものではない」とコメント。「入っているか入っていないのかの事実を掴むものとなるので、その中で、スムーズに皆さんがお思いかもしれないですが、私としてはファクトを決めるのには90秒ぐらいかかっていて、ある程度の時間を要しています」と扇谷審判委員長は説明。「ファクトを決める場合には、VARが判断をして、それを主審に伝えることしかできません。ピッチ上にある映像を見てレフェリーが判断するものではありません」と、OFRがないことは問題ないことだとした。

ただ「多くの皆様があの映像を見たときに「入っている」と思われている。私もそう思っています。最終的に判断はしていても、決断ができないということは否めないです」とし、「VARは暗い中でやっていて、追い込まれており、もしかしたらピッチ上の判定をサポートしたいとか、少しでもわかりにくいというものを決断をしないことはあるかもしれない。ただ、今回の場合はボールとゴールポストの間にしっかり緑の芝生の色が見えている。そうした場合には、VARとして判断して、OFRではなく、VARオンリーレビューで主審に得点を認めてくださいと伝えるべきだった」と、VARの誤審であることは明白だとした。

今回VARが主審にノーゴールで良いと伝えた経緯については「DAZNで見るような映像をVARが確認しました。これは入っている可能性が高いという判断をしていましたが、その後にVARも不安はあります。映像をズームしてボールを見ますが、ボールがぼやけることがあり、わかりにくこととなり、最終的にはフィールド上の判定を受け入れた形です」とコメント。ラインを完全に割っているかどうかを見るためにアップしたことが1つ判断を誤らせた理由だとした。

扇谷審判委員長は「引いた映像でも緑の芝生が見えることはありますし、これは我々の責任ですが、指導していく中で止まったものを見てくださいとやっていましたが、コマ数の問題でボールが一番奥にあるときに止まるものではないです。我々がしっかり伝えるということで、ループで見る、スロー映像で見る方がより明確になっている。VARの2人はベストを尽くしていますが、我々がそういうことを伝えていなかったことが大きな問題と考えています」とコメント。VARを導入し、指導していく段階で、静止画でチェックすることを推奨しており、それが今回の誤審に繋がったともした。

広島と札幌にはすでに報告と謝罪をしたという扇谷審判委員長。広島の反応については「昨日サンフレッチェさんの事務所にお伺いさせていただき、説明もさせていただきました。非常に真摯な対応をしてくれたことに感謝したいと思います」とコメント。「広島さんだけではなく、北海道コンサドーレ札幌さんも真摯に我々の説明を聞いていただけました」と語った。

ただ、「やはりそこで勝ち点2を失ったとは言われました」と広島からは誤審の影響を指摘されたとし、「その事実は変わらないので、申し訳ないと思っています。それを、どう我々がこれからより質の高いVARをリーグに提供することで、信頼を取り戻すかで努力させていただきたいとお話しさせていただき、ご理解をいただいています」と、試合結果を変えることはできないものの、再発防止、より正確な判定をすることで示していきたいとした。

また、今後の防止策についてはすでにVAR担当の審判員に集まってもらったとし、「レフェリーというのは、必ずミスはします。共有して、次の節から生かしていくようにやっていくしかないですし、全員がプロではないのですぐに集まってはできないですが、やれることでベストを尽くして、改めてチームやサポーター、メディアの皆さんから信頼を得られる審判にならないといけないと思います」と、再び信頼を得られるようにしていくのみだと語った。

今回の件でゴールラインテクノロジー(GLT)の話も話題となったが、「日本のスタジアム環境でそもそもできない可能性が高いスタジアムがある。ある会場だけやるのは非常にアンフェア。ゴールラインテクノロジーをすぐというのは現状は難しいと思っています」と、すぐの導入に至ることはないという。

また、担当試合の割り当ての処分などについては「審判委員会は処分はできない」とコメント。VAR担当と主審を兼務していることもあり、「VARとしてはもう少し教育が必要だと思っています。リモートだったり、シュミレータートレーニングだったり、もう一度改めて伝えていく必要がありますし、一定期間必要だと思っています」とコメント。「ピッチ上のレフェリーとしては優秀な審判員だと思っていますが、非常に今は精神的にも厳しい状況ですので、サポートしながら復帰のタイミングを目指していきたいと思います」と、処分ではないもののしばらくは担当から外れることになるとした。

扇谷審判委員長は最後に「こういった判定になってしまったこと、審判委員会の委員長としてサッカーに関わるすべての皆さんに謝罪したいと思います。本当に申し訳ありませんでした」と改めて謝罪。一方で、「審判員はベストを尽くしてくれています。彼らに対する誹謗中傷は本当に避けていただきたいと思っています」と、勝ち点を落とすなどの影響を与えてはいるものの、個人や家族などを攻撃するなどを避けて欲しいと訴えた。

【動画】誤審が認められた広島vs札幌の問題のゴールシーン


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