TBS『消えた天才』の捏造が次々と明るみに 別番組に人権侵害の訴えも

wezzy / 2019年4月8日 16時5分

写真

 視聴率激戦区となっている日曜ゴールデンタイムで昨秋からレギュラー番組として放送しているTBSの『消えた天才』。『坂上&指原のつぶれない店』と『消えた天才』を隔週で2時間番組として放送しており、前者は低迷しているが『消えた天才』は二桁視聴率を稼ぐ週もあり、人気番組となっている。

 しかし「番組の都合のいいように人物の過去をでっち上げている」との批判も視聴者からあがっており、その制作姿勢には疑問符がつく。

復帰した過去を隠し「消えた天才」として取り上げる

 『消えた天才』は、現在活躍するアスリートが憧れるほどの実力を持ちながら姿を消した「天才」や、「天才」が突然表舞台から去った理由を突き止め、現在の生活を追跡する番組だ。

 昨年10月からレギュラー放送となり、前述のように日曜日のゴールデン帯という激戦区でありながら二桁台の視聴率を獲得するほどの人気番組だが、その演出はやや過剰だ。

 たとえば昨年12月16日の放送では、スキージャンプ葛西紀明選手が憧れた「消えた天才」として元スキージャンプ選手・秋元正博氏を取り上げた。秋元氏はスキージャンプ・ワールドカップで4勝を獲得したが、1982年に交通事故を起こし謹慎。しかし秋元氏は事故後2年弱で競技に復帰している。「消えた」と表現するのは語弊がある。

 復帰しているにも関わらず「消えた」と謳う放送は2018年1月にもあった。その回では1992年にドラフトでヤクルトに1位指名された元プロ野球選手・伊藤智仁氏を「わずか2カ月半で消えた! プロ野球史上最高の天才」として特集。番組では伊藤氏は2カ月半でケガのため表舞台から消えたとされていたが、実際は2年半ほど過酷なリハビリ生活を送りながらも現役に復帰し、ケガや病気から復帰した選手に贈られる「カムバック賞」も受賞している。

 その他、昨年12月2日の放送ではプロ野球・大谷翔平選手が過去に甲子園に出場した際、大谷選手からホームランを奪った唯一の選手を「消えた天才」としてクローズアップ。この選手が野球を辞めた理由は「ドラフトで指名されず挫折した」と解説したが、その後、そもそもこの選手はプロ志願書を提出しておらず、ドラフト会議に出ていなかったことが発覚。ネット上では「捏造だ」という非難が殺到した。

 テレビ番組に多少の“仕込み”があることは、視聴者も承知の上だろう。しかし、『消えた天才』がやっている「人物の過去を都合のいいように変えること」は容認できる域を超えており“悪質な捏造”といわれても仕方がない。

『爆報! THE フライデー』は人権侵害を訴えられる

 TBSのバラエティ番組は、他にも問題含みだ。「週刊ポスト」2019年4月12日号(小学館)は、『爆報! THE フライデー』に人権を侵害されたとして、芸能プロデューサーA氏がBPO(放送倫理・番組向上機構)に申し立てをしていたと報じた。

 問題となったのは、今年1月11日に放送された「あの有名人が、今じゃこんなことになっている」という企画だ。番組では1990年代に「学園祭アイドル」として活躍したSHIHOの苦労人生を特集。再現VTRのなかでA氏にあたる人物が、SHIHOがお金に困っているという情報を知ったうえで彼女にストリップ公演への出演を持ちかけ、出演料400万円を持ち逃げしたという場面があった。

 この放送に対し、A氏は取材や事前連絡を一切受けていなかったといい、事実無根・人権侵害だとしてTBSに抗議。当時の関係者には明らかにA氏だとわかる放送内容であり、知人から電話が殺到したという。

 A氏の抗議にTBS側は「匿名だから問題はない」と主張。そのためA氏は、BPOへ人権侵害の申し出をしたという。すると、翌日にTBSの制作部から、番組の公式ホームページでの謝罪文公表と「取材費」として20万の支払いを持ちかけられたそうだ。A氏は「20万円で解決できる問題ではない」として申し出を断る。2度目の話し合いの際には、「SHIHOさん側の主張だけをもとにした一方的な内容だった」と綴られた謝罪文が渡されたという。

 なお、SHIHOは「Aさんの主張には困惑しています。事実は一つです」とA氏の言い分を否定。A氏とSHIHOの主張は食い違っており、どちらが真実なのかはわからない。しかし、番組側も認めているように、一方的な内容だったことは否めない。『消えた天才』も同様だが、誰かの苦労人生を誇張する表現は、問題化することが明らかである。過激であればあるほど視聴者が飛びつくという時代でもないはずだ。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング