量子技術による新産業創出協議会 早期の産業化で優位に立つ産業界に広く働きかけて社会実装を推進
週刊BCN+ / 2021年6月24日 9時0分
記事の画像
東芝、日立製作所、NTT、NEC、富士通などITベンダーと、トヨタ自動車や東京海上ホールディングス、みずほフィナンシャルグループなどユーザー企業が発起人となり、今年夏に設立予定の「量子技術による新産業創出協議会」では、量子技術の早期の産業化を推進していく。協議会設立に先立って創設された「設立発起人会」会長に就任した東芝の綱川智社長CEOは「量子技術の産業化や社会実装は、世界のどの国も成し遂げていない」とし、日本がその先駆けとなることを目指す。
綱川発起人会長は、「日本の量子技術は世界的に見てもリードしている」と自負しており、協議会の活動を通じてさまざまな業種のユーザーに参加してもらうことで、産業化の面でも世界をリードしていく。電機業界の過去を振り返ると、半導体や液晶など技術的にリードしていたにもかかわらず、産業化のフェーズで他国のライバル企業との競争では逆にリードされる「技術で勝って産業で負ける」苦い経験をしてきた。量子技術では早いタイミングからユーザー企業を巻き込むことで産業化でも優位に立てるようにする。
協議会では、組み合わせ最適化や新薬の探索といった量子計算の分野のみならず、「量子暗号や量子センサー、量子マテリアル、量子デバイス、量子生命など幅広く産業界に働きかけていく」(NTTの篠原弘道会長)と指摘。量子技術を計算分野だけに限定せず、産業化が見いだせそうなあらゆる分野のユーザー企業と積極的に協業していく。東芝の島田太郎上席常務は、「産業化や事業化が見えてくれば投資が引き出しやすくなるし、人材育成の方向性もより具体化してくる」とし、研究開発と産業化を同時並行で推進していくと強調した。
具体的な活動内容は、現時点で有望と思われる量子アルゴリズムごとに部会を設けて、産業化に向けた調査検討を行う。技術革新が激しい分野であることから「部会運営はアジャイル的に行っていく」(島田上席常務)と柔軟性をもって運営していく考えを示した。(安藤章司)
この記事に関連するニュース
-
デロイト トーマツが、創薬分野での量子コンピュータ実用化時期の見極めと早期化に向けて実証を開始、新薬開発の知見を有する中外製薬と連携
Digital PR Platform / 2024年11月19日 14時52分
-
QuemixとSCSKが資本業務提携を締結
PR TIMES / 2024年11月18日 13時15分
-
【東芝エネルギーシステムズ】岩石蓄熱およびエネルギーマネジメント技術を用いたプラントの技術実証を推進するための連携に基本合意
Digital PR Platform / 2024年11月13日 14時12分
-
量子コンピュータベンチャーのQunaSys 総額17億円の資金調達を実施
PR TIMES / 2024年11月2日 11時40分
-
菱洋エレクトロ、AI医療機器協議会に入会
PR TIMES / 2024年10月25日 15時40分
ランキング
-
1【独自】所得減税、富裕層の適用制限案 「103万円の壁」引き上げで
共同通信 / 2024年11月23日 18時57分
-
2昨年上回る規模の経済対策、石破色は一体どこに?【播摩卓士の経済コラム】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月23日 14時0分
-
3副業を探す人が知らない「看板広告」意外な儲け方 病院の看板広告をやけにみかける納得の理由
東洋経済オンライン / 2024年11月23日 19時0分
-
4《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン / 2024年11月23日 16時15分
-
5農協へコネ入社の元プー太郎が高知山奥「道の駅」で年商5億…地元へのふるさと納税額を600万→8億にできた訳
プレジデントオンライン / 2024年11月23日 10時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください