JCSSAが新春セミナー PC各社はパートナーとの連携強化に注力 林会長、「DX浸透」などを重点項目に
週刊BCN+ / 2022年3月10日 9時0分
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日本コンピュータシステム販売店協会(JCSSA、林宗治会長)は「2022年新春セミナー」をオンライン形式で開催した。1月24日に東京都内で現地開催を予定していた賀詞交歓会をコロナ禍の影響で中止し、ウェブ配信に変更してPCメーカー各社が経営方針などを動画で伝えた。林会長は年頭のあいさつで「昨年は最大目標だった会員数300社を達成した。新たな目標に掲げる333社も6月総会までに到達できる」との見通しを示した。
(取材・文/山越 晃)
林会長は昨年が協会の30周年だったことを受けて、理事と目的意識を共有することに改めて力を注ぎ、今後の取り組みなどについて議論を重ねてきた。
そうした中で、業界の重点課題として「デジタルトランスフォーメーション(DX)の浸透」「人材の多様化」「マーケティングデータの共有化」を指摘。業界全体にDXを浸透するために、協会の提案方法の改善と中小企業経営者の情報リテラシー意識が高まることを促した。深刻化するIT人材不足の対策では、女性活躍の推進による人材の多様化も重要視した。
一方、協会会員の企業内におけるマーケティングデータの共有化では「昨年はテストケースとして10社のデータを集めて分析結果を発表し、多くの方々から高評価を受けた。これを会員企業全体に展開していく」と意気込みを見せた。
●パートナーの強みを融合
多様な提案を推進
PC各社のプレゼンテーションではNEC、日本マイクロソフト、日本ヒューレット・パッカード(HPE)、日本HP、Dynabook、富士通、日立製作所(日立コンサルティングと実施)、VAIO、レノボ・ジャパンが登場した。
NECや日本マイクロソフトはDX推進に向けた新規顧客開拓への道筋や、市場の新たな動きに言及。NECの橋谷直樹・執行役員はDXを支えるエッジコンピューティングのパートナー連携を進めながら「毎年約1000件の新規の顧客開拓を考えている。そこから生まれるソリューションについては、年間100件を目指す」と意欲を示した。
DX市場について日本マイクロソフトの滝本啓介・業務執行役員パートナー事業本部副事業本部長兼SMBパートナー営業統括本部長は「24年までに65%のアプリケーションはローコード開発になると言われている」と説明した。
パートナーと協業した拡販戦略や時間、場所を問わず働けるハイブリッドワークの環境に向けたPC機能の拡充では、HPEと日本HPが力を注ぐとした。
HPEの西村淳・常務執行役員パートナー営業統括本部長はパートナー協業の施策について「中堅中小企業に向けたHPE製品の認知度向上や、従量課金サービス『HPE GreenLake』を新しい市場に拡販すること、そして弊社とパートナーが持つ知見を組み合わせたサービス開拓を進めたい」と述べた。
日本HPも昨年11月から指揮を執っている岡戸伸樹・代表取締役社長執行役員が「パートナーファーストをモットーに全力を尽くしたい」と気を引き締めた。またハイブリッドワーク向けPC機能の注力点では、九嶋俊一・専務執行役員パーソナルシステムズ事業統括が「カンファレンス(ビデオ会議)、管理、セキュリティを柱に、製品機能とサービスを強化していく」との方向性を示した。
Dynabookの覚道清文・代表取締役社長兼CEOは今年の重点事項として「さまざまなソリューションとコンピューティングデバイスを、ワンストップのサブスクリプションサービスとして提供するためのクラウドポータルを準備している。今後も社会や顧客の課題解決に向けたDX提案を行い、企業価値の向上を追求していく」と強調した。
持続可能社会の実現を支援する取り組みでは、富士通や日立製作所が持ち前の強みを生かす意向だ。富士通の櫛田龍治・執行役員専務システムプラットフォームビジネス部門長は「多様な業種におけるネットワークを生かして同じ思いを持つパートナーと繋がり、互いの強みを組み合わせながら社会課題の解決に貢献していきたい」とアピールした。
一方、日立製作所と日立コンサルティングは共同でプレゼンテーションを実施。日立製作所の加藤裕康・制御プラットフォーム統括本部デジタルソリューション事業開発部はカーボンニュートラルの実現に向けて「(環境情報管理システムの)EcoAssist-Enterprise-Lightを軸にポートフォリオの策定から実データ活用まで支援するサービスを展開している。コンサルティングと合わせて提供していく」と述べた。
日立コンサルティングのグローバルビジネスコンサルティング事業部社会DXコンサルティング本部の滝口浩一氏も「(企業の事業活動で発生してくる)エネルギーを可視化することなどを通じて、カーボンニュートラルの実現に向けた効率的な提案を進めていきたい」と思いを伝えた。
法人ビジネスの軌跡に言及したVAIOの山野正樹・代表取締役執行役員社長は「弊社は設立以来、法人ビジネスで着実な成長を遂げてきたのはパートナーの支援があってのこと。22年はさらに連携を強めていきたい」と語り、生産性向上を追求する姿勢を示した。
レノボ・ジャパンの安田稔・執行役員副社長は「非連続的な変化が続く社会において、パートナーとともに顧客に対して深さと幅を持った解決策を提供したい。レノボは世界規模でパートナーとの協業体制をさらに強化するためにLenovo360というパートナープログラムを用意している」と述べ、日本でも浸透させていく考えを示した。
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