「一番しっくりくるゲーム」圧勝で首位返り咲きの町田、FC東京&東京Vとの戦いに「この2チームには絶対に負けないという気概を持つことに意味がある」
超ワールドサッカー / 2024年5月19日 23時5分
FC町田ゼルビアの黒田剛監督が、東京ヴェルディとの“東京クラシック”を振り返った。
19日、明治安田J1リーグ第15節で町田はホームに東京Vを迎えた。
昨シーズンは共にJ2を戦っていた両クラブ。初のJ1となる町田は首位と勝ち点で並ぶ2位につけており、16年ぶりのJ1となった東京Vは、現在11戦無敗中という状況だった。
共に悪くないシーズンスタートとなった中で迎えたこの戦いは意外な展開となる。
序盤から町田が押し込むと、11分に鋭い崩しから最後はオウンゴールで町田が先制。さらに29分にはロングボールを警戒した中で短いスローインから鈴木準弥が右サイドからクロス。これに藤尾翔太がダイビングヘッドで合わせて追加点を奪う。
前半を2点リードで終えた町田はVARチェックの結果60分にPKを獲得。これを藤尾がしっかりと決めて3点目。80分にはロングスローのクリアボールを柴戸海がダイレクトボレーで叩き込み4点目。後半アディショナルタイムには下田北斗の弾丸ミドルはGkマテウスがセーブも、エリキがヘディングで詰めてダメ押し。5-0で東京Vを一蹴した。
試合後、記者会見に臨んだ黒田監督はゴール数ほどに差はなかったと言及。ただ、自分たちがやるべきことをやり抜いた結果が勝利につながったとし、今季1番の出来だったと振り返った。
「東京ダービー、共にJ1に上がった参戦組として、お互いにプライドを持って、魂と魂がぶつかり合うということが大枠の勝負所でした」
「選手たちの気迫というものが前半からしっかりでていたなと。球際、インターセプトなども含め、かなりボールを中盤で奪い、攻撃に転じることができました。意図する我々のサッカーをしっかりと遂行してくれたなと思います」
「実際には点差ほどの差はないと思います。凄く我々にうまく試合が回ってくれ、PKを含めて、選手たちも切り替え早く、冷静にしっかりと局面局面で対応してくれたと思います」
「運良く入ったシュートもあれば、しっかりと崩し切って入ったシュートもあります。これこそが町田のゲームスタイルで、チームがやるべきことが浸透してきた瞬間だと思います」
「我々は日常を変えることが春先からの我々のテーマでしたが、日常の強度、我々の24時間365日というものをしっかりとマネジメントしていくこと、自らコントロールしていくこと、しっかり自分たちのサッカーと向き合いながら生活することをやっていくと、1カ月、3カ月というところで必ず上昇気流に乗る瞬間があるということで選手たちにも言っていました」
「まさにそんな感じで、ブレなく、無駄なく我々のサッカーを志向できたことは、そういった気流に乗りつつあるのかなという印象です」
「この15節の中でも一番しっくりくるゲームだったと思いますし、見ている方にも大きな感動を与えられたゲームだったと思います。鹿島戦のルヴァンを挟んで浦和となりますが、切れることなく、しっかりと日常を高めながら、日々精進しながら次のゲームに臨みたいと思います」
指揮官も手応えをしっかりと感じた勝利。この試合ではロングスローを警戒する相手を出し抜くゴール、そしてロングスローを生かしたゴールと翻弄した。
「ロングスロー対策を相手が講じてきている中で、何処に隙が生まれるのかということはしっかり我々も研究して、対策を講じていきました」
「ターゲットに対してどういうマーキングをするのか、それともゾーンなのか。またはショートに対するマーキングあるのかないのか、あることで何処が空くのかどうかを分析しながら、やっています」
「ロング、ロングということを意識すればするほど、ショートやクイックでやることにも引っかかる要素が出てきますので、そこも含めてサッカーの色々な駆け引きの1つでもあると思います」
「鈴木準弥から入ったボールも素晴らしかったですし、色々なバリエーションを駆使しながらやっていくことが効果的なことだと思います」
2点目はロングスローを警戒する東京Vに対し、近くへとボールを渡し、リターンを受けた鈴木がフリーでクロスを入れて藤尾が見事に合わせた。
「(藤尾が)入るポイントは全て決めていますので、彼がチームに決めたところにしっかり入ったというところです。ただ、彼は後ろから前から頭1つ出すことが得意です。第2節のグランパス戦でのゴールもそうでしたが、彼の持ち味ということは泥臭さ、貪欲さがこういったゲームでも生きたと思います」
チームの良さが出ての大勝。東京3クラブの戦いでは、町田が連勝で一歩抜き出ている。黒田監督は、J1を戦い続けたFC東京、創成期から日本サッカーを支えたきた東京Vを上回ることに価値があるとした。
「意識するなといっても意識してしまう関係性です。J1で長く君臨してきたFC東京というのは、人気もあり実力もあるチームです」
「東京ヴェルディというのは老舗であり、古くから色々なファン層を掴んで、この地域に根付いてきたチームです」
「ただ、町田は少年サッカーでは昔からあるチームで、Jリーグにはなかったけれでも歴史がしっかりあるチーム。そういった関係性はあると思います」
「ただ、町田市民、ファン・サポーターの想いが、しっかりとJ1まで運ばせてくれました。今上位でいること、首位であることよりも、東京3チームの中でトップを取ること、この2チームには絶対に負けないという気概を持つことの方が、我々にとっては意味のあることだと思っています」
「そういう働きかけを選手たちにしながら試合に入ったことを選手たちも感じて、しっかりと自分たちで気持ちを全面に出して戦ってくれたと思います」
昨シーズンはJ2で圧倒的な強さを見せて昇格し、今シーズンは初のJ1で多くの意見を受けながらも結果を残し続けて首位に返り咲いた町田。より警戒されることは高まるだろうが、どんな戦いの残りのシーズンでも見せるのか注目だ。
【動画】ロングスローの流れから柴戸海が決めた衝撃の弾丸ボレー!
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
渦中の町田へ「すべてが悪とするのは違う」 “ボール水かけ疑惑”に代表OBが持論【見解】
FOOTBALL ZONE / 2024年7月3日 7時30分
-
「あれでまだ8割。恐ろしい」 首位ターンの町田、主将・昌子が脱帽した“頼もしい切り札”は?
FOOTBALL ZONE / 2024年6月24日 7時30分
-
ひとり歩きした二文字…黒田監督が放ったメッセージの意味を深掘り 「正義」はコンセプトの象徴【コラム】
FOOTBALL ZONE / 2024年6月21日 15時20分
-
町田の「蹴るサッカー」はネガティブではない “色気を出さない”がゆえの「無駄」の徹底削除【前園真聖コラム】
FOOTBALL ZONE / 2024年6月19日 11時10分
-
J1首位・町田は「チェルシーみたい」 名将が席捲した当時との“類似点”を元日本代表DFが指摘
FOOTBALL ZONE / 2024年6月16日 13時20分
ランキング
-
1元横綱・白鵬の宮城野親方、“部屋再興計画”が崩壊危機 弟子4人が新たに引退し、序ノ口まで番付を落とした炎鵬は年寄株が襲名できない崖っぷち
NEWSポストセブン / 2024年7月8日 16時15分
-
2ラグビー仏代表FB、人種差別発言でチームから追放
AFPBB News / 2024年7月8日 12時21分
-
3ド軍・ベッツ 今季2度目の“解説”大谷翔平の英語力や自身の自宅に戦略的に鏡を置いている理由を明かす
スポニチアネックス / 2024年7月8日 8時29分
-
4「死の組すぎる」「ただの魔境」 男子バスケ五輪でA組に戦慄、日本のB組は「比較的マシかも…」
THE ANSWER / 2024年7月8日 14時3分
-
5フェルナンド・マルティネスが井岡一翔に判定勝ち WBO・田中恒成、WBCロドリゲスとの新たな統一戦に「可能性がある」
スポーツ報知 / 2024年7月7日 22時36分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)