内田洋行、オリンパスの本社統合移転で最新ICTインフラ構築を支援
週刊BCN+ / 2024年1月19日 15時12分
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内田洋行は、オリンパスの本社機能と開発機能を新たに集約させる「グローバル本社」の統合移転をともなう働き方改革プロジェクトで、約6500人規模のオフィスでさまざまな利用状況を可視化できるプラットフォームを構築したと発表した。
オリンパスでは、健やかな組織文化を目指し、多様な社員が時間や場所にとらわれず、自律したプロフェッショナルとして職務を全うするための新しい働き方の整備を進めている。その一環として、4月1日に移転予定の新本社は出社とリモートワークのハイブリッドな働き方で、全面的なフリーアドレスを採用。自由でオープンなオフィスで社員同士の対面コミュニケーションを活性化させ、組織をまたいだコラボレーションをつなげていく。
そのためのツールとして、内田洋行の「SmartOfficeNavigator」が採用された。スマートフォンで社員に必要な人や場所の情報を瞬時に引き出し、個々の力と創造的生産性の向上を支援。オリンパスの多様な社員が自律性をもって働きながらベストなパフォーマンスを発揮させるICT環境を構築した。
新本社では、オフィス空間での人の居場所や多様な設備・機器の検索・予約をSmartOfficeNavigatorで統合管理している。会議室予約管理システムSmartRoomsや各種ブース、オールユーザートイレなどの空き状況をセンサーで情報収集するRoomSenseと連携し、多様なオフィス設備を社員が自律的に検索・予約できる。また、ネットワークインフラCisco SpacesやMicrosoft 365とはSSO(シングルサインオン)で連携し、オフィス内でコミュニケーションを取りたい社員の居場所・スケジュール・連絡可否状況も確認することができる。
これら複数システムのインターフェースを共通にでき、簡単な操作で各機能を統合的に使用できることで社員の快適で自律的な働き方を後押しできること、また段階的な機能拡張も行えるためオリンパスの長期間にわたるオフィスリニューアルに柔軟に対応できることが採用の決め手になった。
内田洋行では今回、SmartOfficeNavigatorに収集されたデータを統合しサイネージに提供する「空き状況可視化マップ」を開発した。各フロア、人の往来が多い動線上にマップを設置し、すべてのフロアのオフィススペースの空き状況を、社員がマップを直感的に操作することで迅速に見つけられるようになる。また、マップ上から空いているコミュニケーションエリアを二次元コードで予約する新機能を搭載し、快適性を向上している。「会社に出社するとコミュニケーションが取りやすい」という利便性からより対面コミュニケーションを促す。
オリンパスの働き方改革プロジェクトは経営層から若手まで組織横断的に総勢約100人が参画。「オープン化とICT環境整備による最適なオフィス環境の構築」「新しい働き方の推進」「就業規則や仕組みの再整備」を掛け合わせることにより、健やかな組織文化の実現を目指している。これを持続させるためにプロジェクトでは客観的KGI(経営目標達成指標)を取り入れて、進捗管理を行っている。
新本社では脱サイロ化の目標を掲げて、オフィスエリアごとに社員同士の対面交流が進んでいるかを把握できる新機能をオリンパスと内田洋行で開発した。個人を特定しない人の所在情報と、オリンパスが所有する所属組織やオフィスエリアのデータを内田洋行がインテグレーションすることで実現している。これらのデータ活用により、プロジェクトが目指す部門間の連携、交流の進展など移転統合の目標進捗における課題の推察が視覚的に可能となる。またこのデータを根拠として、今後の事業再編にともなう部門やプロジェクトで使用するオフィスエリアの拡張や再配置などの判断にも活用。経営戦略、事業環境変化に対しアジャイルに対応できる進化し続けるオフィスを構築することが可能となった。なお、社員の所在情報の利用については、オリンパスで求められる個人情報ポリシーに対応するために、データ形式を不規則な文字列に変換(ハッシュ化)している。
さらに、ハイブリッドワークのために多彩な会議環境を新たに構築した。Microsoft 365のTeamsの機能を十分に生かしたICT機器の選定、ハイブリッド会議空間での人の目線や発声、音声の聞こえ方を考慮した機器の設置を実施した。内田洋行が以前から推進しているMicrosoftのライセンス販売や会議室構築のビジネスで培ったノウハウが、機器選定・設置やスムーズな利用機能拡張に貢献した。また、構築した環境を誰でも十分に活用できるようマニュアル作成までサポートしている。
今後は、より快適にコミュニケーションを進めるために、ICT機器やMicrosoft TeamsなどのコミュニケーションインフラとSmartOfficeNavigatorの連携強化を計画しており、それらから収集されるデータによって人の働き方や場の活用頻度を総合的に可視化し、さらなるデータ活用を進めていく。
また、実際の施設活用状況として、各会議室や各種ブースの占有時間と実利用時間の差分を把握するなど、データから運用ルールを適切に回せているかを判断し、使い方の改善に役立てていく。導入以前は、空いている会議室を探しまわるなどで付帯業務が発生していたが、導入後は社員が本来の業務に専念できるようになった。その結果、業務の効率化が図れ、エンゲージメントの向上にも寄与している。今後はAIカメラによる混雑情報の統合にも着手する予定。
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