NTTとNTTドコモ、ユーザー追従型メタサーフェス制御の実証に成功
週刊BCN+ / 2021年11月15日 17時0分
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NTTとNTTドコモは、「電波反射方向を制御するメタサーフェス反射板(RIS反射板)」と28GHz帯5G基地局(基地局)を用いて、ユーザーの動きに合わせて基地局からの電波の反射方向を動的に変更させる実験に世界で初めて成功した。
これにより、遮蔽(しゃへい)物により基地局のアンテナが見通せない場所でも移動するユーザーに電波を届けることが可能となり、工場やオフィスなどの遮蔽物が多い場所での高周波数帯の電波の利用シーンが拡大する。今後は、6G時代を見据え、より高い周波数帯でも超高速無線通信を安定して提供するためのエリア化ツールとして実用化を目指し、検証を進めていく。
5Gサービスで利用している28GHz帯(ミリ波帯)や、6Gに向けて開拓を進めている高い周波数帯の電波は直進性が強いため、遮蔽物により基地局のアンテナが見通せない場所での通信エリア化が課題となっており、その解決に電波の反射の活用が期待されている。RIS反射板は、適切な方向に基地局からの電波を反射させる技術だが、特定の方向のみに反射するため、エリア改善も特定の方向に限られたものだった。
今回、NTTが研究開発を行ってきた「ユーザーの移動に合わせて動的に反射方向を制御する反射制御技術」をAGCの開発品であるミリ波帯のRIS反射板に適用することで、5G以降の世代で利用される高周波数帯で、ユーザーの移動に合わせた効率的なエリア構築が可能になった。
実証実験では、窓を介して室内に浸透してきた基地局からの電波を、RIS反射板が適切に電波の反射方向を制御することで、移動する受信機での受信電力を広範囲に改善できることを確認した。NTTで研究開発した反射制御技術を適用したRIS反射板を用い、ドコモが屋内エリア設計と基地局運用を行い、RIS反射板の屋内での有用性を確認した。なお、同実験で用いたRIS反射板は、開発元であるAGCの実験協力のもと運用した。
なお、今回の取り組みは5Gと5G evolution&6Gに向けた高周波数帯エリア構築技術の有力な1候補として検討を進めている。引き続きNTTとNTTドコモは、高周波数帯の効率的・柔軟なエリア構築手法の確立を目指して研究開発に取り組んでいく。
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