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現場情報を可視化、日立システムズの「エリア情報サービス」

週刊BCN+ / 2021年9月28日 17時0分

現場情報を可視化、日立システムズの「エリア情報サービス」

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 日立システムズは、IoTを活用して特定地域のセンサー・映像情報をリアルタイムに収集・把握・共有し、現場の情報を可視化させ、地域防災や観光促進など、さまざまなシーンで活用できる「エリア情報サービス」の提供を9月27日に開始した。

 エリア情報サービスは、映像や画像を含む地域の情報をクラウドで一元管理することで、時間や場所を問わず情報の共有が可能となる。災害発生時には、IoT機器から収集した情報の活用や現場の映像や画像をスマートデバイスなどで撮影・登録することで、災害地域全体の状況を迅速に把握することができ、避難所や対策本部など離れた場所にいる職員ともリアルタイムに共有できる。

 クラウドサービスであるため、インターネットに接続可能な端末さえあれば、さまざまな場所・デバイスから情報の登録や確認が可能になる。IoT機器を活用して、各種センサーなどで収集した情報の登録やスマートデバイスなどで撮影した映像・画像などの情報を簡単に登録することができ、災害発生時に状況の早期把握と共有が図れるほか、従来のシステム開発に比べ安価・容易に導入することができる。

 また、災害現場の情報を地図情報と連携して表示することで、対策本部で地域全体での災害状況を視覚的に把握できるため、迅速な意思決定を支援する。さらに、映像や画像を登録する際、文字情報を追加できる「タグ付け機能」を備えており、特定のタグが付いた映像や画像のみを検索することも可能。これにより、同様または関連する災害の映像や画像をすぐに抽出、確認することでき、過去の被災状況との比較も容易に行える。

 ファーストユーザーとして、武蔵野市が今年3月にエリア情報サービスを導入した。これまでは独自の防災情報システムを導入していたが、システムへの入力作業は防災課職員のみに限られていた。さらに、無線や電話、FAXで届けられる情報を防災課職員が取りまとめて行っていたため、災害が同時に広範囲で発生した場合、処理が追いつかない可能性があり、迅速な情報収集や共有が課題となっていた。また、庁舎内に構築されたシステムであるため、災害により庁舎が被害を受けた場合にはシステムが利用できず、災害応急対策や応急措置を実施できなくなる懸念もあった。

 今回、武蔵野市はそれまでの防災情報システムに代わり同サービスを導入し、情報共有作業を効率的に視覚化したことで、災害情報を取得してから共有するまでに最低でも5分かかっていたのが1分以内で済むようになり、約80%の時間短縮となった。また、インターネットに接続可能な端末があれば、職員が現場からリアルタイムにシステムにアクセスし、写真による報告ができるため、正確な情報による意思決定の迅速化を図った。

 同サービスは、地域防災以外の用途でも活用可能。地域や施設に設置されたカメラの映像やGPSによる位置情報など、他の情報と組み合わせることで地域の混雑解消や観光促進、製造現場での部品位置把握・作業の滞留状況改善、物流業での車両の現在地情報や配送地点の登録による効率的な運送計画の立案など、さまざまなシーンで活用できる。

 例えば、カメラ映像から人流・密度の情報を収集し分析することで、特定地域の混雑を緩和する施策の検討が可能。他にも、地域の観光施設や店舗など観光情報を一元管理し、観光客に対してデジタルサイネージなどを通じて各種情報を配信することで、店舗の混雑状況、天気や来訪客の属性に合わせた観光プランを提供できるようになる。

 武蔵野市でも、道路管理課や水道部、公園管理の課(緑のまち推進課)など、防災課以外の地域の現場を管理している他部門でも、地図情報と連携して情報を管理できる点が評価されている。

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