「2強時代を覆したくて」帝京平成を強豪へ押し上げた矢野喬子監督、インカレは早稲田に惜敗も「互いにプライドを持ったゲームだった」
超ワールドサッカー / 2024年1月5日 16時55分
帝京平成大学女子サッカー部の指揮を執る矢野喬子監督が試合後の取材に応じ、内容を振り返ったほか、強豪校の仲間入りを果たした経緯などを語った。
4日、第32回全日本大学女子サッカー選手権大会(女子インカレ)の準決勝2試合が味の素フィールド西が丘で行われ、帝京平成は第2試合で早稲田大学と対戦。拮抗したゲームとなったが、75分にFKから先制を許すと、これが決勝点となり、0-1で敗戦を喫した。
手堅い展開となった一戦だが、矢野監督は「互いにプライドを持ったゲームだった」と、試合を振り返った。
「大きなミスをした方が負けるゲーム、という感じでしたね。お互い集中して、良さを消しながら強みを出そうとしましたが、良さをきちんと消すゲームになったので、見ている方はもしかしたらシュート数が少なかったり、得点がなかなか入らないので、『うーん』と思ったかもしれないですけれど、お互いプライドを持ったゲームだったのではないかと思います」
2011年ドイツ女子ワールドカップ優勝や、2012年ロンドンオリンピック銀メダル獲得を経験している矢野監督は、2016年4月に、創部4年目だった帝京平成大学女子サッカー部の指揮官に就任した。
就任初年度は関東大学女子サッカーリーグ戦(通称:関カレ)で7位、翌年は4位と順位を上げると、2018年には同校を初優勝に導き、2019年には連覇を達成。2021年も再びリーグ制覇を成し遂げた。インカレでも2020年に初優勝を飾り、3位入賞も今大会含めて3度目となる。
どのようにしてチームの構築を進め、帝京平成を強豪校へと押し上げたのかという問いに対しては、「学校側のサポート」と「各スタッフが強みを発揮した」ことを上げ、自身は「特別なことをしたわけではない」と謙遜したが、その手腕は実績が物語っている。
「大学として力を入れていこうとなった時に、学校側のサポートが大きかったことで、私たちは思い切ってできました。それがすごくありがたかった、というのがまず最初にあります」
「チームの作り方に関しては私だけがやるのではなくて、コーチ、スタッフ、もちろん選手を含めてそれぞれの役割があって、全員が自分の良さ、強みを発揮しながら組織を作り上げていきました。『こうしなさい』と、引っ張り上げたというよりは、それぞれがそれぞれで活躍していく中で、組織が作られていったのかなと。なので、特別なことをしたわけではなく、各々の良さを発揮してもらって、それを形にしていきました」
就任の動機については「日体大さんと早稲田さんの2強時代を覆したくて(監督を)やらせてもらった」とのこと。矢野監督が帝京平成に就任する2015年までは、日本体育大学か早稲田大学かという力関係で、関カレの29回中23回、インカレの24回中20回の優勝(2011年神奈川大学との同校優勝含む)を両校で分け合っていた。
その牙城を崩そうと発起したため、必然「集めた子たちも『日体・早稲田を崩そうよ、帝京平成っていう名前を出そうよ』と声をかけて集まってくれた選手たち」で、関係者全員が強い野心を持っていたと想像できる。
現在は関東大学女子サッカー全体のレベルが向上し、昨年は東洋大学がリーグとインカレでそれぞれ初優勝。今年は山梨学院大学がリーグ初制覇を達成し、インカレも2大会連続の決勝へ駒を進めた。
今大会でインカレ初出場となった十文字学園女子大学はベスト8入りと健闘し、昨季3位と初の入賞を果たした日本大学は、今季皇后杯にも初出場し、初勝利も挙げている。
群雄割拠となった点に関して、矢野監督は「そう(2強を覆そうと)思った他のチームさんもあったのではないでしょうか」との見解を示すとともに、関東のチームが船頭に立ち、「他の地方も引き上げたい」と、大学女子サッカー全体を牽引したいと述べた。
「本当に関東は熾烈で、個々の成長においても鍛えられるものは違います。そういう大学が(前を)走ることで他の地方も引き上げたいと感じますし、それが関東の大学の役割なのではないかとも思ってます」
帝京平成は今年度の大学関連の大会こそ終えたが、6日にスタートする関東女子サッカーリーグ・参入トーナメントに千葉県代表として臨む。
また、6日のインカレ決勝では、悲願の初優勝を狙う山梨学院と、2年ぶり8回目の戴冠を目指す早稲田が激突。新興チームが名門に挑むこちらの戦いも、熱い一戦となりそうだ。
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