ウルグアイ戦のスタメン予想と使って欲しい選手/六川亨の日本サッカー見聞録
超ワールドサッカー / 2023年3月16日 19時45分
3月15日にキリンチャレンジカップ2023に臨む日本代表26名が発表された。とはいえ翌16日のネットのスポーツニュースでは、WBCの話題でもちきり。ただのメンバー発表と、同日夜にイタリアとの準々決勝に臨む侍ジャパン。ましてや大谷翔平が先発とくれば、SAMURAI BLUEも太刀打ちできないのは仕方のないところ。
そのメンバー発表だが、カタールW杯でレギュラーだったGK権田修一はJ2リーグのため外れたのは当然として、FC東京で今シーズンは控えに回っている左SB長友佑都も世代交代を余儀なくされたと言える。キャプテンだったCB吉田麻也と右SB酒井宏樹のベテラン勢も、「彼らがやってくれるということは計算できる。いなくなった時にどれだけ日本の力としてつけていけるか」(森保一監督)を試す意味でも今回の招集は見送られた。
加えて吉田のシャルケは残留争いに巻き込まれているし、酒井も負傷を抱えていると聞いた。2人とも親善試合で無理をする必要はまったくない。吉田に関しては、所属先がどうなっているかわからないものの、9月の海外遠征で再び呼ばれる可能性は高いのではないだろうか。
そうなると、ウルグアイ戦の守備陣は、GKシュミット・ダニエル、右SB橋岡大樹、CB冨安健洋と板倉滉、左SB伊藤洋輝というスタメンが予想される。全員が身長180センチオーバーの高さを持つ。ちなみにシステムは『ボールを握って攻める』ことを前提に[4-3-3]と予想した。
そして中盤から前だが、今回のキリンチャレンジカップ2023はカタールW杯後の“凱旋試合"でもある。選手のメンタルを配慮して、大胆な采配を振るうことの少ない森保監督のことだから、カタールW杯のスタメンを踏襲する可能性が高いのではないだろうか。
そうなるとダブルボランチは遠藤航と守田英正のコンビで決まり。その前に鎌田大地というトライアングルになる。鎌田は、W杯では守備面で甘さ露呈したし、最近のブンデスリーガでも好不調の波が大きいことを指摘されている。コンスタントに、攻守に“戦える選手"かどうか。シーズン後半戦は正念場と言える。そして今回招集されたメンバーには、鎌田のポジションに西村拓真が呼ばれている。運動量では鎌田を凌駕するだけに、彼のプレーも楽しみだ。
前線は右から伊東純也、トップは前線からのプレスのスイッチになり、ゴールも決めた浅野拓磨か前田大然、そして左は久保建英になる。そして彼らの控えが右から堂安律、上田綺世、三笘薫だ。カタールで結果を残した選手をリスペクトしたスタメン予想でもある。
しかし、本音を言えば現在所属チームで好調を維持し、レアル・ソシエダでは右サイドでプレーしている久保を右FWで、快足ドリブラー三笘を左FWに、そして前田遼一コーチと同タイプのオールラウンダーで、セルクル・ブルージュでゴールを重ねている上田をトップに起用したスタメンを見たいと思うのは私だけではないだろう。
海外組は長距離移動と時差のためコンディションが万全ではない。このため2試合とも90分間フル出場する必要はまったくないが、それでもウルグアイ戦のスタメンには久保と三笘を起用して欲しい。あるいは鎌田のポジションに久保を入れ、右FWは伊東か堂安という選択肢でもいい。
最後に、セルティックで結果を残している古橋亨梧と旗手怜央が選ばれなかったのは意外だった。以前、森保監督は「カタールに連れて行きたくても行けなかった選手がいた」という趣旨の発言をした。てっきり古橋のことかと思ったが、どうやら違ったようだ。彼らについて指揮官は「これという絶対的な判断基準はすべてあるわけではなく、どこか総合的なところがあるのは理解していただければ」と言葉を濁した。
確かにドイツやスペイン相手では、両サイドから崩して古橋が中央で決めるというイメージはわきにくいため、浅野や前田ら俊足FWを優先せざるを得なかったのは理解できる。そして3年後を見据えて『ボールを握って攻める』ためには、上田や町野修斗ら前線でタメを作れる選手を優先したのだろう。
そして旗手は“スペシャリスト"ではなく“オールラウンダー"のために外れたのか? セルティックと田中碧の所属するフォルトゥナ・デュッセルドルフでは、チームと所属するリーグのレベルにどんな差があるのか正直わからない。ただ、田中はスペイン戦で決勝点を決めているアドバンテージがあるのは確かである。
【文・六川亨】
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