「さよならを言う時が来た」リバプール退任のクロップ監督、ラストマッチを前にファンへ別れのレター「永遠に心に残る思い出を作った」
超ワールドサッカー / 2024年5月19日 15時10分
リバプールのユルゲン・クロップ監督が、ファンに向けて感謝と別れを告げた。
クロップ監督は今年1月、9シーズンにわたって率いてきたリバプールを今季限りで退任すると発表。これまでチャンピオンズリーグ(CL)やプレミアリーグ、クラブ・ワールドカップ(CWC)など数多くのタイトルを獲得してきた名将のリバプールでの旅は、19日に行われるプレミアリーグ最終節のウォルバーハンプトン戦で終えることになる。
リバプールを長く続いた低迷から救い出した手腕はもちろん、そのカリスマ性や人柄で多くのファンを魅了してきたクロップ監督。残念ながらシーズン終盤の失速でプレミアリーグのタイトル争いからは脱落し、すでにリーグ3位が確定しているものの、最終節のアンフィールドでは別れを惜しむファンからの大声援が起こるのは間違いない。
そんな中、クロップ監督は地元紙であるイギリス『リバプール・エコー』で、リバプールの人々に向けたレターを公開。街への愛情とファンへの感謝を、あふれる想いと共に綴っている。
「エコーの読者の皆さん。リバプールに来るまで、私は新聞社に手紙を書いたことはなかった。それが今、私はリバプール・エコー紙に向けて2通目となる手紙を書いている。いくつかのことを、読者のあなたに伝えたいからね」
「(手紙を書いた理由の)一つ目は、私がもう『そういう年』になったのだということ。2つ目は、この街で大きな役割を果たしている新聞だということ。3つ目は、この新聞が私にとって、この街に住むできるだけ多くの人たちと話すための素晴らしい手段だということだ」
「とはいえ、最も大きな理由は、私がさよならを言う時が来たということだ。これについてはもはやニュースにならないと承知している。ただそれでも、みんなに伝えることが重要だった」
「私にとって、リバプールは両手を広げてくれる街だ。どこの出身であろうと気にせず、息子のように迎えてくれる場所。そして、私にそんな素晴らしい特権を許してくれたことについては、これほど誇らしい出来事はない」
「こんなにも歓迎してくれた街に対しては、きちんとした別れの機会が与えられるべきだと思う。今すぐにでも話したいことは山ほどあり、語りたい特別な瞬間もたくさんある。ピッチの内外で、我々は永遠に心に残る思い出を作ったのだ」
「だが、この街とその素晴らしい人々を思うとき、私が心に刻む最大の教訓は、スカウサー(リバプールの人々)の辞書に『諦める』という文字は絶対に載っていないということだ」
「この街の出身者は戦う準備ができているだけでなく、実際に戦いたいと思っている可能性が高い。それだけでなく、どんな状況でも団結して立ち向かう姿は、たとえ不利な状況でも勝利は可能だと理解しているんだ。私はそんな彼らが、言葉では言い表せないくらい好きだよ」
「だからこそ、私にとって最も誇らしい瞬間のひとつは、リバプールで自由を与えられたことだ。街の指導者たちは、黒い森からやってきた私にまるで仲間であるかのように話しかけてくれ、その栄誉を授けてくれた。これは私の人生における最大の特権の一つだ」
「成功の瞬間を人々と分かち合うことは、どのクラブにいても特別だ。だが、リバプールはそれをまったく新しいレベルに引き上げてくれたよ。2022年に起こった大きな失望(CL決勝での敗北)の翌日がそうであり、さらに特別なものになった」
「そして、私はここがフットボールの街であることも大好きさ。リバプールのどこに行っても、誰と話しても、人々はフットボールの話をしたがる。ただのおしゃべりではない。一言一言に、情熱とフットボールへの愛がこもっているんだ」
「もちろん、私はレッドサイド(リバプール)の人間で、これからもそうであり続けるだろう。だが、ブルーサイド(エバートン)にも同じことが言えると私は経験から知っている。マージー川の近くに住んでいれば、人々にこうした影響を与えるのは明らかだ」
「明日は、私がリバプールの監督を務める最後の機会だ。再びサポーターに誇れるような試合をしたいと思うが、一緒に過ごした時間を思い出す機会でもあるだろうね」
「私にとってこれらの思い出はすべて、ここで過ごした時間に対する愛、感謝と共にやってくるだろう。リバプールは我々が住み、働いた街であると同時に、恋に落ちた場所でもある。多くの恩があるんだ」
「今の私に残されているのは、みんなの未来に幸多かれと祈ることだけだ。リバプールはそれに値する。あなた方はそれに値するのだ。ありがとう。すべてに感謝している。ありがとう」
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