アクティファイ 対応環境を拡大したLinux用バックアップソフト CentOS開発終了の動きにも対応
週刊BCN+ / 2021年5月20日 9時0分
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アクティファイ(蒋冠成代表取締役CEO、旧社名:ネットジャパン)は4月、Linux用バックアップソフト「ActiveImage Protector 2018 Linux Edition」の最新バージョンとなる「Update 8」をリリースした。CentOSの代替OSとして期待が寄せられている「AlmaLinux」を正式サポートするなど、対応ディストリビューションを拡大したのが特徴。
ActiveImage Protectorはアクティファイの独自開発によるバックアップソフト。Linux EditionはLinuxサーバー向けの製品で、物理環境、仮想環境の両方に対応する。ハードディスクを丸ごとバックアップする、イメージングバックアップと呼ばれる方式のツールで、障害発生時はイメージファイルからシステム全体を復元することができるほか、イメージファイルを利用して仮想マシンを直接起動することも可能となっているので、運用停止時間を最小限に抑えられる。
また、ディスク上で未使用のセクターをバックアップしない「スマートセクターバックアップ」や、昨今エンタープライズ向けバックアップ製品に対して要求が高まっている重複排除圧縮機能を搭載しており、保存先のストレージ消費量を削減できる。
今回のUpdate 8では、Linuxの対応ディストリビューション拡大が最大のポイントとなっている。企業で最も標準的に使われているRed Hat Enterprise Linux(RHEL)に関しては、7.x系列の最新版であるバージョン7.9および、8.x系列の最新版となるバージョン8.3に正式対応した。同じく、無償OS「CentOS」でもバージョン7.9および8.3に正式対応している。
CentOSはRHELでオープンソースとして公開されている部分のコードを元に構築されており、RHELと互換性の高いディストリビューションとして人気が高いが、昨年12月、開発プロジェクトのCentOS ProjectはCentOSの開発を2021年末で終了する方針を発表しており、無償OSの有力な選択肢が一つ失われることになった。
そこで、CentOSの後継として利用されることを想定したいくつかの新たなディストリビューションが生まれているが、中でも有力な候補とされているのが、米CloudLinuxが開発している「AlmaLinux」だ。
同社はRHELベースのOS開発の経験が長く、AlmaLinuxはCentOSと同様にRHELとの互換性が高いほか、CentOS 8.3からの移行ツールも用意されている。
ActiveImage Protectorでは、このAlmaLinuxをいち早く正式サポートした。既存ユーザーのCentOSからAlmaLinuxへの移行や、これからAlmaLinuxを活用して新たなソリューションを構築しようとするベンダーの動きに対応する。
加えて、Update 8ではMIRACLE LINUX、SUSE Linux Enterprise Server/Desktop、OpenSUSE、Oracle Linuxも新たにサポートした。ディストリビューションが多彩なLinuxはサポートの難度やコストが高いため、アクティファイでは、Linuxにおける対応環境の幅広さを他社製品に対する差別化要素として訴求していきたい考えだ。
バックアップ機能にも強化を加え、従来対応していたMySQLデータベース、サイボウズ ガルーンだけでなく、Oracleデータベースのオンラインバックアップに対応したほか、Linux標準の仮想化機能であるKVMの仮想マシンも無停止でバックアップが可能になった。サービスの継続性が要求される環境でも、サービスを止めずにデータを保護することができる。
そのほか、従来のユーザーからは運用のしやすさも評価されているという。対話式のインストーラーが付属しており、最小限のパラメーターを入力するだけで導入作業が完了するほか、インストール後はGUIの操作にも対応しているため、Windows環境に慣れた担当者でも日常の運用を簡便に行える。
アクティファイでは、従前からLinux環境へのニーズが高い金融機関や研究機関などのユーザーに向けて販売を強化していく。また、例えば汎用サーバーとLinuxを組み合わせることでコストパフォーマンスの高いファイルサーバーを実現できるように、Linuxを用いることで独自の付加価値を加えることが可能なことから、Linuxの取り扱いノウハウを持つSIerへの提案も行っていくとしている。価格は1バックアップ対象マシンあたり13万1900円(税別)。(日高 彰)
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