「優勝しなければ何も意味がない」初の決勝へ浦和・大久保智明、チームを愛するサポーターへ「6万人全員が戦ってくれると思う」

写真：©︎CWS Brains, LTD.

AFCチャンピオンズリーグ(ACL)の決勝を控える浦和レッズのMF大久保智明がメディア対応。意気込みを語った。

浦和は2017年以来3度目のアジア王者を目指し、西地区を勝ち上がったアル・ヒラルと決勝で対戦。2019年には決勝で敗れている相手にリベンジを目指している。

4月29日にアウェイで行われた1stレグでは、13分で先制を許しながらも後半早々に興梠慎三のゴールで同点に。その後は相手の退場などもあり、1-1の引き分けに終わった。

アウェイゴールを記録し、引き分けで戻ってきた浦和は、6日にホームの埼玉スタジアム2002でタイトルをかけて対戦。大観衆が集まることが予想されている。

初のACL決勝に臨む大久保。1stレグについては「事前の情報、2019年の印象もある中で、1戦目の立ち上がりというか、相手をリスペクトしすぎて入りが慎重になってしまいました」と語り、「大舞台の決勝が初めてで、緊張したこともあり、全体的にいつもよりは入りが固かったかなという印象です」と緊張感があったことを認めた。

ただ、「試合が進むにつれてやれる、意外とできると感じることが多くて、チーム全体としてボールを持てる時間もありましたし、ラッキーな形で追いつきましたが、手応えもありました」と、内容にも手応えを感じているとした。

この試合では徐々に攻撃のタクトを振るうことになった大久保。「ボランチの脇、後ろのところが空くというのはスカウティングの映像でもありました。とにかくJリーグのチームに比べて多くスペースが広がっている中で、得点シーンもそうですが、その前にも興梠選手にパスが引っ掛かってしまいましたがその場面が作れたので、そこは狙い所でした」とコメント。「第2戦はラストパスをしっかり通せるようにしたいと思います」と、狙い所は見えていると語った。

優勝に向けて大事なことについては「相手は得点をとりにくるのがありますが、僕らも点を取りに行く姿勢を見せることが大事です」と、守りに入らずにゴールを目指すとコメント。「ホームアドバンテージがあるので、最初の勢い、入りで一発ガツンといって、先制点にもこだわって取れれば、あとは埼スタが勝たせてくれると思います」と、サポーターの後押しを受けるにも先手を取りたいとした。また「0-0というのは考えていないですし、僕自身は点を取ってというところを考えています。しっかり圧倒したいです」と、ホームでしっかり勝って優勝を掴みたいとした。

大久保は浦和が前回決勝で敗れた2019年は特別指定選手だった。クラブとACLについては「2007年優勝して、2017年優勝してというのがありますが、2019年に完封負けしたということが、今回リベンジと言っているのもありますし、そこがすごくみんなの印象に残っていると思います」と、悪い印象のままだとコメント。「僕も2019年は観に行っていて、アル・ヒラルに対して負けてしまったことがACLで印象深いので、今回リベンジして塗り替えていきたいですし、アジア王者になることは僕自身のサッカー人生にとっても、2017年のメンバーは今でもわかりますし、そのメンバーの一員になることは大事。準優勝だと何も残らないので、優勝して歴史に名を残したいと思います」と優勝への強い意気込みを語った。

3度目のACL制覇には浦和には力強いサポーターがいる。ホームでの決勝について「2019年を観に行った時に感動したというか、この中でプレーできたら幸せだろうと思っていた中で、2日後3日後にそうなれることはとてもワクワクします」とコメント。「アウェイでも5万人入っていましたが、レッズのサポーター5万人とは訳が違うなと」と、アル・ヒラルのサポーターは多かったが、迫力はなかったとし「お祭りに来た感覚が多いサポーターが多いイメージでしたが、埼スタでは6万人全員が戦ってくれると思うので、期待しています」と、大声援の後押しを求めた。

また、ACL直前の川崎フロンターレ戦後には大きなエールがサポーターから送られた。「フロンターレ戦の後、バス囲みはとても感動したし、レッズのサポーターの皆さんは浦和レッズに命を懸けているというか、それぐらいの気持ちを感じました」とコメント。「自分として第1戦勝ちたいと思っていました」と気合いが入ったという。

さらに「サポーターの数はアル・ヒラルの方が多かったですが、浦和レッズのサポーターの皆さんは全員が戦っていました」と語り、「相手は失点したら大人しくなったり、ボールを持たれた時は盛り上がらないということがありますが、得点した時も失点してしまった時も常に声を出してくれて、いつも力になっています」と、声での後押しに感謝。「第3節のセレッソ戦も、岩尾選手がオウンゴールしてしまった中、ゴール裏の人たちが「大丈夫、大丈夫」と声をかけてくれたことを全員が感じていて、素晴らしいと思いますし、期待に応えなければいけないと思ってプレーしています」と、いつもの後押しに改めて感謝した。

大久保は初のACL決勝だが、同じく初の決勝を戦う酒井宏樹の言動が印象に残っているとした。

「ACL決勝自体は酒井選手も初めてだと思いますが、W杯などを経験している人と話して、いつもより1.5倍勇気を持ってプレーすればなんでもできると言われて、そうだなと思いました」

「強気で仕掛けたからこそ抜けることができたと思うので、いつもより1.5倍勇気を出すということは印象に残っています。第2戦もメンタルで上回ることを意識したいと思います」

メディア対応の最後には、改めてファン・サポーターへのメッセージを送った。

「1戦目は1-1で良い形で終わったと思いますが、僕自身は優勝しなければ何も意味がないと思っているので、勝ちに行きますし、6万人全員で戦えば優勝できると思うので、よろしくお願いします」