ひび割れ点検を支援、NSWと日本工営が「VIS&TFC」を開発・販売
週刊BCN+ / 2021年10月4日 17時30分
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日本システムウエア(NSW)と日本工営は、東京理科大学小島研究室(理工学部土木工学科 地球環境工学研究室)の特許を利用し、ひび割れ点検支援システム「VIS&TFC(ビスアンドティーエフシー)」を開発した。凸版印刷のグループ会社であるトッパン・コスモを通じて10月1日に販売を開始した。
近年、コンクリート構造物などのインフラ老朽化、それに伴う検査業務の負担増加が課題となっている。コンクリート構造物の点検では、専門知識をもつ土木技術者が近接目視でひび割れを確認し点検データを作成することが一般的で、膨大な時間とコストがかかる。この課題を解決するために、錯視を誘発する画像処理でひび割れを強調表示するシステム「VIS」と、画像の特徴を分類・解釈する「TFCアルゴリズム」の機能を組み合わせたVIS&TFCを開発した。
VIS&TFCは、これまで複数のソフトウェアで行っていた画像鮮鋭化処理をPC画面上で瞬時に行うことが可能。例えば、対象インフラを撮影した映像や画像に強調処理を施し、ひび割れの深さや表面のざらつきの度合を色分け表示することで、技術者の目視判定を支援する。コンクリートのひび割れなどの異常の発見を、迅速に精度よく行うことが可能となり、ヒューマンエラーの低減にもつながる。今後は、現場の検査・点検業務を行う技術者の的確な判断や生産性向上を補助するツールとしての活用を目指している。
主な特徴として、幅0.2mmといった微小なひび割れも強調表示することができる。目視検査の負荷軽減や迅速な検査を可能にする。また、検査現場での静止画や動画のリアルタイム検査と、保存した静止画や動画に対する事後分析の双方を支援する。さらに、電磁波反射率に基づいて、検出したひび割れ領域内やテクスチャ特徴領域内の深さ情報(表面部または深部)を可視化することによって、ひび割れ状態の確認が可能となる。
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