性能と演算量を学習後に調整可能、東芝と理研がスケーラブルAIを開発
週刊BCN+ / 2021年8月23日 17時30分
記事の画像
東芝と理化学研究所(理研)は、学習済みのAIをできるだけ性能を落とさずに演算量が異なるさまざまなシステムに展開することを可能にするスケーラブルAIを開発した。同技術を画像中の被写体分類に用いたところ、演算量を3分の1に削減した場合でも、分類精度の低下を従来のスケーラブルAIの3.9%から2.1%に抑えることができ、世界トップレベルの分類性能を達成したという。
通常、AIエンジンは適用するシステムやサービスごとに求められる演算量や性能に応じて、AIのモデルサイズなどを人が試行錯誤しながら設計・開発する。今回の新技術を導入することで、例えば大規模で高性能な人物検出AIを一度学習すれば、スマートフォンや監視カメラ、無人搬送車(Automatic Guided Vehicle:AGV)といった適用環境ごとの試行錯誤が不要になる。
また、異なる適用先に対してAIエンジンを共通化することが可能となり、AIエンジンの開発に必要なリードタイムの削減や管理の効率化が期待できる。さらに、大規模なAIを学習するときに演算量と性能の関係が明らかになり、適用するプロセッサーの選択などが容易になる。
世界的に知られている一般画像の公開データを用いて、被写体に応じてデータを分類するタスクの精度を評価したところ、同技術によって学習したフルサイズDNNから演算量を2分の1、3分の1、4分の1に削減した場合、分類性能の低下率をそれぞれ1.1%(従来手法2.7%)、2.1%(同3.9%)、3.3%(同5.0%)に抑えることができ、従来のスケーラブルAIとの比較で世界トップレベルの性能を達成した。
東芝と理研では今後、同技術をハードウェアアーキテクチャーに対して最適化することで、さまざまな組み込み機器やエッジデバイスへの適用を進め、実タスクでの有効性の検証を通して、23年までの実用化を目指す。
この記事に関連するニュース
-
【東芝】超伝導量子コンピュータに利用される東芝提案の素子「ダブルトランズモンカプラ」で世界トップレベルの2量子ビットゲート性能を達成 ー量子コンピュータの高性能化を実現し、社会課題の解決に貢献へー
Digital PR Platform / 2024年11月22日 10時5分
-
日本が開発したAIプロセッサーMN-Core 2 Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU
ASCII.jp / 2024年11月18日 12時0分
-
次世代AIアクセラレータIP「ZIA A3000 V2」リリース
PR TIMES / 2024年11月8日 15時15分
-
レシート印字名に基づきJANコードがない商品をAIで自動分類する技術を開発
PR TIMES / 2024年11月7日 12時15分
-
IEEEが最新グローバル調査「2025年のトレンド予測」を発表 AIが2025年の最重要技術と予想する技術者が他分野の2倍に
@Press / 2024年10月31日 14時0分
ランキング
-
1「バナナカレー」だと…? LCCピーチ、5年ぶりに「温かい機内食」提供…メニューは? 「ピーチ機内食の代名詞」も復活
乗りものニュース / 2024年11月24日 12時32分
-
2冬の味覚ハタハタ、海水温上昇で今季の漁獲量は過去最低か…産卵場所に卵ほとんど見つからず
読売新聞 / 2024年11月24日 11時52分
-
3異例の「ケーブル盗難でリフト運休」 スキーシーズン前に 捜査は継続中
乗りものニュース / 2024年11月24日 14時12分
-
4年収壁見直し、企業の9割賛成 撤廃や社保改革要請も
共同通信 / 2024年11月24日 16時22分
-
5「中間管理職を減らしたい」企業の盲点 リストラで起こる、3つのリスクに備えよ
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月24日 8時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください