首位神戸がJ1初制覇へ前進! 大迫PK弾&武藤ヘディング弾で2位横浜FMに完勝、残り5戦で勝ち点差「4」に!【明治安田J1第29節】
超ワールドサッカー / 2023年9月29日 21時12分
29日、明治安田生命J1リーグ第29節の横浜F・マリノスvsヴィッセル神戸が日産スタジアムで行われ、0-2で神戸が勝利した。
2位・横浜FMが勝ち点「1」差で追う首位・神戸をホームに迎え撃った頂上決戦。前回対戦(第9節)はホームの神戸が2点を先行も、横浜FMがアンデルソン・ロペスの2ゴールなどで2-3と大逆転勝利を収めている。
両チームとも今節含め残り6試合。横浜FMはアンデルソン・ロペス、ヤン・マテウス、エウベルのブラジル人トリオが3トップを形成し、トップ下には西村。ベンチには水沼、宮市、吉尾、ナム・テヒと1点が欲しい状況で駒となり得る選手が揃う。
対する神戸は齊藤を長期離脱で欠くなか、汰木がベンチ外、井出は出場停止。飯野が大迫&武藤と3トップを形成し、ベンチにはジェアン・パトリッキとフアン・マタというジョーカーを置く。2人は1点が欲しい状況で入ってくるだろう。
立ち上がりは神戸がポゼッション。吉田監督が試合前に「良い守備から」と語った通り、前線からのプレッシャーを常に意識し、攻撃では3トップ右でタッチライン際に張る飯野も積極的に使っていき、大迫との連携がカギを握ることとなる。
ファーストチャンスは横浜FM。7分、エウベルが左サイドからカットインしてシュートを放つと、ブロックされてこぼれたボールに右サイドバック松原が反応して右足シュート。枠へ飛ばせずも、さっそく松原が中央に絞って攻撃参加する。
さらに13分、ヤン・マテウスのスルーパスに抜け出した西村がボックス右の角度のない位置から右足シュート。大きく振りかぶってファーサイドへ流れたボールをエウベルが折り返すも、今度はゴール前で合わせる選手がいなかった。
ここまでシュートのない神戸だが、20分に左CKの流れから武藤が横浜FMのエドゥアルドにボックス内で足を蹴られ、VARが介入した末にPKを獲得。キッカー大迫が落ち着いてゴール右隅に沈め、敵地に乗り込んだ首位チームが先制する。
神戸は今季のリーグ戦17試合で先制し14勝2分け1敗と80%超えの勝率。ただ、唯一逆転されて敗れたのが横浜FM戦とあってか、大迫の今季20ゴール目が生まれても攻撃の手を緩めず。横浜FM相手の1点リードはあって無いようなものだ。
すると25分、酒井の右サイドからのクロスをファーで佐々木が折り返し、ゴール前で待ち構えた武藤がヘディングシュート。クロスバーを弾いて直後に副審の旗も上がったが、早い時間帯での追加点に向けて気概を感じさせる。
崩しのアイデアが豊富な横浜FMもギアを上げたことで押し込まれる場面の増えた神戸だが、リーグ2番目に少ない25失点のチームは最終局面でアンデルソン・ロペスら強力アタッカーを阻止。こう着した展開へ持ち込むことも、今季の神戸は苦にしない。
粘り強い守備が功を奏した神戸はセットプレーから追加点。42分、初瀬の右CKに武藤がヘディングで合わせると、横浜FMのGK一森は身体の動きと逆方向へ飛んだボールに反応できず、ゆっくりとゴール右隅へ吸い込まれた。
2点ビハインドとなり苦しくなった横浜FM。ヤン・マテウスとエウベルの両ワイドは時折鋭いドリブル突破からチャンスを演出するが、最大の得点源であるアンデルソン・ロペスにはなかなか良い形でボールを渡せず、時計の針だけが進んでいく。
神戸はさほど大きなピンチもないまま試合を進めていた61分、今季リーグ戦全試合スタメンの初瀬がイエローカードを提示され、累積警告で次節出場停止に。その初瀬は70分、脳震とうによりマテウス・トゥーレルとの交代を余儀なくされた。
横浜FMは71分、左サイドに流れてカットインしたアンデルソン・ロペスがフィニッシュまで持ち込み、ボックス内でルーズボールを拾ったところで横浜FMの扇原に倒される。だが、VARチェックの結果、ファウルなしとしてPK獲得とはならなかった。
74分にはエウベルを下げて宮市、永戸を下げて吉尾を投入。それでも打開の糸口を見出せない時間が続くと81分、ボランチの渡辺を下げて水沼をピッチへ送り込む。
70分過ぎから自陣で守り続けていた神戸は83分、カウンターから久しぶりに前進し、最後は駆け上がった山口がボックス手前から十八番の強烈ミドル。ゴール左隅を狙ってミートも威力も完璧だったが、GK一森に間一髪でセーブされた。
神戸はこれをキッカケに少しずつ陣地を回復。フィニッシュまでは持ち込めずとも、横浜FMの攻撃時間を削っていく。87分には扇原を下げてバーリント・ヴェーチェイを投入し、試合の締めくくり作業に移行する。
結局、横浜FMを90分間封じ込めた神戸が0-2で勝利し2連勝。横浜FMとの勝ち点差を「4」まで広げることに成功し、悲願のJ1初制覇に向けてまた一歩前進した。
敗れた横浜FMは攻守両面で歯車が噛み合わず。前節の鹿島アントラーズ戦は逆転勝利したが、不振から脱却できていないことを如実に表す完敗となった。
横浜F・マリノス 0-2 ヴィッセル神戸
【神戸】
大迫勇也(前23)
武藤嘉紀(前42)
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