糖尿病根治に一歩前進 人工ベータ細胞の研究発表

Welby Media / 2014年10月17日 15時0分

糖尿病根治に一歩前進 人工ベータ細胞の研究発表

インスリンの分泌に関わるベータ細胞を、幹細胞から人工的に作製する方法が確立されたと、「Cell」誌の10月9日号にてタグ・メルトン氏が論文発表しました。この人工ベータ細胞を移植すれば1型糖尿病を根治できる可能性があります。
1型糖尿病は膵臓にあるベータ細胞が、体内の免疫系によって攻撃され破壊される疾患です。メルトン氏は幹細胞を用いて、ベータ細胞の新たな供給源を作成しました。

ベータ細胞とは膵臓のランゲルハンス島(内分泌を営む細胞群)に存在する細胞で、血糖値が上昇した時に、インスリンを分泌して血糖値を下げて正常値にコントロールする働きをします。このベータ細胞の機能が低下したり、機能しなくなると、インスリンが分泌されなくなってしまいます。
ベータ細胞を幹細胞(細胞を分裂、生成させる)の機能を使って人工的に作製することで、糖尿病患者の血糖値が上昇した時に、インスリンを分泌し血糖値を下げることで、血糖値をコントロールすることができるようになります。

メルトン氏は15年かかってようやく実験用マウスで、実際のベータ細胞とほぼ同等の機能を持つ人工のベータ細胞の作成に成功しました。ヒトに対する試験も2~3年以内に開始予定で、人工ベータ細胞1億5000万個ほどを1度に投与すれば生涯にわたって有効なのか、将来的に追加が必要になるのかなど、ヒトでの臨床試験を行うまでは分かりません。免疫系の拒絶反応の課題も解決しないといけません。

ヒトに対する臨床試験の承認が政府から下りるまでには、まだ少なくとも1年ほどは研究が必要だろうとメルトン氏は言う。メルトン氏の見込みでは、この方法が実際に多くの患者の役に立つまでには、さらに2年ほどの試験が必要だろうとのことだそうです。
また、一歩、大きな歩を進めたというところでしょうか。

執筆者紹介

Welby Bear(ウェルビー ベアー)
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