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東京医科歯科大学と日立システムズ、電子カルテデータの利活用について共同研究

週刊BCN+ / 2023年2月9日 16時11分

東京医科歯科大学と日立システムズ、電子カルテデータの利活用について共同研究

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 東京医科歯科大学と日立システムズは、東京医科歯科大学病院のがん患者の電子カルテデータの連携・利活用に関する共同研究を実施した。

 今回の共同研究では、アマゾン ウェブ サービス(AWS)を利用した医薬・ヘルスケアプラットフォーム上で、がん患者の電子カルテデータを医療情報の交換・共有の標準規格であるHL7 FHIR形式に変換し、分析、保管、利活用することの有用性について検証した。その結果、医療情報を統合的に解析し、診療に役立つ情報が得られることを確認した。

 具体的には、厚生労働省、総務省、経済産業省の3省が定めた二つのガイドラインに準拠した日立システムズが提供する医薬・ヘルスケアプラットフォーム上で、東京医科歯科大学病院の頭頸部がん患者約200人を対象にデータ使用を拒否しなかった患者のデータを仮名加工化し、HL7 FHIR形式に変換した上で、データ分析を実施した。分析した結果については、治療計画の作成など実際の診療に役立つよう、異なる治療法や薬剤の違い、リンパ節転移の有無など、複数の条件によってその後の生存期間がどのように変わったかなどをグラフ形式で表示した。これにより、病院内で統合した治療情報の確認がタイムリーにできるようになった。

 また、今回の研究にあたっては、日立システムズが提供する「医療情報ガイドライン 準拠アセスメント・構築支援サービス」を活用し、HL7 FHIR形式に変換する際に必要となるコード体系やフォーマット変換をデータパイプライン処理により、自動化したことでデータ生成の期間や工数を短縮することができた。さらに、医薬・ヘルスケアプラットフォーム上で保管するデータについては多要素認証、ゼロトラスト、WAFなどのセキュリティ対策を施しており、サイバー攻撃などからも保護する。

 今後、病院内だけでなく、他医療機関で保有している医療情報についても連携させることで、治療計画などへのさらなる活用が期待できる。東京医科歯科大学と日立システムズは、今回の共同研究の結果をもとに、さらなるデータの利活用を推進していく。

 なお、日立システムズでは2021年8月に発表した医薬・ヘルスケア領域での中期事業計画にもとづき、健診から治療支援、介護までを包括するサービスの提供を目指している。これを実現するためには、医療情報を一元的に管理するプラットフォームの整備やアプリケーションの充実、PHRの連携に加え、電子カルテデータといった医療機関での診療記録の連携などが必要となる。今後も、医療情報の標準化の推進や他機関とのデータ連携・利活用を進め、さらに、医薬・ヘルスケアプラットフォーム上にパートナーとの連携を含めた各種サービスを組み合わせることでエコシステムを構築し、健診から治療支援、介護までを包括したサービスの提供を目指す。

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