日立システムズ、「債権督促効率化AIサービス」を提供
週刊BCN+ / 2023年3月16日 16時56分
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日立システムズは、クレジットカード会社などが支払い延滞者に対して実施する延滞債権の督促業務(返済期日を超過した債権に対する回収業務)にAIを活用する「債権督促効率化AIサービス」の提供を3月16日に開始した。
債権督促効率化AIサービスは、従来オペレーターが架電対応していた延滞債権の督促案件に対し、AIによる督促手段の判別によってIVR架電対応で回収が見込める案件を導き出すサービス。これにより、架電対応案件を減らすことでオペレーターの作業負荷軽減が可能となる。さらに、IVR架電対応では回収が難しい案件については、延滞者の特性とオペレーターの相性を考慮したAIによるマッチングで、延滞債権の回収率の向上が見込める。
具体的には、日立システムズ独自のAIモデルをもとに、IVR架電対象分析やオペレーターマッチング分析を行う。分析を行うことで延滞者によっては架電回数を減らすとともに、従来の督促対応と比較し、入金率の向上が見込める。同サービスのAIモデルは、大手クレジットカード会社との実証実験で構築し、その有効性が認められた。
実証実験では、延滞債権、督促手段、オペレーターに焦点を当て、クレジットカード会社が保有している債権督促業務に関する各種データを日立のAI「AT/PRC」に投入した。AT/PRCのAI分析により、(1)延滞債権×督促手段、(2)延滞債権×オペレーターの有効なマッチングモデルを構築し、カード会員の増加に比例して増加する延滞債権の督促業務の全体最適化を図る検証を行った。その結果、架電対応案件を減少させ、オペレーターの作業負荷軽減を確認したほか、延滞債権の回収率の向上を確認した。
また、延滞債権のなかで入金忘れ(うっかり)などについては、督促をせずとも数日後に入金されるケースがあることから、このような督促を行わなくても一定期間経過すると入金が見込める案件を抽出するAIモデルの検証を実施しており、今後、同サービスへの追加を予定している。督促を必要としない案件を抽出するAIモデルの提供やAIモデルの精度向上によって、督促業務効率化を支援していく。
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