日立システムズ、AIによる「需要予測型自動発注システム」を中部薬品に導入
週刊BCN+ / 2024年5月16日 16時2分
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日立システムズは5月15日、中部薬品の国内400の全店舗にAIによる「需要予測型自動発注システム」を導入したと発表した。2023年8月から稼働を開始している。
システム稼働後、中部薬品は自社がもつ棚割システムと需要予測型自動発注システムを連携させたことで、自動発注率を全体として従来比115%まで向上し、日配品では従来比160%に向上した。これによって、発注作業時間を1週間で約600時間削減するとともに、AIによる商品改廃時の在庫制御(売り減らし機能)により従来以上の円滑なMDサイクルを実現し、店舗在庫量の圧縮・適正化と商品回転率の向上に寄与した。
ドラッグストア・調剤薬局チェーン「V・drug」を展開する中部薬品は、業界に先駆けてAIを活用した需要予測など新たな仕組みを模索してきたが、これまでのシステムでは予測精度が低く、日配品など変動性の高い商品が対象外になることや、予測するだけで発注までつなげられないことに課題を感じていた。そのため、AIによる精度の高い需要予測と、それを在庫適正化にまでつなげる発注制御機能の両方を兼ね備えている点や、これまでの納入実績を評価し、導入を決定した。
同システムは、変動要因となる30種類の要素データを分析する需要予測計算によって、従来は難しかった消費期限の短い日配品についても需要や適正在庫を予測できる。さらに、特売や季節行事などのイベントを加味した需要を予測することもできる。
どの商品をどこにどれくらい陳列し、いつ販売するかなどの棚割に関する情報が入力された「棚割システム」と連携しながらAIが精度の高い需要予測を行い、それに基づく発注量を提案する。各店舗では毎朝、システムにより推奨された発注量を確認することで発注作業を完了できる。
また、シーズンごとに実施する商品の入れ替えなどの棚割計画情報との連携により、棚替え時の発注作業をサポートするとともに、新商品や代替商品への入れ替えに、予定日に向けて在庫を自動抑制(売り減らし機能)し、円滑な商品改廃を支援する。
従来のシステムでは商品の単品単位で安全在庫(指数の変更)を設定しており、運用の大きな負荷となっていたが、需要予測型自動発注システムでは、演出在庫や経済的発注量の調整パラメーターなどを商品分類単位で設定。これによって在庫量や発注量をコントロールする運用が可能となり、システムの運用負荷を軽減している。
中部薬品では今後、物流在庫センターに対して、対象商品の30日先までの販売予測データを提示することでセンターの在庫を最適化、店舗への配送遅延防止につなげる施策を検討している。
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