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圧巻チュクウェゼのドブレーテに屈したマドリー、CLチェルシー戦に弾み付けられず《ラ・リーガ》

超ワールドサッカー / 2023年4月9日 6時8分

写真:Getty Images

ラ・リーガ第28節、レアル・マドリーvsビジャレアルが8日にサンティアゴ・ベルナベウで行われ、アウェイのビジャレアルが2-3で勝利した。

現在、2位のマドリーはインターナショナルマッチウィーク明け初戦となった前節のバジャドリー戦に6-0の圧勝。さらに、ミッドウィークに行われたコパ・デル・レイ準決勝2ndレグでは、ベンゼマの2試合連続トリプレーテの活躍によって敵地カンプ・ノウで4-0の快勝を飾って逆転の決勝進出を決めた。

直近2試合連続の大勝で勢いに乗るアンチェロッティのチームは、週明けにチャンピオンズリーグ(CL)準々決勝1stレグのチェルシー戦をい控える中で6位のビジャレアル(勝ち点44)をホームで迎え撃った。中2日の過密日程ということもあり、バルセロナ戦からは3トップとアラバを除くフィールドプレーヤー6人を変更。ルーカス・バスケスやナチョ、セバージョス、チュアメニらが起用された。

立ち上がりはロ・チェルソをファルソ・ヌエベで起用し、局面で数的優位を作り出すビジャレアルが主導権を握る。だが、堅固なブロックでフィニッシュまで持ち込ませないマドリーは、徐々にカウンターから相手を引っくり返すシーンを作り出していく。

すると、16分には好調のアセンシオの果敢な仕掛けが先制点をもたらす。自陣から左のハーフスペースで長い距離を持ち上がったアセンシオがボックス左に走り込むヴィニシウスにラストパス。ゴールライン際で残したボールに反応したアセンシオがすかさず左足を振ると、DFパウ・トーレスに当たって大きくコースが変わったボールがゴールネットを揺らした。

アセンシオが演出したオウンゴールによって先制に成功したマドリーは流れに乗ってアウェイチームを攻め立てる。19分にはボックス内でベンゼマ、ロドリゴと連続シュートに持ち込むが、ここはGKレイナの好守に阻まれる。

自分たちの時間帯に追加点を奪い切れなかったマドリーは、徐々にに押し返される。

30分過ぎにテラツを下げてトリゲロスを投入するなど素早い修正を施したビジャレアルは、バエナやチュクウェゼらが幾度か決定機を作り出すと、見事な崩しから同点に追いつく。

39分、左サイドのピノを起点にバエナ、ロ・チェルソとバイタルエリアで繋ぐと、ペナルティアーク付近のチュクウェゼの足元に良い形でボールが入る。ここで緩急を使った見事な仕掛けでDFナチョを振り切ってGKクルトワとの一対一に持ち込んだチュクウェゼが正確無比な左足のシュートをゴール左隅に突き刺した。

追いつかれて試合を折り返したマドリーは、チェルシー戦に向けたプレータイムのコントロールか、アラバを下げてミリトンをハーフタイム明けに投入した。

前半終盤の流れを見ると、難しい展開が予想されたものの、圧倒的な個の力で後半早々にゴールをこじ開ける。48分、左サイドでセバージョスとパス交換したヴィニシウスがボックス手前左でDF4人に囲まれながらも強引に仕掛けると、DFマンディを股抜きでかわしてゴール前に持ち込むと、最後はGKとの一対一を難なく制した。

ヴィニシウスのゴラッソで勝ち越しに成功したマドリーは、ここからゲームコントロール優先の戦い方にシフト。59分にはベンゼマを下げてバルベルデを投入し、ロドリゴをセンターフォワード、アセンシオを右ウイングに配置転換。躍動するヴィニシウスが幾度か3点目に迫るが、ドブレーテ達成には至らず。

一方、2失点を喫した後も引き続きボールを保持ながら相手を押し込んで幾度か良い崩しを見せるアウェイチームは67分にピノとロ・チェルソを下げてアルベルト・モレノ、ホセ・モラレスを同時投入すると、この交代策が完璧に嵌った。

70分、中央のバエナから右で浮いたチュクウェゼに展開されると、チュクウェゼの丁寧な折り返しをボックス中央のトリゲロス、ホセ・モラレスと続けてシュートに持ち込むと、ホセ・モラレスの2本目のシュートがゴールネットを揺らす。当初、チュクウェゼの抜け出しの場面でオフサイドと判定されたが、VARのレビューの結果オンサイドでのゴールが支持された。

この失点によってアンチェロッティ監督はチュアメニとセバージョスを下げてモドリッチ、カマヴィンガを続けて投入。再び攻撃のギアを上げてゴールを奪いに行く。

しかし、この試合でヴィニシウスに比肩する輝きを放っていたイエローサブマリンの右ウイングがベルナベウの主役を完全に食う圧巻のプレーを見せた。80分、ボックス手前右でバエナから短いパスを受けたチュクウェゼが一気にスピードアップしてカットインから左足を振り抜くと、これがゴール左上隅の完璧なコースに突き刺さった。

チュクウェゼに圧巻のドブレーテを許して逆転されたマドリーだが直後に決定機。カマヴィンガが果敢な仕掛けでボックス内に抜け出すと、その対応に当たったDFマンディの左腕にボールが当たってPKを獲得する。だが、オンフィールド・レビューの結果、ボールは腕ではなく胸に当たっていたと判定が覆った。

絶好の同点機を逸したマドリーはここからリスクを冒して前に出るが、ビジャレアルの集中した守備に苦戦。流れの中で崩し切れないものの、ボックス付近で続けて得た直接FKでロドリゴ、アセンシオがゴールを狙ったが、最後まで3点目が遠かった。

この結果、ビジャレアルにシーズンダブルを許したマドリーは逆転優勝がさらに遠のくと共に、週明けのチェルシー戦に弾みを付けることができなかった。

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