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毎日試合がある…/原ゆみこのマドリッド

超ワールドサッカー / 2024年9月17日 23時30分

写真:©Real Madrid

「いや、とても行けない」そんな風に私が嘆いていたのは月曜日、今週開幕する新バージョンCLの初戦でレアル・マドリーと当たったシュツットガルトが昨今の習慣に反して、夕方から、サンティアゴ・ベルナベウで練習すると知った時のことでした。いやあ、9月の各国代表戦週間のparon(パロン/リーガの停止期間)がようやく終わり、先週末は5節が開催されたんですけどね。恐ろしいことに、そこからミッドウィークも試合漬けになっていて、今週、マドリッド勢がプレーしないのは金曜だけしかないんですよ。これって、もしや、ハードスケジュールに苦しむのは選手たちだけではない?

まあ、本来なら、CL開催週に忙しくしているのは兄貴分のマドリーとアトレティコだけなんですけどね。それがどうしてこうなったかはおいおい、話していくことにして、先に再開リーガの結果をお伝えしていくことにすると。金曜にトップバッターを切ったのは1部返り咲き弟分のレガネスで、ベニト・ビジャマリンでベティスと対戦。代表戦週間直前、ベルナベウではエムバペの2本のゴールで割と簡単に負けていた相手ですしね。17位とまだエンジンがかかっていないようだったため、新参者のレガネスでも何とかなるかもという淡い夢は、前半を0-0で終えて、ちょっと濃くなったかに見えたものの…。

ええ、後半になるとベティスの攻勢が強まり、それでも何とか、耐えていたボルハ・ヒメネス監督のチームだったんですけどね。29分にアブデに先制点を挙げられると、41分にもアブデのシュートをGKソリアーノが弾いたボールをバルサからレンタルで来たビクトル・ルケに決められ、最後は2-0で負けてしまうことに。8月末の移籍市場クローズぎりぎりに駆け込みレンタル加入をしたFWハラー(ドルトムントから移籍)もフル出場し、ヘッドでゴールを入れていたんですが、オフサイドで認められなかったのが返す返すも残念でしたっけ。

そんなレガネスには今週、兄貴分並のハードスケジュールが待っていて、いやもう、今季もマドリッド勢にはEL出場組がいないため、私もこれには意表を突かれたんですけどね。CL同様、新バージョンになった今季のELはCLと同じ週にプレーせず、開幕が1週間遅れ。要は来週のミッドウィーク開催の7節がEL初戦と被るため、この木曜にはブタルケでのアスレティック戦が先取り開催されることになったんですよ。そうなると、ベティス戦とは中5日ですから、別にいいんですが、その後、中2日で日曜にお隣さん、ヘタフェのコリセウムに乗り込む弟分ダービーが控えているのは辛いかも。

一方、土曜の部ではまず、そのヘタフェが奇しくもベティスのお隣さん、セビージャとサンチェス・ピスファンで相まみえたんですが、いやあ、本当にいつになったら、エースのボルハ・マジョラルは戻って来るんですかね。そう、彼は昨季損傷したヒザの半月板の負傷が完治しながら、まだいい感触を得られず。やはり夏のマドリー・アメリカツアーでのネンザが尾を引いているアルバロ・ロドリゲス(RMカスティージャからレンタル)と共々、今回もお留守番となったため、ボルダラス監督は5試合連続でボランチのウチェ(RFEF1部/実質3部のセウタから移籍)をCFに立てて、挑んだところ…。

うーん、ウチェもゴール間近のシュートを失敗してしまうなど、絶好機がなかった訳ではないんですけどね。結局、前半22分にヘスス・ナバスに決められた1点を最後まで返せず、ヘタフェは1-0で敗戦。いやまあ、ここまで白星がなく、降格圏に沈んでいたセビージャですし、残り3分にはファンルが退場に。虎の子の1点を守るため、「Ha habido momentos en los que no había balones/ア・アビードー・モメントス・エン・ロス・ケ・ノー・アビア・バロネス(ボールがピッチにない時間もあった)」(ボルダラス監督)という光景もあったそうなんですけどね。

といっても期待できる最善がスコアレスドローの状態が続いているヘタフェでは、1点を取られた時点でほぼ、負けは確定していて、開幕からの無敗記録も3引分けで終わってしまったんですが、彼らにも今週は追加の試練が水曜に到来。ええ、ミッドウィーク開催だった3節にコンフェレンスリーグ予選プレーオフ2ndレグがあったため、延期されていたベティス戦が入るからですが、奇しくもこちらもアウェイ戦。お隣さんの敵を取ってくれたら嬉しいものの、日曜の弟分ダービーの方を重視して、スタメンローテーションもありうるかと。

一方、土曜の夜の時間帯にはマドリーがサン・セバスティアン(スペイン北部のビーチリゾート都市)でレアル・ソシエダと対戦したんですが、いやあ、ブラジル代表、フランス代表をそれぞれ早退してきたミリトンとメンデイは何とか、間に合ったにも関わらず、威勢のいいイマノル監督のチームに開始から、かなり押され気味でねえ。おまけにこの日も彼らの負傷禍は止まらず、前半24分には、モロッコ代表での2得点が効いたか、スタメンに抜擢されたブライムが交代を要請。ローテーションでベンチスタートとなったロドリゴと早々に代わることになったんですが、何とこの日、マドリーの一番の味方はゴール枠だったんですよ。

そう、守備ミスから前半、スシッチとベッカーが撃ったシュートがバーやポストに当たり、「Tuvimos suelte con los palos, pero esto tambien ayuda(トゥビモス・スエルテ・コン・ロス・パロス、ペロ・エスト・タンビエン・アジュダ(ゴール枠にツキがあったけど、そういうのも助けになる))」とGKクルトワも認めていたように、試合が0-0のままで折り返したのはほぼ奇跡と言っていいかと。更に再開直後、再びスシッチの一撃がポストに嫌われた後、ようやく彼らが得点できたのは後半13分のこと。これもキッカケは相手のミスで、やはりトルコ代表での活躍を買われ、この日、中盤でスタメンに入ったギュレルがエリア外から、シュートを撃ったところ、そのボールをセルヒオ・ゴメスが手でブロックするとはこれ如何に。

ハンドでPKをもらったマドリーはビニシウスが決めて、先制点ゲットとなったんですが、その直後、当人が試合開始から、pito(ピト/ブーイング)を浴びせていたレアル・アレーナの観客に静かにしろと言わんばかりの指を唇の上で立てるポーズ。おかげでますます反感を買ったなんてこともありましたが、これにはW杯予選で低空飛行を続けるブラジル代表で散々、批判されてきたばかりの当人の鬱憤晴らし的な意味合いもあった?

え、代表で批判されてきたのはエムバペも同じじゃないのかって?いやあ、フランス代表は彼が先発したイタリア戦で惨敗し、控えだったベルギー戦では、彼が途中出場する前の2点でチームは勝利と実際、夏のユーロ同様、あまり貢献できなったようなんですけどね。よって、こちらのゴールもこの日は30分、エリア内でビニシウスがアランブルに足を踏まれ、VAR(ビデオ審判)のモニターチェックでPKが確定した後、キッカーローテーションで挙げたものだったのも不思議はなかったかと。

ええ、試合後はアンチェロッテイ監督も「Ha sido un partido complicado y posiblemente no merecimos ganar/ア・シードー・ウン・パルティードー・コンプリカードー・イ・ポシブレメンテ・ノー・メレシモス・ガナール(難しい試合で、ウチは勝利に値しなかったかもしれない)」と認めていたんですけどね。マドリーが0-2で白星を持って帰れたのは、一重にサディクを筆頭に久保建英選手も含め、ソシエダ前線の決定力不足のおかげだったのは否めず。ええ、スペイン代表セルビア戦で足首をネンザして早退したオジャルサバルも超特急リハビリでベンチ入りしたものの、出場には至りませんでしたからね。

何はともあれ、翌日曜にジローナに1-4のgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)で勝った首位バルサに勝ち点4の差を広げられずに済んだことに感謝して、今はマドリーも火曜午後9時(日本時間翌午前4時)に迫ったCL開幕シュツットガルト戦の準備に専念するしかない?それでも朗報はあって、この試合ではソシエダ戦に同行しなかったベリンガムとチュアメニが復帰。スタメンになるかはともかく、ベルナベウのピッチに立てそうだというのは、ファンにも安心材料になるかと。そう、何せ、月曜にはブライムのケガが全治3ケ月の重傷だったことが判明していましたからね。

そのソシエダ戦中、昨季、靭帯断裂したヒザを気にする素振りを見せていたミリトンにも異常がないとわかり、アンチェロッテイ監督も少しは気が軽くなったんじゃないかと思いますが、一応、カルハバルにもCBの練習をさせているとは念の入った限り。まあ、CLはまさにマドリーの大会ですし、相手も常連という訳ではないため、そんなに心配することはないはずですが…早いところ、エムバペとビニシウスにはPK以外でもゴールが入るようになってもらいたいものです。

そしてアトレティコはというと、日曜にメトロポリターノにバレンシアを迎えたんですが、相手は最下位。しかもこの試合にはウーゴ・ドゥーロがケガで、強姦容疑のラファ・ミールも隔離処分中と、FW不足のバラハ監督のチームが専守防衛一方だったのを利用して、序盤から内弁慶ぶりを思う存分、発揮していたんですけどね。どうもここ3試合程、セルロート(ビジャレアルから移籍)がモラタ症候群に陥ってしまったようで、得意のヘッドは外すわ、GKママルダシビリとの1対1も弾かれるわ、そのボールが回って戻ってきたところを狙ったvolea(ボレア/ボレーシュート)など、大外れもいいところ。

おかげで最初は元気に応援していたファンも徐々に静まりかえることになったんですが、大丈夫。39分、この日も何度か、敵に向けてパスを放ち、フランス代表2戦目は10分程しかプレーしてなくても疲れているのかと思わせたグリーズマンが敵エリアと平行に送ったボールから、デ・パウルがモスケラの股間を通す名人技スルーパスを発動。それでギャラガー(チェルシーから移籍)が得点してくれるとは、随分、お役立ちの新人じゃないですか。

まさに今回のイングランドの代表戦で出場機会がまったくなかったという、悔しい思いをアトレティコでの初ゴールに変えてくれたのは何よりでしたが、シメオネ監督のチームは後半9分にも2点目をゲット。そう、今季は開幕から2試合連続でゴールを決めながら、デ・ラ・フエンテ監督のお眼鏡に叶わず、9月のスペイン代表に招集されなかったジョレンンテが趣向を変えて、今度はクロスの達人を目指すことにしたんでしょうかね。右側から彼が上げたボールをサムエル・リノがヘッドで落としたところ、グリーズマンが久々に見せてくれたはしっこさで飛びつき、ゴールに押し込んでくれたから、どんなに場内が盛り上がったことか。

ええ、早々と2点差になったおかげで、シメオネ監督も16分には代表で2試合プレーしてきたセルロートとデ・パウルをコレアとフリアン・アルバレスに、22分にはリノをリケルメに、32分にはグリーズマンとアスピリクエタをジュリアーノとレイニウドへと、木曜午後9時のCLライプツィヒ戦に備えて、温存することができましたからね。バレンシアは終盤、ようやくティエリが初めて枠内シュートを放つなど、ほとんどGKオブラクの守るゴールに近づいて来なかったため、4分のロスタイムが表示される頃には今季は開幕から、午後9時以降スタートの試合ばかり続いているのに食傷していたファンもかなりの数が早帰りを始めていたんですが…。

はい、彼らはロスタイム4分、リケルメがエリア内左奥に持ち込んだボールを折り返し、GKママルダシビリの胸に当たって逸れたところをフリアン・アルバレスがシュート。待望のアトレティコ初ゴールを挙げるのを見損ねちゃったんですよ。いやあ、4節まで無得点だったせいで、これまでアトレティコの高額移籍では7000万ユーロ(約110億円)のレマル(今季はまだ個別調整中)しかり、1億2500万ユーロ(約196億円)のジョアン・フェリックス(チェルシーに移籍)しかり、とても成功とは言えなかったトラウマがあるため、私もちょっと不安になっていたんですけどね。アルゼンチン代表のチリ戦でgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)を挙げたのも良かったか、これが「Ojalá sea el primero de muchos/オハラ・セア・エル・プリメーロ・デ・ムーチョス(沢山のうちの最初の1つであるように)」(シメオネ監督)となってくれることを祈るばかりかと。

おかげで3-0と快勝したアトレティコは心置きなく、CLの準備に専念できるようになったんですが、とにかくここ3週間は週末、ミッドウィークの連勤が続きますからね。筋肉痛をこじらせたバリオスがいないこの期間、中盤が手薄になるのが心配と言えば、心配なものの、そこは頼もしいギャラガーも入ったことですし、当面、ボランチはコケやデ・パウルに頑張ってもらうしかないかと。ちなみにお隣さん同様、勝ち点差4でリーガ2位群を維持しているアトレティコの週末リーガは日曜に、こちらもラージョとの兄弟分ダービー。

実は私も月曜夜には5節のトリを飾ったラージョvsオサスナ戦を見に行ってきたんですが、コロンビア代表の試合でゴールを挙げてきたハメス・ロドリゲスがとうとう、出場OKになったことに後押しされたんでしょうかね。まあ、そのハメスはベンチスタートで、しかもまた、ブカネーロス(ラージョのウルトラグループ)が平日開催に抗議だか何だかで12分までスタンドに入って来ず。それまでまったく応援がなかったのも選手たちの士気を削いだのか、27分には空から落ちて来たボールをラウール・ガルシアにコントロールされ、先制打を浴びてしまうんですから、困ったもんじゃないですか。

実際、ラージョはカメージョが何本シュートを撃っても全然、決まらなかったせいで、0-1でハーフタイムに入った時には3連敗の恐れもあったんですけどね。それが後半はガラリと変わり、いえ、何より後半5分に伏兵CBムミンのゴールバーに当たって入る弾丸シュートで早々に同点に追いついたのがまさに僥倖。これで勢いに乗ったラージョはオサスナを押し込み、21分には右SBのラティウがエリア外から逆転ゴールをゲットとはまったく、驚かせてくれるじゃないですか。

おかげでハメスのデビューは残り3分まで待たされることになったんですが、いやあ。彼が何かをする前に、ロスタイム4分にはカウンターで敵エリア前までドリブルで上がったウナイ・ロペスが3点目を決めているって、もしやラージョはFWが得点せずとも勝てる極意をこの代表戦週間中に会得した?そのまま3-1で終わったため、ハメスも当人初めての「Vida de pirata/ビダ・デ・ピラータ(海賊人生)」」をファンと歌う、バジェカス名物のお祝いを体験できることになったんですが、これはアトレティコも油断はできないかも。というのもラージョだけがマドリッド勢でこのミッドウィーク、ゆっくり休めるため、木曜にCLのあるアトレティコの体力減退が懸念されるからですが…まあ、それはまた、6節が近くなってから、考えることにしましょうか。

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