レペゼン地球とジャスミンゆまの炎上プロモーションは“SNS上の告発”信憑性を激しく貶めた

wezzy / 2019年7月24日 13時35分

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 人気DJグループ兼YouTuberグループ「レペゼン地球」のメンバー・DJ社長が、自身の事務所に所属するタレント・ジャスミンゆまと共にセクハラ・パワハラの虚偽告発による炎上プロモーションをした問題は、多くの批判を集めた。本人たちは炎上プロモーションに関与したマキシマムザホルモンおよびファンに向けて謝罪したが、あくまでも「ネタのつもり」であり、問題の本質を何ら理解する気はないようだ。

 まず7月17日にジャスミンゆまが自身のツイッターで、LINEのキャプチャー画面を公開し、DJ社長から「何度もホテルに誘われている」「断ったらクビにするとも言われた」などハラスメント被害を受けていると告発。18日にDJ社長は頭を丸めた姿で、これらのハラスメント行為は事実だと認める謝罪動画をアップした。

 ところが20日、DJ社長は一連の流れを「新曲をPRするための炎上プロモーションだった」と明かし、人気ロックバンド・マキシマムザホルモンとのコラボ曲「パワハラザホルモン」を発表した。

 レぺゼン地球のファンからは「さすが!」「面白い」と称賛の声が寄せられたものの、ネット上ではセクハラやパワハラをプロモーションの道具にしたことに対する批判が殺到し、21日にコラボ曲のMVは削除。レペゼン地球・ジャスミンゆま・マキシマムザホルモンは各ツイッターで謝罪した。

DJ社長の「辞めたいなら辞めれば」はハラスメント加害者の論理

 レペゼン地球が21日に投稿した謝罪文では、「もともと炎上商法だったので多少炎上することは想定していましたが、想像の10倍炎上し、まさか『パワハラはダメ』『炎上商法はダメ』と今回のMVで言っているマキシマムザホルモン様にまで批判がいくとは考えておりませんでした」と綴っている。自分たちは最終的にハラスメント行為を「ダメ」と否定しているのだから問題ない、という主張は変わっていないようだ。

 この謝罪ツイートからは、「想像以上に炎上してしまったから・マキシマムザホルモンに飛び火したから謝っておこう」という勘違いが伺える。しかし彼らの過ちの根本は、“セクハラやパワハラをプロモーションの道具にしたこと”だ。そのことは今なお、理解されていないようである。

 また、DJ社長は7月20日、「日本全国のパワハラで悩んでる人達へ」とメッセージを添えた動画をツイート。動画の内容は、会社を辞めたくても辞められない人達に対して、「普通に辞めたいなら辞めたほうが良いと思う。まずそもそもこの世の中、腐るほど仕事があるのに、そんなゴミみたいな会社でしか働けん、しかも辞めることもできないような自分のレベルの低さを実感したほうがいいけん」と“アドバイス”を送るものだった。

 DJ社長は「辞めたいから辞める」ことができる人間なのだろうし、「ゴミみたいな会社」を辞められないのは自己責任だという考えなのだろう。おそらく、セクハラやパワハラをはじめとした組織内の上下関係に絡む諸問題、そしてブラック企業で働き続ける人々の葛藤について、知ろうともしていない。

 2017年4月、漫画家の汐街コナさんが、自身がブラック企業に勤めていた時、会社を辞めたくても辞めることができないほど追い詰められた心境を描いたノンフィクション漫画『「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由(ワケ)』(あさ出版)がTwitterをきっかけに注目を集め、リリースされた。

 健康状態が良好であれば適切な判断ができるとしても、ブラック企業に勤務し心身ともに追い詰められることで「こんな会社は辞めていい」という判断が難しくなる可能性がある。そもそも「辞めたくても辞められない人」の自己責任に帰結してしまえば、ブラック企業はなんら是正されず蔓延り続けてしまうだろう。DJ社長がどのように認識しているかはわからないが、私たちはモラルもルールもない弱肉強食の社会ではなく、人権を保障された社会に暮らしているはずだ。

“SNS上の告発”の信憑性を貶めた炎上プロモーション

 もうひとつ、今回の騒動は大きな禍根を残した。ジャスミンゆまが嘘のハラスメント被害を告発したことだ。SNSが普及したおかげで、これまで権力に握りつぶされていた真実をSNSで発信・拡散することが可能になったが、今回の虚偽告発は、SNS上の告発の信憑性を著しく貶めた。

 たとえば今年6月、東京ドームシティ内の劇場「シアターGロッソ」で上演していた特撮ヒーローショーで“司会者のお姉さん”を務めていた女性がツイッターで、関係者からのパワハラとセクハラを受けていたと被害を訴えた。

 この特撮ヒーローショーは、株式会社東京ドームが、株式会社東映エージエンシーに制作を委託し、運営しているもの。東映エージエンシーと親会社である東映が事実関係の調査を行った結果、7月8日までにセクハラ行為などの事実が確認されたとして、公式サイトで謝罪している。

 また、SNSでの告発が社会全般を巻き込む大騒動に発展した最近の事例としては、NGT48の暴行事件がある。元NGT48の山口真帆は今年1月、自宅でファンを名乗る男2人に暴行された件で、一部メンバーが関わっていた可能性があるため、NGT48を運営する株式会社AKSに対応を求めたが全く取り合ってもらえなかったことを、自身のツイッターで暴露した。その後の展開はご存知の通りだ。

 もちろんすべての告発を即座に信用できるものではない。SNS上の投稿にはフェイクやデマもあり、全てを鵜呑みにすべきではないことは確かだ。だからこそ、レペゼン地球とジャスミンゆまは、虚偽の告発などすべきではなかった。あまりに軽薄で軽率な自らの炎上プロモーションの罪深さを、少しでも理解してほしい。

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