マスカルチャー終焉時代に映画『SUNNY』が公開される意味とは? “皆が知っている曲”が生み出されていた1990年代

wezzy / 2018年8月30日 18時45分

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 8月31日、映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』が公開される。本作は、主演の篠原涼子(45)と、そのコギャル時代を広瀬すず(20)が演じることで話題になっている。

 映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』は、かつての親友たちと20年以上の時を経て再会すべく、平凡な専業主婦役の篠原涼子が奔走する青春音楽映画だ。監督・脚本を務めるのは、映画『モテキ』(2011)などで知られる大根仁(49)。原作の韓国映画『サニー 永遠の仲間たち』(2011)を90年代の日本に舞台を移して再構築している。

 メインキャストは篠原涼子、板谷由夏(43)、ともさかりえ(38)、渡辺直美(30)、小池栄子(37)を加えた5人で、かつて青春をともに過ごしたものの、ある事件をきっかけに疎遠になってしまった親友同士を演じる。また、その高校生時代を描いた過去パートでは、篠原涼子のコギャル時代を広瀬すず(20)、板谷由夏を山本舞香(20)が演じている。

 豪華キャストやストーリーにも期待がかかるが、劇中の随所に散りばめられた90年代のカルチャーにも注目だ。音楽は「TKサウンド」で一世を風靡した小室哲哉(59)が手掛け、安室奈美恵の『Don't wanna cry』や、trfの『survival dAnce ~no no cry more~』など大ヒット曲を劇中で使用している。

 劇中の過去パートで90年代のコギャルを演じる広瀬すず、山本舞香、池田エライザ(21)らは、ルーズソックスやギャルショップのショップバックを駆使して当時のコギャルカルチャーを踏襲。もちろんルックスも肌の色や髪色、マユの細さにまでこだわりぬき、伝説のギャルファッション雑誌『egg』が生み出した「eggポーズ」をバッチリ決めているのだから、もはや完全擬態だ。



 現在パートで篠原涼子たちが演じているように、かつての大親友でも大人になれば就職や結婚、出産経験(の有無)や、それぞれライフスタイルの変化によって疎遠になりがちだ。月日を重ねて溝はさらに深まっていくが、ふと再会したときに溝を埋めてくれるのは、いっしょに過ごした思い出と時代のカルチャーかもしれない。初対面でも、昔流行していた音楽をいっしょに口ずさめば距離はグッと縮まるものだろう。実際に90年代を高校生として過ごしていた篠原涼子たち5人は、和気あいあいと撮影を楽しんでいたようだ。

 主演の篠原涼子は、8月25日発売の「spa!」(扶桑社)で<アラフォーチームは皆さん本当に話したがり屋だったし、話が合うのでずっと話してました。(略)この作品でも最後に「何であんなに笑っていたんだろう」ってセリフが出てくるんですが、本当にそういう感じですね。>と述懐している。また、板谷由夏は8月27日の「トレンドニュース」インタビューで<今回のメンバーは、これまでがっつりと仕事をご一緒したことはありませんが、最初の顔合わせからすぐに仲良くなれました。放っておくと大人チームはずっとおしゃべりしていましたよ>とコメントしていた。

 90年代はテレビや雑誌などのマスメディアが全盛期を迎えており、そこから発信された流行が一世を風靡していた時代。みんなが同じテレビ番組を観て、同じヒット曲を聴いていた。他方で、SNSが普及した現在はインターネットを媒介して多様なカルチャーが生み出され、趣味や嗜好も多様化している。みんなが同じものをいっせいに享受する現象、たとえば「誰もが知っているあのヒット曲」のような存在は、もう現れにくいだろう。

 映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』は、時代のカルチャーがつなぐ最後の絆を描いているのかもしれない。

(ボンゾ)

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