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日立製作所、サントリー新工場でIoT基盤を構築、工場経営のDXなどに貢献

週刊BCN+ / 2021年6月2日 10時10分

日立製作所、サントリー新工場でIoT基盤を構築、工場経営のDXなどに貢献

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 日立製作所はサントリー食品インターナショナルの新工場「サントリー天然水 北アルプス信濃の森工場」向けに、トレーサビリティの高度化や工場経営・働き方のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するIoT基盤を構築した。新工場は長野県大町市で5月31日に稼働を開始した。日立のLumadaソリューションを活用し、工場全体の生産設備・機器に加え、調達、製造、品質管理、出荷などのITシステムからもさまざまなデータを高速に収集・統合。それぞれのデータを紐づけ、アプリケーションで活用する「次世代型ファクトリーモデル」を目指す。

 新工場では、高頻度で発生する生産データを「Hitachi Digital Supply Chain/IoT」を用いて高速かつ安定的に収集・伝送し、それらのデータをデータ統合・分析基盤「Hitachi IoT-Platform for industry」で統合。生産現場視点でのデータ分析や最適化に必要なデータの抽出・紐づけとアプリでの利用を容易にした。従来は工程・ライン単位でデータを集約・利活用する個別最適にとどまっていたが、IoT基盤の活用によって工場全体の最適化が可能となり、工場経営を高度化するという。

 高度なトレーサビリティシステムも搭載しており、商品1本ごとに製造・検査履歴情報と品質情報をリンクさせて統合管理できるようになった。消費者からの問い合わせに対し、迅速な情報照会や説明対応を実現するほか、生産設備や機器に軽微なエラーが生じた際も即座に製造・検査履歴を追跡して影響範囲を特定し、商品の品質を確かめられるという。蓄積したデータを分析することで、エラー原因の特定もより速やかになり、恒常的な品質改善にもつなげられる。

 IoT基盤は働き方改革にも効果を発揮する。これまでの工場では、報告書作成や問い合わせ対応に使用するデータの収集・加工など、人手に頼ったルーチン業務が多く残っていたが、新工場では生産設備・機器やITシステムからのデータを基に、必要な情報をダッシュボード上で見える化・分析できるアプリを導入した。これにより、人手に頼っていたデータ収集・加工のルーチン業務をデジタル化・自動化し、リモートワーク推進と業務効率向上を両立可能になるとしている。

 サントリー食品インターナショナルは、新工場で構築した次世代ファクトリーモデルを、ほかの自社工場へ展開することも検討している。日立もサントリー側との共創で得た技術やノウハウを生かし、Lumadaの製造業向けソリューションとしてグローバルに事業展開していく考えだ。

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