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NTTドコモとアクアフュージョン、スマート水産業分野で業務提携

週刊BCN+ / 2021年3月10日 16時27分

NTTドコモとアクアフュージョン、スマート水産業分野で業務提携

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 NTTドコモとアクアフュージョンは3月8日、超音波式水中可視化技術を活用した魚体長や魚体重、養殖魚個体数の自動計測機能を有するICTサービスの開発により、新たな養殖管理モデルを確立することを目的に業務提携した。

 養殖業では、効率的な養殖魚の生産管理のために、魚体長と魚体重測定、養殖魚個体数の把握が重要となる。魚体長と魚体重測定については、今までは漁業者がタモ網で生け簀から養殖魚を数匹取り出し、それを1匹ずつ計測器で測定していた。しかし、物理的な接触により養殖魚がへい死したり、サンプルで抽出した養殖魚の成長にバラツキがあるため、正確な成長過程を把握できないという課題があった。また、養殖魚個体数の把握については、人力による作業では限界があり、実際の個体数と誤差が生じることで、出荷予定数の見込みが正しく立てられず、養殖経営が不安定となる原因となっている。

 そこで両社は、NTTドコモが「鯖やグループ」と実施している養殖サバの実証実験フィールドで、アクアフュージョンが保有する超音波式水中可視化技術を活用して、非接触でサバの魚体長測定の検証を昨年10月から行っており、今回、生簀内を泳ぐサバの魚体長の平均値を高い精度で測定することに成功した。今後は、AIの活用により、魚体長から魚体重を推定する検証を行う。

 超音波式水中可視化技術は、高頻度で送信される超音波の反応を自動解析し、魚であるかを識別する技術。世界で初めてCDMA方式を水中超音波に採用しており、1秒間に40回以上の超音波送信を実現した。従来の魚群探知機の100倍の分解能をもち、養殖生け簀のような魚が密集した状態でも、魚1匹1匹の個体を識別できる。また、超音波を使用することで、夜間や海中が混濁していても計測することが可能で、計測環境に依存しないことが大きな特徴となっている。

 今回の業務提携では、アクアフュージョンが提供予定の魚体長測定サービス「MagicMonitor(仮)」と生け簀内の水質測定データや作業日誌などのデータを一元管理できるNTTドコモの「養殖管理クラウド」のシステム連携の開発に着手する。これにより、養殖管理クラウドの機能として正確な成長過程を把握することができ、作業効率化や給餌量最適化など付加価値の高い養殖向けICTサービスの提供が可能となる。

 また、サバだけでなく、ブリやカンパチなどの魚種でも魚体長と魚体重測定の実証実験を行い、商用化を目指す。加えて、養殖魚の個体数を自動計測するサービスについても、今後、実証を行っていく。

 NTTドコモとアクアフュージョンは、今後も養殖業のICT化にチャレンジし続け、日本の水産業発展に寄与していく考え。

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