戦争の最前線からパリ五輪へ…U-23ウクライナ代表のヴェレテン「人生の真の価値を知った」
超ワールドサッカー / 2024年8月4日 16時15分
パリ五輪サッカー男子のU-23ウクライナ代表には、戦争の最前線を経験した選手が名を連ねた。ウクライナ『24』が伝える。
五輪初出場のU-23ウクライナ代表は、グループB・3位で惜しくも敗退。同組首位通過でのちにベスト4入りも勝ち取ったモロッコには2-1と勝利したが、1勝2敗であと一歩及ばなかった。
ウクライナ1部のコロス・コヴァリフカ(本拠地キーウ)に所属するFWウラジスラフ・ヴェレテン(21)は、B組第3節のアルゼンチン戦で1点を追う後半途中から大会初出場。敗れはしたが、キャリアで初めて国際舞台に立った。
実はヴェレテン、ロシアによる母国への侵攻が始まった2022年2月24日から、当時19歳でウクライナ国防軍入り。今大会のU-23チームで唯一、従軍経験をしたフットボーラーだ。
フランスから帰国後、『24』の取材で「侵攻初日から地上防衛の任務についたよ。最初はキーウで、次は東部へ。そこからクラマトルスク(※)に送られた」と自身の戦争を語る。
(※)ウクライナ東部ドネツク州の都市でロシアとの国境までは100kmほど
「8カ月くらい戦争の前線にいて、うち2カ月は“最前線”。戦争とは一体なんなのか、説明がなくともよくわかる経験をした」
『24』によると、戦争によるウクライナ人アスリートの死者は、2024年7月時点で「487」人。ロシア軍はウクライナ国内で500以上のスポーツインフラ施設を破壊したそうだ。
国際大会で優勝・入賞経験があるようなアスリートも武器を手に取り、国土と自国民の防衛へ。ヴェレテンのように競技復帰できていない者も多数いる。
戦争の最前線を経験したヴェレテンは自らが「人生の真の価値を知った」と締め括った。
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