「サッカーに携わる人間として幸せな思い」新年初戦で5発快勝で9連勝達成、森保一監督はチャレンジとコンディション調整を行った選手たちを称える「敬意を表したい」
超ワールドサッカー / 2024年1月1日 22時25分
日本代表の森保一監督が、元日に行われた記念すべき試合を振り返った。
1日、『TOYO TIRES CUP 2024』が行われ、日本代表は国立競技場でタイ代表と対戦した。
ヨーロッパのリーグ戦も行われている中、フルメンバーではなかった日本は前半は攻めあぐねることに。それでも後半に堂安律(フライブルク)、中村敬斗(スタッド・ランス)を投入すると、チームは活性化。終わってみれば5ゴールを奪っての快勝となった。
史上初となる元日の日本代表戦。森保監督は試合後の記者会見で、素晴らしい日に試合ができたことを振り返ると共に、タイ代表は難しい相手だったと振り返った。
「元日から国立競技場にたくさんのサポーターの皆さんに来ていただき、テレビやいろいろなメディアを通して我々の試合を観ていただいたみなさんの応援に感謝を述べたいと思います。スタジアムの雰囲気作りであったり、色々な方々注目してくださることは、選手にとって大きなチャレンジをする雰囲気を作ってくださったのでありがたかったなと思います」
「私自身は、この元日に国歌を歌い、日本人である喜びであったり、誇りを感じながら、この国際試合に挑めたことは、1人のサッカーに携わる人間として幸せな思いでいました。選手たちもこの元日にこの国立競技場で多くの皆さんに注目をいただきながらプレーできることを喜びと感じて、勝利を応援してくださっている方々に届けること、自分たちがチャレンジする姿を見ていただいて今年1年頑張ろうという気持ちになっていただければということで、選手たちも色々なチャレンジをしてくれたと思います」
「試合に関しては、そう簡単に崩せる相手ではなかったですが、選手たちが前向きに攻撃をしてくれましたが、最初はなかなかこじ開けることができませんでした。しつこく粘り強く何回も攻撃を仕掛けることで最後はゴールを奪い取ろうということを前向きにゴールにプレーしてくれたことが5得点に繋がったと思います」
「練習からいわば急造チームで、簡単にスムーズに機能するのは難しいと思っていましたが、選手たちはピッチ内外でチームがやるべきことと、お互いの良さを出すためのコミュニケーションを取ってくれたことが試合の勝利に繋がったと思います」
前半はDF藤井陽也(名古屋グランパス)、MF伊藤涼太郎(シント=トロイデン)、MF奥抜侃志(ニュルンベルク)と3人が日本代表デビュー。主軸はMF伊東純也(スタッド・ランス)のみという陣容で臨み、ゴールに迫るシーンを何度か作るもゴールレスで終えていた。
しかし、後半に一挙5ゴール。森保監督はゴールを重ねられたことを喜びながら、前半から続けていたプレーのおかげだと振り返った。
「後半に5得点という結果に繋がったところで、後半だけのチャレンジだけではなく、前半から選手たちがゴールに向かってプレーする、ゴールを奪うということを意識してプレーを続けたことが、後半の相手の疲労・疲弊を生んで、我々がゴールを奪うことができたと思います。チャレンジを重ねることで、お互いがやるべきこと、チームとしてやるべきことがよりスムーズに後半に繋がったと思います」
「前半から、もっというとトレーニングからチャレンジをし続けようという選手たちの姿勢が、後半の5ゴールの流れを掴むキッカケになったと思います」
その中でチームを活性化させたのは「10番」を背負う堂安。トップ下で起用されると、その後右サイドでもプレー。攻撃を見事に機能させた同案についてはチームを連動させるプレーを見せたと評価した。
「前半で(伊藤)涼太郎と(奥抜)侃志が、初代表の中で自分の良さを出すという部分と、チームのために献身的に戦うという部分を併せ持って、相手に立ち向かったこと、ゴールに向かってプレーしてくれたことが後半への良い繋ぎになったと思います」
「堂安はチームではサイドのポジションでプレーすることが多いですが、トップ下に入ってくれて、ゴールに向かうプレーと起点となるプレーを前半の流れを受けて、自分の良さを出しながら相手に圧力をかけていくというところをチームで連携・連動する流れを掴み取れるプレーをしてくれたと思います」
一方で前半の攻撃面については「前半は得点だけ見ると0-0で攻めあぐねているという部分が出ているとは思いますが、相手も力のあるチームですし、粘り強く戦ってきたので、そう簡単にはいかないかなと思っていました」と、タイに対して難しくなることは想定済みだったという。
「そこで得点を奪えなかったですし、形としてはまだまだミスも散見されましたが、トレーニングからコーチたちが攻撃の形、守備の形ということで、良い落とし込みを選手たちにしてくれたことで、選手個々の役割とチームで戦うということをやり続けることに繋がったと思います」と、結果には繋がらなかったものの、チームとして取り組んでいることは良かったとし「トレーニングでやったことを繰り返しやることで、我々のスムーズな連携連動に繋がっていったと思いますし、得点に繋がったと思っています」と、後半に繋がる形となったとした。
また守備についても「(高い位置で奪うことは)簡単ではないので、机上で考えることは簡単ですが、相手も上手いですし、何度か選手たちがより高い位置で奪うということにトライしながらも外される部分もあったので、簡単ではないと思って見ていました。両方ともあるという点では、良いスイッチと追い方をすればボールを奪えたかなというところはおっしゃる通り何度かあったと思いますし、さらに上げていければと思います」と語り、良い部分と足りない部分のどちらもあると答えた。
ただ、「ボールを奪えないまでも、そこで間伸びしてスペースを与えて、相手の攻撃の回数を増やさせてしまって、我々のペースが乱れるということがなかったことは、選手たちが我慢強くという部分を持ち合わせて、修正に繋げてくれたところは評価したいです」と、カウンターで押し込まれたり、ボールロストからピンチを招くことがなかったことは評価した。
「さらにより高い位置でボールを奪えるようにということは、相手を見ながらトライしていきたいと思いますし、アジアカップで勝って行こうとした時、世界でトップトップの相手に勝とうとした場合は、より我慢強く守備をしながら、ボールを奪いに行けることを磨いていかなければいけないと思います」と語り、目指すところに行くには、まだ足りないものがあると振り返っている。
そして、今回のチームではコンディションにバラつきがかなりあった。ヨーロッパ組は、2週間前までリーグ戦を戦っており、Jリーグ組は1カ月ほどオフを過ごしているという状況だった。
森保監督は選手のコンディション調整について「コンディションは非常に作るのが難しかったゲームでした」と語り、「これは選手たちが素晴らしいなということを知っていただければと思います」と、選手個々の調整を称えた。
「今回は敢えて練習の期間を短くしました。Jリーグ勢をもう少し長く招集させていただいて、コンディションを上げながら最後にヨーロッパ組と合流して4日、5日を使うということも当初は考えていました」
「ただ、個々でコンディションを上げてもらいながら、28日からこの試合に向けての活動が始まりましたが、28日の日にはゲーム形式のトレーニングをするということを選手たちに伝えている中で、選手たちがそこに合わせてコンディションを作ってきてくれて、この活動に臨んでくれたことが試合の結果に繋がったと思います。選手たちがプロフェッショナルとしてやってきたことに敬意を表したいと思います」
チームとしてコンディション調整の場を作るのではなく、それぞれが調整をして集まっていきなり合わせるという、代表活動ならではの状況を敢えて作り出したという森保監督。この先に控える北中米ワールドカップ予選であれば、ヨーロッパ組が合流して即試合を行うなどのパターンも生まれることがあり、代表経験が浅い選手たちにもしっかりと日頃から調整する経験をさせたようだ。
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