NEC、内視鏡画像解析で大腸病変が腫瘍性の可能性を判定する技術を開発
週刊BCN+ / 2021年7月15日 16時26分
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NECは、大腸がんの早期発見を目指して従来から開発に取り組んでいるAIによる大腸内視鏡画像解析の技術を発展させ、大腸の病変が腫瘍性である可能性を判定する技術を新たに開発し、病変の鑑別を支援する機能としてCEマーキング表示の要件に適合した。AI診断支援医療機器ソフトウェア「WISE VISION Endoscopy」に同機能「Cx20」を搭載し、欧州で販売を開始する。
WISE VISION Endoscopyは、既存の内視鏡機器に接続することで内視鏡検査時に撮影する画像からその場で病変候補部位が腫瘍性である可能性を判定することが可能となり、内視鏡医による病変の鑑別支援と患者の負担軽減に寄与する。
大腸がんは、欧州域内で2番目に患者数が多いがんと言われており、日本国内で最も患者数が多いがんとなっている。大腸がんは、多くが前がん病変(大腸腫瘍性ポリープ)から発生することが明らかになっており、内視鏡検査時に前がん病変の段階で見つけ出し摘除することで、大腸がんへの進行を抑制することができる。
しかし、内視鏡検査の際に内視鏡医による目視確認で病変の腫瘍性/非腫瘍性を鑑別するのは難しいケースがあることを背景として、生体検査(生検)や不要な非腫瘍性病変の切除などを行うことがあり、患者の身体への不必要な負担があることが特に欧州で課題として挙げられる。
NECでは、この課題解決を図るため、今回、内視鏡画像を専門医の所見とあわせてAIに学習させ、大腸の病変が腫瘍性である可能性を判定する技術を新たに開発した。具体的には、内視鏡機器による静止画撮影時に解析を行い、大腸の病変が腫瘍性である可能性が高いとAIが判定した際に「High possibility」、低いと判定した際に「Low possibility」と画面上に表示する。
なお、国立がん研究センターとNECは16年から連携し、大腸の病変が疑われる部位を内視鏡検査中に自動検知する技術を開発。NECは、今年1月に同技術を搭載したソフトウェアの販売を開始した。今回の機能追加によって、WISE VISION Endoscopyは欧州地域で大腸病変の検出支援に加えて病変の鑑別支援を一貫して行うことで医師と患者の負担軽減につなげることを目指す。
開発にあたって、NECのAI技術群「NEC the WISE」の一つであり、米国国立標準技術研究所(NIST)で高い評価を獲得した顔認証技術を応用している。
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