J昇格プレーオフ準決勝は行くか迷った週末/六川亨の日本サッカーの歩み
超ワールドサッカー / 2024年11月25日 22時30分
先週末は国立競技場での天皇杯決勝、G大阪対神戸戦と、翌24日はJ3最終戦の沼津対松本の試合を取材した。
天皇杯決勝は、両チームとも守備の固いチームらしい持ち味を存分に発揮した。相手のストロングポイントを抑える「緊迫した前半」という言い方もできれば、「リスクを排除したカップ戦の決勝にふさわしい前半」と言えたかもしれない。ただ、個人的にG大阪は最大のストロングポイントである宇佐美貴史を欠いていたし、神戸も大迫勇也がコンディション不良から復帰間もないこともあって、「これは延長戦に突入か」と思った盛り上がりに欠ける前半でもあった。
試合は後半に吉田孝行監督が左インサイドハーフに佐々木大樹を送り出して前線のタレントを増やしたことで、ワンチャンスを生かして2度目の天皇杯覇者となった。いつものように試合の展開をノートに記したが(アナログ人間のため)、それより両監督のコメントの方に紙数を費やした試合でもあった。
そして翌日は愛鷹広域運動公園での沼津対松本戦である。すでに結果は出ていて、松本が4位で昇格プレーオフはホームに5位の福島を迎え撃つ。そして6位のFC大阪は3位の富山へ乗り込むことになった。
試合前の順位は3位まで決定していた。そして最終戦で残り3チームの順位が決まるという展開。面白かったのは、記者席で隣同士となった松本市出身の旧知のライターの取材計画である。
前半を終えて松本は0-0のままだったのに対し、FC大阪は1-0、福島は2-0でリードいている。このままだと4位はFC大阪、5位が福島となり、松本は6位に転落する。12月1日の昇格プレーオフ準決勝、松本の相手は3位の富山になる。すると件のライターいわく「11月30日のJ1は新潟対G大阪を取材して、翌日に富山へ移動するのが効率的かな」とポツリ。
ところが、後半途中に八戸が1点を返してFC大阪が同点に追いつかれ、福島が3点目を奪って岩手を突き放す。その時点での暫定順位は福島が4位と逆転し、同勝点ながら得失点差でFC大阪が6位に転落。5位浮上の松本の相手は富山から福島に変わる。
するとライターは、「新潟からなら磐越線で福島に行く方法もあるのでは。あるいは30日は柏対神戸戦にして、その日のうちに柏から上野駅に戻って福島入りする方法もあるかもしれない」と“あの手この手”を目の前の試合を取材しながらプランを練っている。
試合は後半アディショナルタイムの決勝点で松本が勝点を60に伸ばして4位を死守。昇格プレーオフ準決勝はホームのアルウィンで5位に1つ順位を上げた福島を迎え撃つことになった。当然ライターは12月1日に迷うことなく帰省することになったわけだが、試合中は準決勝をどこに行くことになるのか、同じように迷っている松本サポーターも多かったのではないだろうか。
そして松本出身のライターだけでなく、実は僕自身も12月1日はどこに取材に行くか迷っていた。J1昇格プレーオフ準決勝では長崎がホームに仙台を迎える。今年完成したばかりの長崎スタジアムシティはピッチとスタンドが近く、ホテルやアミューズメント施設を併設するなど「チェルシービレッジ」を模したと言われているだけに、一度は、それもなるべく早く行ってみたスタジアムだった。松本がホームゲームの開催権を獲得できなければ、富山か福島に行くか、それとも長崎にするか。こればかりは試合が終わらなければ判断のしようがなかった。
ところが松本は準決勝をホームで開催できる権利を獲得した。アウェーの沼津戦でも2500人のサポーターが応援に駆けつけたように、松本のサポーターの熱気は凄まじいものがある、加えて松本の霜田正浩監督、長崎の高木琢也CROは現役時代から取材してきただけに個人的な思い入れも少なくない。
どちらも捨てがたい試合だが、福島はなかなかの好チームだけに、いまのところ12月1日はアルウィンに行く予定でいる。長崎へ行く機会は今後も増えることを期待して……。
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