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ブライトン率いる31歳の青年指揮官、チームビルディングのキーワードは“一体感”と“努力”「勝利する文化を強めたい」

超ワールドサッカー / 2024年7月24日 15時40分

写真:©超ワールドサッカー

ブライトン&ホーヴ・アルビオンのファビアン・ヒュルツェラー監督が、ジャパンツアー、そして新シーズンに向けて意気込みを語った。

昨シーズンまでロベルト・デ・ゼルビ監督が指揮していたブライトン。しかし、シーズン終了後に袂を分つことが決定。新たに招へいされたのがヒュルツェラー監督だった。

31歳の青年指揮官はプレミアリーグ史上最年少監督に。若くして現役を退くと、2023-24シーズンはザンクト・パウリを指揮すると、チームは2.ブンデスリーガ(ドイツ2部)で見事に優勝。ブンデスリーガ昇格に導いていた。

大きな期待が寄せられているヒュルツェラー監督は、選手としてもバイエルンの下部組織で育ったが、ケガなどの影響で指導者のキャリアを早期に考えることに。現役時代も指導を行ってきたこともあり、経験は年齢以上にある状況だ。

初めて日本を訪れたブライトンを指揮する中、今回のジャパンツアーについて意気込みを語り、日本の印象も語った。

「今回の試合に関してはとても楽しみにしている。日本の2つの強豪チームと対戦することにワクワクしている。ブライトンのチームが今どういう状態にあるかを確認することになる。我々にとってはプレシーズンのため、なかなか厳しい面もあるかもしれないが、今の状態を確認したい」

「また、素晴らしい日本という国に来たが、少し見ただけだが、日本の伝統と近代的なビルや大学など、素晴らしい融合のある街だと感じた」

31歳ということもあり、チーム内には年上の選手もいる。その中でのリーダーシップについては「私は権威主義ではない。アイデアの力を信じており、その力で選手を説得していきたい。年上の選手、経験が積んだ選手がチームにはたくさんいるが、それはチームにとって有利な点だと思っている。彼らの経験、アイデアを活用し、チームとしてより向上できるように導いていくことが重要だと思っている」と、アイデアを持ってチームを率いたいとコメント。「ただ、最終的な判断、決定権を持つのは私だ。上から目線ではいけないが、彼らのアイデアを吸い取りながら生かし、チームとして努力をしていきたいと思う」と、同じ目線でチームを構築したいとした。

また、日本代表MF三笘薫についても言及。「彼は違いを作り出すことができる選手だ。たった1つのアクション、ドリブル、シュートにおいて試合の展開をガラリと変える選手だと思っている。彼がさらに向上できるように、必要なサポートをチームとしても十分に与えていきたいと思う」とコメント。「今週は彼にとって特別な1週間になると思う。チームとしては与えられるものを全て与えたいし、振り返った時に彼にとって本当に特別な1週間であったとなってもらいたいと思う」と、母国へ帰還した三笘に良い経験になってもらいたいとした。

グレアム・ポッター、ロベルト・デ・ゼルビと個性的な2人の指揮官の下で結果を残してきたブライトンだが、ヒュルツェラー監督は継続しながらも、勝者のメンタリティを植え付けていきたいとし、そのためには“努力”が必要だとした。

「チームとしては十分に価値観を持っている。そのバリューを継続しつつ、勝利する文化を強めていきたいと思っている。そのためには上手くいっていない部分を打破していく。トレーニングもどんどんと強化をして違う考え方を入れ、勝つための文化を植え付ける。ただ、そのためには努力が必要だ」

「チームとしても選手個人としても欠かせない。選手の努力はピッチ上だけではなく、ピッチ外でも必要となる」

日本は現在酷暑が続いており、日本人でも苦しいほど。ヨーロッパから来た選手たちにとっては過酷すぎる環境と言える。

ヒュルツェラー監督は「日本はブライトンとはだいぶ気候が違う。ただ、我々にとって気候は選べない。選択肢がないので、適応するしかない」とコメント。「もちろんイングランドやブライトンとは全く気候が違うが、そういうものにチーム全体で苦労して出来るだけ良いパフォーマンスを見せていく。プレシーズンのためまだまだ準備中だ。その中で、暑いということを言い訳にはできない。選手に最高のパフォーマンスを求めるし、一緒に苦労して、求めていきたい」と、弱音を吐くのではなく、チームとして共に乗り越えていきたいとした。

そのチームの中で、多くの面で中心となるのが元イングランド代表MFジェームズ・ミルナーだ。38歳になったミルナーは監督よりも7つも年上。プレミアリーグでは634試合に出場するベテランだが、精力的なプレーとユーティリティ性は今なお衰えを見せない。

ヒュルツェラー監督はミルナーについて「信じられないほど素晴らしいキャラクターだと感じている。彼はこれまで成功を収めてきたし、チームのメンバーにとってはロールモデルでもある。トレーニングのやり方、パフォーマンス、トレーニングの後での復習など、他の選手が学ぶべきことが多々ある」と、頼りになる存在であるとコメント。「そしてあの年齢であの肉体を維持していることは信じられない。私がまだ経験していない未知の経験を彼はたくさんしている。色々なことに対して意見を聞いている」と、驚きを持って接しているとし、多くを学べる相手だともした。

さらに「彼は偉大なるリーダーでもあり、チーム全体のリーダーとして能力を発揮してくれている。ロールモデルはピッチ外でも発揮してもらいたい。リーダーとしても優れているが、選手としてもスキルやランニング、ハードワーク、何よりもコミュニケーション能力が高い。チーム全体をリーダーとして率いてもらいつつ、選手としても活躍してもらいたい」と、選手としてもまだまだ期待できると称賛の言葉を送った。

シーズン開幕へ1カ月を切った中で、重要な調整の場となるこのジャパンツアー。チームとして見せたいものについては「一体感」だと語り、チーム作りの軸が見える答えとなった。

「カギとなるというのは“Always together”、一体感だ。苦労すること、この気候や移動で苦労することも一緒、気候に順応するのも一緒、長いセッション、ハードなセッションでも一緒に苦しみ、一緒に努力するということだ」

「鹿島は非常に強い相手と認識している。シーズン途中ではあるが、得点数は2位だと聞いている。攻撃が強いとなると、我々はチームとしてコンパクトに一体感を持って守らなければいけない」

「スタッフや広報、メディアなどずっと一緒に全員でいるため、一体感となって今週だけでなく、シーズン全体を“一体感”をキーワードに乗り越えたい」

“一体感”という言葉を使ったヒュルツェラー監督。チーム全体で、全てのことを乗り越え、全てを分かち合い、1つの大きなファミリーになることを目指しているのだろう。良い時も悪い時も、一緒だということ。チームビルディングに長けているという評価がされているが、それが垣間見える答えだ。

そのヒュルツェラー監督は、若い子供たちに向けてのメッセージを求められ、現代社会の問題についても言及。その中で、自分の子供時代から失われつつものがあると言及した。

「私もまだ若いとは思っているが…笑。私の若い時代はまだまだ選択肢がなかったと思っている。選択肢というのは、スマートフォンやSNSがなかったということ。今の選手たちは自由時間の過ごし方で色々なことができてしまう」

「また、テクノロジーの進化があり、ソーシャルメディアをやる、スマートフォンをいじるという時間の使い方をしている子供たちも多いと思う。我々の時代は子供は時間があれば外に飛び出てストリートサッカーをしていた。私はそういう時代を懐かしく思ってしまう」

「そこで重要だったのは競い合うということ。競争というものが、今の子供たちの中にはあまり見られなくなってきていると感じている。子供らしさということを考えたときは、私が子供の頃は4vs4や5vs5でストリートサッカーの試合をし、勝ったチームが残り、次のチームがやってきて戦うというのを楽しんでいた。試合というよりは、競争心、競い合うということが大事だったと思う。今の子供たちにもやってもらいたい」

一体感をカギに、努力を求め、そして競争心を欲する指揮官。31歳のヒュルツェラー監督が率いるブライトンは、成熟していけば、今シーズンのプレミアリーグで面白い存在になりそうだ。

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