久万造林と日立システムズ、J-クレジット創出のための協創プロジェクトを開始
週刊BCN+ / 2024年8月2日 16時16分
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久万造林と日立システムズは8月2日、持続可能な森林づくりに向けた、J-クレジット創出のための協創プロジェクトを開始したと発表した。
今回の協創プロジェクトは、6月6日付「第60回 J-クレジット制度認証委員会」で、クレジットの創出・販売の重要なステップの一つであるプロジェクト登録の承認を受けたもの。これは、愛媛県で初の私有林を対象とした森林経営活動方法論でのプロジェクト登録となる。今後は、愛媛県の航空レーザー解析成果などを活用したデータの分析や、モニタリング報告書の作成を行い、今年度中にJ-クレジットの創出・販売を開始する予定。
自治体や林業経営体などの森林の所有者や管理者がJ-クレジット制度を活用した継続的な森林保全を図るためには、プロジェクト登録、モニタリング報告を経てクレジットを創出し、その後クレジットを販売するというステップを踏む必要がある。こうしたなかで、日立システムズのようなパートナーがデータや先端技術の活用を通じた適切な支援を行うことで、久万造林のような森林の所有者や管理者の課題となる「クレジットの創出や販売に関する知識不足や手続きにかかる時間への不安」を解消することが可能となる。
今回の協創プロジェクトでは、久万造林が愛媛県内に所有・管理する200ha以上の私有林を対象に、久万造林の森林経営計画から概算クレジット創出量の算出とプロジェクト計画書の作成を実施し、J-クレジットのプロジェクト登録申請を行った。プロジェクト登録にはモニタリングに関しての計画立案のほか、根拠資料の整理や作成が必要だが、150年以上にわたって木を育てている久万造林を、データ分析・活用に強みをもつ日立システムズがサポートすることで、スピーディーに登録を行うことができた。
今後、愛媛県の航空レーザー解析成果などのデータを活用したモニタリングによるクレジット創出を実施する。日立システムズはクレジット販売の手続きも含めて久万造林をサポートし、久万造林はその収益を継続的な森林保全に活用。森林によるCO2吸収を促すことで、カーボンニュートラルの実現に貢献していく。
具体的な取り組みとしては、200ha以上の森林を対象に適切な管理を行うことで、23年4月から8年間で6000t以上のクレジット創出を見込んでおり、今年度中での23年度の実績によるクレジットの創出と販売(700t以上)を予定している。
日立システムズは、協創プロジェクトで得たノウハウを活用し、J-クレジットの創出を支援する新サービスを今年度中に提供する予定。自治体や林業経営体などの森林の所有・管理者が航空レーザー解析成果などをもっていない場合でも効率的にクレジットを創出できるよう、LiDAR搭載ドローンによる森林調査にも対応することで、プロジェクト登録からJ-クレジットの創出・販売までを一貫してサポートし、全国約300拠点のネットワークを活用した日本全国へのサービス展開を目指す。
久万造林は「100年、200年と続く森林づくり」を使命として掲げ、これまでの林業の主力となっていた建築用材の供給だけではない森林の活用方法を考え、実行してきた。J-クレジット制度の活用を森林の可能性を引きす大切な手段の一つとして捉えており、協創プロジェクトを通じて森林の価値を高め、山も人もより豊かになるような地域の森林づくりに貢献していく。
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