ブレずに今季初3連勝飾った東京Vの城福監督「我々のやり方を研ぎ澄ますということを貫いてきたこの1カ月」
超ワールドサッカー / 2024年9月14日 23時33分
東京ヴェルディの城福浩監督が今シーズン初の3連勝を誇った。
東京Vは14日、大和ハウスプレミストドームで行われた明治安田J1リーグ第30節の北海道コンサドーレ札幌戦を0-2で勝利した。
鹿島アントラーズ、柏レイソルを連破して約3カ月ぶりとなる今季3度目の連勝を達成した昇格組は直近3連勝で最下位を脱出した絶好調の19位チーム相手に3度目の正直での3連勝を狙った。
前回対戦は5-3の激しい打ち合いとなっただけに戦前はオープンな展開も予想されたが、前半はミラーゲーム特有の堅い展開に。東京Vは当初のプラン通り、ボランチを消しながら相手のセンターバックにボールを持たせながら[5-4-1]の堅固なブロックを組んで応対。要所での強度の高いハイプレスも仕掛けつつ、守備は狙い通りに機能。
ただ、攻撃ではピッチ状態の影響や前回対戦で機能した背後への長いボールを意識するあまり停滞。前半終盤はより自陣の深い位置まで侵攻され、最低限の0-0もやや劣勢で試合を折り返した。
後半も立ち上がりは守勢に回ったが、守護神マテウスの好守などで凌ぐと、54分にFW山見大登の背後への飛び出しからの折り返しが生んだゴール前の混戦を制したMF山田楓喜のゴールで先制に成功。以降はフィジカルに優れる外国人アタッカー2人にDF岡村大八を前線に上げたホームチームのパワープレーを撥ね返すと、再三の決定機を逃した中で後半ラストプレーではMFチアゴ・アウベスに待望の加入後初ゴールが生まれ、2-0の勝利を収めた。
試合後の会見で城福監督は、敵地でしたたかに勝ち切った一戦を総括。前半終盤やリード後の劣勢の状況で冷静に耐え切ったソリッドな守備、途中出場の選手で奪い切った2点目を含め、心身ともに頼もしくなってきた選手たちを称えた。
「前半少しボールを持たれることが多かったですけど、最終ラインのところではタイトな守備ができていましたし、決定的なシーンというのは作らせなかった。ここをゼロで抑えられたことが大きかったかなと思います」
「後半になれば、よりオープンな展開になるというのはわかっていましたし、そうすれば我々が積み上げてきた走力というか、ボールに絡んでいくコンビネーションを含めてここを発揮できると思っていたので、そこはうまく出せたなと」
「トドメを刺す2点目を取れたと思うシーンがいくつかあった中で、1-0のまま最終盤まで推移するというのは非常に難しい展開だったと思いますけれど、選手はあそこで飲み込まれることなく足を止めずに、最後また何人もボールに絡んで2点目を取れた、トドメを刺せたということは、このチームの走り切るというところを少し具現化できた。進歩できたところかなと思います」
また、MF松村優太、FW染野唯月をベンチサイドで準備させていた状況で、奇しくも交代予定の山見、山田楓の2人の連携で奪った先制点に関しては「交代のタイミングが遅れてよかった」と正直な思いを語っている。
ここまで連敗が1度と、リバウンドメンタリティに定評がある一方、2連勝が最高と爆発力に欠ける印象もあったが、3度目の正直でついに3連勝を達成。指揮官はその結果自体を評価しているが、それ以上に手応えを感じながらも3戦連続無得点で2敗1分けの生みの苦しみを乗り越えたプロセスに価値を見いだす。
「(最初の2連勝時は)引き分けで、その次が負けという形でした。今回は直前の試合で連敗し、その後の引き分けで2敗1分けの状態からこの3連勝になりましたが、内容そのものに手応えはありました。なので、我々が大事にしなければいけないのはやり方を変えないということ。我々らしくしっかりアンカーを使って、辛抱強く展開していくこと。前半に粘り強い守備をすること。これを続ければ必ず勝ち点は我々のものになってくると思っていたので、変えるというよりも我々のやり方を研ぎ澄ますということを貫いてきた、この1カ月でした」
「彼らがよくそれをやり通してくれたなということ。もうひとつはご承知のように、このチームはレンタルの選手が相当多くて、彼らが試合に出ているようなチーム状況なので、当たり前ですけれど彼らが(契約上の問題で)試合に出られない試合がある。そこで勝ち点を積み上げてきたことで、さらに競争力が高まってきたというところはプラスに働いているかなというふうに思います」
システムやメンバーは入れ替えながらも、“ハイインテンシティ”、“出し切ってバトンを繋ぐ”というチームコンセプトを徹底するブレない指揮官の下、日々の強度の高いトレーニングを通して着実にスキルアップする若きチームは、ここにきて勝つためのしたたかさや勝負の際を制する力を身につけており、シーズン終盤の戦いに向けてさらなる躍進も期待されるところだ。
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