「トレーニングではやっていない」森保一監督が明かした後半のシステム変更、一定の成果も新たなトライについては「簡単ではない」
超ワールドサッカー / 2023年3月29日 0時0分
日本代表の森保一監督が、コロンビア代表戦を振り返った。
28日、キリンチャレンジカップ2023で日本はコロンビアと対戦。カタール・ワールドカップ(W杯)後の初の活動となった今回の試合。ウルグアイ代表戦から4名を変更して臨んだ中、開始3分、守田英正のクロスを三笘薫が豪快にヘディングシュート。これが決まり先制する。
幸先良く先制に成功したが、33分に右サイドを崩され失点。後半はコロンビアの強度に苦しむと、61分にオーバーヘッドでゴールを奪われ逆転を許す。
その後システムを変えてゴールへの圧力をかけたが、結局ゴールを奪えず。1-2のまま敗戦した。
試合後の記者会見に臨んだ森保監督は「まずは結果が大事だと考えている中で残念な気持ちでいます」とコメント。「スタジアムで応援してくださった、サポーターの皆さん、メディアを通じて応援してくださった皆さんに感謝申し上げたいと思います」と、勝利を届けられなかったものの感謝を口にした。
試合については「試合では選手たちが良い入り方をしてくれて、良い形で先制点を奪った中で、より試合をコントロールしながら相手にダメージを与えていくという形での試合がなかなかできず、反省しなければいけないところがあります」と語った。
それでも「選手たちが今回ウルグアイ戦、コロンビア戦に向けて我々がトライすべきところと、カタールW杯からメンバーが変わってきた中でチームとしてのチャレンジ、個々の繋がりという部分でのより共通意識の部分のクオリティを上げようとしてくれた部分に関しては、選手たちは今できることを頑張ってくれたと思います」と、新たな取り組みを行っている中でのパフォーマンスには一定の手応えがあったようだ。
また失点シーンについては「試合に関しては、失点の前のシーンの部分で私の交代カードの切り方で失点に繋がった部分もあると思います。私自身反省しなければいけないところがあると思います」と、2点目のシーンの交代策を反省した。
ウルグアイ戦から選手も入れ替えて臨んだ中での手応えについては『ディフェンスラインには経験の浅い選手たちであったり、今回初めて来る選手がいた中で、完全に安定していたかというと改善の余地があることは試合の中でも出ていたと思います」とコメント。「局面での強度という部分でも相手との間合いを詰める、自由を奪う、ボールを奪うというところをこれから上げてもらわないといけないという部分と、チームで上げていかなければいけないという部分は今日の試合でも出ていたかなと思っています」と、ウルグアイ戦からの改善は見られたと語った。
それでも、「チャレンジの部分として、安定だけを求めれば、これまでやれていた選手たちを使うということで、安定と安心という部分はあるかもしれませんが、今回は勝利を目指さないといけない戦いですが、未来も同時に見据えて選手起用をしながら、選手個々のレベルアップとチームの全体の選手層を厚くすること、戦い方の選択肢を増やすことは絶対的に必要だと思います」と、2026年のW杯を見据えれば、勝利という結果を出せなくともチャレンジしたことは良かったとし、「起用に関しては反省しなければいけない部分はありますが、未来を見据えての後悔はありません」と2試合を振り返った。
ビルドアップの方法や選手の立ち位置を変えたことでスムーズさを失った攻撃だったが、「ウルグアイ戦もコロンビア戦もスムーズな攻撃という部分でのコンビネーションのクオリティを上げなければいけないというところは、この2試合出ていたかと思います」と反省。「理由としてはチャレンジするところを新たに戦術的なチャレンジをする、立ち位置をチャレンジするということをやったことと、選手が変わっていった中で、スタートのこの段階から全てをスムーズに行くのはなかなか難しいというのが試合の中で出ていたと思います」と、新たなトライの代償だとした。
また「理想は練習時間がなくてもやるべきことを選手たちが所属チームから代表チームへ移ってきてくれたり、新たに招集した選手たちもスムーズにチームの戦術、自分の役割、自分の良さを出せるようにということをしたいですが、そこは簡単にはいかないということ。与えられた時間の中で、取捨選択をしていくこと。次の活動で選手たちがスムーズに画が持てるように準備しなければいけないと思います。新しい戦術のチャレンジと新しい選手の融合で簡単ではないということです」と、トライをする中での仕方無いことでもありつつ、よりスムーズに進むようにしなければいけないと反省を口にしている。
この試合では鎌田大地(フランクフルト)をボランチで先発させたが「鎌田の起用については、我々の戦い方の選択肢を増やすということで、所属チームでやっているボランチを代表でも選択肢として持てるようにと起用しました。実際にW杯でもドイツ戦でやってもらったりという経験はありますが、選択肢を増やせるようにという起用です」とコメント。45分での交代は「出場時間に関しては、あらかじめ決めていた交代です」と予定どおりだったという。
また、後半システムを変更し、[4-2-3-1]から[4-4-2]のダイヤモンドにしていた。ゴールへの圧力をかけることには成功していたが「形についてはトレーニングではやっていません」と急造だったと語り、「ただ、負けている状況の中で前線からプレッシャーをかけなければいけないということで、相手のCB2枚とアンカーのところで枚数合わせをしてプレッシャーをかけるということ。相手の攻撃を高い位置からプレッシャーをかけること。久保をトップ下に置いて、攻撃時に起点になってもらうという意図で考えました」と、相手の守備を崩していくという狙いを持った結果だとした。
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